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フォンテーンにて

ラファージャでの、パレードや大変だった祝賀会での貴族の相手も終わり、あとはドワーフ王国の1日かけてのパレードだ、王都フォンテーンもそんなに大きいわけではないので、馬車をゆっくり引き王都を何周もするかたちだ。沿道の人達と握手ができるくらいゆっくり回るのでリーサは大変だ。もう馬車の上に乗るのではなく、歩いた方が良いのではないだろうかと思うくらいだ。更に沿道の屋台からの差し入れもある、流石に全部を食べている暇が無いので、一口食べたら説明しながら無限収納にしまっていく。勿論、馬車の上で待機している龍聖たちにも渡していくが、流石に量が多い、かと言って断る訳にもいかずに食べ物と飲料が増えていく。そして差し入れを断らずに貰ってくれて、握手も断らない優しい姫様との印象もついて行く。これであとは神の巫女と、全てのギルドで特Sランクを取ったという事が浸透していけば、ウルグ王の狙いは的中だ。これを朝まで続けるのかと思うと、リーサは流石に体力的に持つかなと思いながら沿道の人達と握手を交わしていく。


だが、流石に王都を3周した辺りから沿道で握手を求める人は減り始め、皆宴会モードになって行く沿道の屋台の周りに椅子を用意し、酒盛りが始まって行くと自然と握手などは減り、大きな声で『姫様~こっち見て~』とか『巫女様ありがとう~』とか『奇跡の特S称号者』などの声掛けが多くなってくる。皆酒盛りに夢中になりつつもパレードの馬車が通る時には声をかけてくれる。勿論屋台の店主もドワーフなだけはある、酒盛りしながらお客をさばいている。そして更にはリーサ達に差し入れ迄している、しかも毎回違う差し入れだ、沿道に出している屋台とは思えない量のメニューだ、そしてそれだけの差し入れが来るという事は、リーサがドワーフに認められたことでもある、毎回気を使って違うメニューを出すのだ、勿論他の屋台とメニューが被る事はあるが、自分の店では絶対に同じものを出して飽きさせないようにしているのだ。『姫』で『巫女』で『3ギルドのトップランカー』のリーサを『愛し』『尊敬し』『敬って』くれているのだ、だからこそみんなリーサに気をかけてくれている。お酒を飲んでいるので声のかけ方は気楽なものだが、それもドワーフ独特なものだろう。


王都を何周しただろうか、段々と朝日が昇ってきて空が白んできた、暴風龍の長リュードさんとその奥さんのカテナさんはリーサと共に朝まで起きていてくれたが、流石に龍聖達は体力が続かなかったので馬車の中で眠っている。リーサも眠い目を擦りながら最後の声援に応えている。お酒を飲んでいるドワーフ達は元気なもので、みんな酒を片手に手を振ってくれている。それに答える形でリーサも最後の力を振り絞る、そして最終のパレードが終了した、最後はドワーフの皆も席から立ちあがりリーサに敬礼していた、最後まで耐え抜いたリーサに敬意を表したのだろう。


そしてパレードの成功を祝って、お爺様が酒宴を開いてくれていた・・・正直眠かったリーサだったがお爺様の行為を無にできないと頑張って参加していたが、途中で意識が途切れた・・・・寝落ちしてしまったのだ、そんなリーサをよく頑張ったと抱えるようにパパンがベッドまで運んでくれた。龍聖たちは眠りから覚めたが、そんな疲れたリーサを労わるように同じベッドに入り、龍聖はホーリードラゴンの癒しの効果を発揮してリーサを癒し、ガヴァンライフドラゴンの子供達は、リーサをレッドシルフィードの光で包み心身ともに癒していく。そしてそれが終わると皆疲れたのかリーサの周りを囲むように寝ていくのだった・・・・



昼頃に目を覚ましたリーサは薄っすらと残っていた意識の中で。龍聖やガヴァンライフドラゴンの子供達に癒されたのを思い出していた。そして一人一人を優しく撫でていった、すると皆ゆっくりと目を覚ましていく、目を覚ました龍聖が開口一番


