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ゴーレムの強化

アヤメさんは満足しきった顔で40と言おうとしたので、イメージ魔法で気絶させておいた。無限収納にしまおうかとも思ったのだが、時間停止を無視して元気よく『次は40で!!』って言いそうなので気絶したままでいてもらった。あのままだとアヤメさんが倒されるまでやりかねない、アヤメさんが倒されるのを見るのが目的じゃないし、剣術魔法の幅を広げたくていろんな人にお願いしているだけだ。あれだけの動きだと自分に身体強化を掛けてからじゃないと、私がつかうときに自分の体がボロボロになるまで勝手に動き回る魔法になっちゃう。でも逆を言えば身体強化さえかければかなり使える魔法になってきたって事だよね。


次はお王様に頼んで、騎士団長と副団長の動きをトレースさせてもらおう。フフフ、やばい魔法が出来上がりそうだ。まずはフラウ先生に説明をして王様にお願いしに行かないと。


「フ・ラ・ウ・先・生 お願いがあるんですけどぉ」


「何ですかその気持ち悪い呼び方は?今度は何を企んでるんですか?」


「失礼ですねぇ、それじゃ普段悪だくみしかしてないみたいじゃないですか?今回は剣術魔法ってのを開発しまして、剣術魔法をかけた相手は、色んな剣術の使い手の技が使えるようになるって言う健全な魔法ですよ。勿論身体強化も掛けないと体がボロボロになりますが、それでですね色んな人の技を見せて貰っているわけ何ですが、学校にはもう人材が居なくなってしまって、王城の騎士団長と副団長の試合なんてみたいなぁなんて思っているんですよ」  

 

「そんな魔法を考えてたんですね、それは凄いです。協力しましょう」


「そっそう何ですよ、この魔法を強い敵に遭遇した時にかければ、パーティの生存率が上がるんです。けっして私が剣術の授業がつまらないからじゃないんです」


すると後ろから凄い殺気を感じた。


「ほう?剣術の授業がつまらないと?だから魔法で何とかしようと?それが本音ですか?」


「ゲッキリング先生・・・」


「『ゲッ』とは何ですか」


「だっ誰も剣術の授業がつまらないなんて言ってないじゃないですか」


「でも実際、授業サボってるじゃないですか。貴女」


「キリング先生!!きっかけはどうであれ素晴らしい魔法が出来上がるのは確かなんです。何ならフラウ先生とキリング先生で戦ってみませんか?」


「いくら魔法が優れていても、流石に私が剣術の先生に勝つことはできないと思いますが?」


「まぁ物は試しにやってみましょう」


キリング先生は剣術の先生。


「キリング先生、私の新しい魔法の試しに、フラウ先生と魔法無しの剣術のみで戦って下さい。因みにキリング先生の動きも魔法に取り込んであるのでそこそこ強いですよ。まぁ生徒と戦った時の動きなので参考にはならないかもしれませんが」


「ほうそれは面白い魔法を開発してますね、私の動きも入っているという事は私は自分自身と戦うという事ですね」


「はい、その外にも何人かモデルになって貰った人が居るので強さは分かりませんが。フラウ先生が強敵である事には変わりません。基本的にはですが、実際に使うのは初めてなのでどこまでフラウ先生が強くなっているかは未知数です」


キリング先生も生徒と戦う時に本気は出していないだろうけど。今回は本気を出さないと勝てないはず。今回のキリング先生の動きもトレースさせてもらおう。


「フラウ先生もキリング先生も準備は良いですか?準備が良ければフラウ先生に魔法を掛けます『身体強化 素早さ強化 剣術魔法付与』 『イメージ魔法 トレース発動 キリング先生の動きをトレース』これで準備は完了っと、先生達は準備OKですか?」


二人とも刃引きの剣を使っている


「俺はいつでも構わんぞ」


「私は怖いけどリーサさんを信じます」


「分かりました私を信じてください。では、始め!!」


「さぁフラウ先生、1手目は譲りますよ」


「ありがとうございます。では行きます!!やぁ!」


フラウ先生がものすごい勢いでキリング先生に飛び掛かる。キリング先生は動くこともできずに修練場に沈んだ・・・・。 


流石アヤメさんの動きが入っているだけのことはある。ローナを呼んできて光魔法でキリング先生を復活させてもらう。流石にキリング先生も納得がいかずに再戦を望んだ、私もキリング先生の動きをトレースした意味が無かったのでもう一度戦ってもらうことにした。今度のキリング先生は目つきが違う、ヤバイ本気だフラウ先生大丈夫かな?まぁアヤメさんの動きがあるから大丈夫か? 