「ママ大丈夫?疲れてない?」


「大丈夫だよ~、みんながママの事回復してくれたから元気いっぱいだよ」


「良かった~、ママが倒れるように眠っちゃったから心配してたんだよ」


「それでみんなが回復をしてくれたのね?」


「そうだよ~、レミーラもフィリアもリデルも、ロゼリアもアレスも、ガデッサもクロウも、みんな頑張ってくれたんだよ」


「そっか~、みんなありがとね。みんなのお陰でママ元気になれたよ」


「良かった、ママが倒れた時はどうしようかと思っちゃった」


「ありがとうガデッサ」


「ガデッサばっかりずるい~」


「ごめんごめん、龍聖もレミーラもフィリアもリデルも、ロゼリアもアレスも、ガデッサもクロウも、みんなありがとうみんなのお陰でママ元気になれたよ」


「おぉリーサ起きたか」


「パパン、ごめんね心配かけちゃったね」


「大丈夫さ、ドラゴンのみんなが頑張ってくれていたから、そんなに心配はしなかったぞ」


「そっか~、みんなそんなに頑張ってくれてたんだ、じゃぁ今日のご飯は魔力タップリ入れないとね」


「やったぁ」


「狙ったわけじゃないけど嬉しいね」


「ママの魔力美味しいもんね」


「クロウもガデッサもロゼリアも嬉しそうね」


「私達も嬉しいよ、ねぇみんな?」


「「「「うん」」」」


「じゃぁ昨日の屋台の差し入れがいっぱいあるから、それに魔力入れたので良い?」


「良いよ良いよ、美味しいのいっぱいだったもん」


「そうだね~美味しかったね~」


「ママの魔力が入ってないのに美味しかったもんね」


「これでママの魔力が入ったら、どれくらい美味しくなるんだろうね?」


「想像できないね~」


「じゃぁママの魔力を注いだから、その想像できない食べ物を食べてみて?」


「「「「「「「「「は~い」」」」」」」」」


「美味しい!!すっごい美味しいよママ」


「本当だ、美味しくて頬っぺた落ちちゃうよ」


「大変だ!早く頬っぺた支えないと」


「ママ?本当に落ちる訳ないでしょ!」


「え~だって、クロウが頬っぺた落ちるって言うから、乗ってあげたのに~」


「それだけ美味しいって事だよ、ありがとねママ」


「いえいえ、どういたしまして」


そこにお爺様もやってきた


「リーサよく頑張ったのう、王都フォンテーンの民もリーサの事を受け入れてくれたようじゃぞ」


「そうですかそれは良かった、頑張ったかいがあります」


「リーサよく頑張ったわね」


「ママン、ありがとう」


「私達も王城からずっと見ていたのよ」


「そうだったんだ?」


「勿論、建物の陰で見えないところもあったけどね、でも見えるところではリーサが王都の民と仲良くしている所が良く見えていたわよ」


「そっかぁ、なんか照れるね・・・・」


「ママ頑張ってたもんね」


「ありがとう龍聖、さてお爺様、パパン、ママン、パレードも終わったし私は少し自由にさせてもらいます。最近忙しくて冒険者育成学校に行く頻度も減っていますし」


「そうじゃな、学業も大事じゃからな、いくら特Sランクになったとはいえ礼儀まではまだ習っておらんのであろう?それならばしっかりと学校に通う事も大事じゃ。しかも仲間との連携も取れるようになるじゃろうから、やはり学校は大事じゃな!!」


「そうだぞリーサ、ワシもSランクになってからかなり苦労をしたから、特Sランクのリーサなどもっと大変な思いをする事になるぞ。ただでさえ、ラファージャで貴族相手に大変だったと言っていたじゃないか」


「そうよリーサ、ママもパパと一緒になってからSランクの依頼を受ける事が多くなったけど。貴族の依頼とかは大変だったわよ、ちゃんと勉強しておきなさい。それにまだ学校に入って1年チョットしか経っていないんだから、まだまだ習う事はたくさんあるわよ」


「あぁっもう!!みんなで言わなくても私が一番わかってます、だから自由な時間を下さいって言ったんです。パパンの聖剣も用意したし、出生率の減少の原因も調べて減少も抑えたし、安産祈願もしたし、新しい鉱山も用意したし、これ以上何かしろって言うならお金取りますよ?」


「それくらいかまわんぞ、むしろタダでそこまでやってもらおうとも思っておらんわい。リーサはいくら欲しいんだ?」


「親父!!下手に金額は効かない方が良いぞ、リーサの稼ぎは半端じゃないから国庫がカラになるぞ」


「何?そんなに稼いでいるのか?ではお爺ちゃんにお小遣いをくれても良いぞ」


「何を言ってるんですかお父様、孫にたかるなんて!!」


「マリアさん冗談じゃよ、冗談、そんなに怒らんでくれ」


「今のは親父が悪いよ、だけどマリアも許してやってくれ、親父は昔から変な冗談を言う事があるんだよ」


「ねぇみんな、私はそろそろ学校に行っても良い?今からだと中途半端な時間だけど少しでも授業に出ておきたいから」


「あぁ構わんぞ、王都フォンテーンでのリーサの仕事は終わったからな」


「じゃぁ行ってくるね、夜には戻ってくると思うから、もし戻れなくても連絡だけは入れるよ」


「そうだな、そうしてくれ、いくらトップランカーになったとはいえ心配だからな」


「分かってる、分ってるってばパパンもママンもそんなに抱きしめないでよ」


「そうは言っても心配なのよ、まだリーサあなた6歳なのよ?特Sランクになっていることが異常な事で普通はまだ家で家族と過ごしているのよ?」


「それも分かってるよママン、なるべく家族の時間も作るから・・・・もう少し好きにさせて?」


「マリアさんや、これはヘンデルの血が濃いせいじゃ諦めてくれんかのう?」


「親父俺のせいにするなよ」


「何言っとる!!王位継承権第一位の王子が、城を飛び出して冒険者になっておったくせに」


「うっ・・・・それを言われると、マリア諦めてくれ俺のせいのようだ」


「あなた・・・・・もう!しょうがないわね早く行ってらっしゃい、みんな待ってるわよ」


「ありがとうママン、じゃぁ行ってくるねパパンもお爺様も行ってきます」


そうしてドワーフ王国での一件は、粗方片付いたのでした。さぁお昼からだけど授業に参加だ、今しか出来ない事は山ほどあるのだから。それから少ししてラファージャの冒険者育成学校にリーサが姿を現すのでした。

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