「では、2戦目始め!!」


今度はキリング先生が猛攻を仕掛けるが、フラウ先生はそれを難なくよけていく。そしてキリング先生が一呼吸入れた瞬間にフラウ先生の猛攻が始まる。キリング先生も今回は1発で沈む事は無く、必死に剣で応戦するが剣が限界を迎えた。キリング先生の剣は折れてしまった。そこに容赦なくフラウ先生の追撃が入る、きっとアヤメさんの容赦のない攻撃のせいだと思う。それをキリング先生は間一髪の見切りで避ける。それを避けられたフラウ先生はやっと止まった。キリング先生も助かった・・・という顔をしている。


「お疲れさまでしたお二人ともどうでした?魔法の開発者としては感想が聞きたいのですが?」


「私としては勝手に体が動くので凄く違和感がありましたが、自分であの動きが出来るかと言われると絶対に不可能なので、凄い魔法だと思います」


「私は自分自身と戦うという、あり得ない経験をさせて貰って感謝している。しかも他の強者の経験を見てその技を吸収できるとなると。格闘競技会の時などは絶好のチャンスではないかとも思う。あと半月程で競技会があるのでその時には国中から強者が集まる。そこでこの魔法のさらなる強化が出来るはずだ!!」


これは面白い事を聞いた、お祭りは1週間前から始まり強者も集まりだすので、その場で剣術魔法の強化が図れる、辻斬り大会みたいなのを開こう。このゴーレムに勝ったら金貨1枚とかで、王都で大会を開かせてもらおう。幸いお金はいっぱいあるので金貨5枚でも構わない。金貨1枚だいたい10万円くらいだから参加者もいるだろう。あと負傷者はローナに復活させてもらおう、龍聖もお祭りは初めてだし私も王都でのお祭りは初めてなので楽しみだ、お祭りの初日は皆で遊んでそれから辻斬り大会をさせて貰おう。でもその前に騎士団長と副団長のトレースだ、フラウ先生に頼んで王城に行かないといけない。 


フラウ先生と王城に着くと、早速王様に騎士団長達の戦いが見て見たいとお願いしました。王様は簡単にOKをくれました大丈夫なのかこの国?騎士団長と副団長に理由を説明し、二人にも許可を貰いました。


「騎士団長と戦う機会など滅多にあるものではない、喜んで受けようぞ」


「副団長はかなり喜んでいるみたいだし、受けないわけには行かないな」


「それとお二人の戦いが終わったら、私の作ったゴーレムと戦って欲しいのです」


「それは構わんがゴーレムと言えば固いだけで動きは遅いはず。ワシらには勝てないだろう?」


「ちなみにお二人の戦いをトレースして戦い方を覚えさせるので、自分自身と戦うという稀有な経験が出来ますよ?」


「おおそれは面白い、副団長と戦いが終わったら早速そのゴーレムとも戦ってみよう」


「ちなみに今まで戦った人たちの経験値も入っていますので、自分自身より変則的な動きをしますよ」


「副団長との戦いは刃引きの剣で、ゴーレム相手にはご自身の剣で思う存分に戦って下さい。ゴーレムには刃引きの剣を使わせます『イメージ魔法 トレース発動 騎士団長と副団長の動きをトレース』では 騎士団長と副団長の試合を開始します、始め!!!」


流石に、騎士団長も副団長も最初は本気じゃなかったが、段々本気になってきたのか動きが変わりだした。これでこそトレースしている意味があるってものだ、二人の切り合いは激しさを増していく、私では目でとらえることが難しくなってきた。そして騎士団長が隙を見せて副団長を誘い込むと一気に返し技で副団長の剣を弾き飛ばす。剣の無くなった副団長は降参をして騎士団長が圧巻の手際を見せた。 


「お二人ともありがとうございます。次のゴーレム戦はどちらから戦いますか?」


「私から行かせてもらおう」


副団長は騎士団長に負けたのがよっぽど悔しかったのか、かなりの剣幕でそう言った、悔しかったのは良いが落ち着いて戦わないと又負ける気がする。


「じゃぁ、今度はゴーレムと戦って下さい『イメージ魔法 トレース発動 副団長の動きをトレース』では、始め!!!」


「こい!!ゴーレム!!!」


ゴーレムの動きが昨日より早くなっている。流石に騎士団長の動きと副団長の動きをトレースしただけはある。副団長はさっきの戦いよりキツイ勝負に流石に顔が引きつっている。


「これがゴーレムの動きか?」


新たにトレースした動きを剣術魔法に追加しているので、先ほどよりキツイ勝負なのは当たり前なのだが、それが副団長に分かるはずもなく必死に剣を振るう。他の騎士たちの見ている手前ゴーレム程度に負けるわけには行かないのだ。だが段々と剣が押されている勝負が決するのも時間の問題だろう。そうしているうちに攻撃を受けていた剣が折れてしまった。ゴーレムを止めないと副団長は倒されてしまう私は必死にゴーレムの攻撃を止めた、動かなくなったゴーレムは土に帰っていった。


「このゴーレムは強いな?なぜこんなに強いんだ?」 


「今迄に戦った人たちの戦いを覚えさせているのでどんどん強くなっていきます。そしてさっきお二人が戦った経験も魔法に入れてあるので、自分自身と戦うという厳しい練習になります」


「それであればその魔法は、自分自身とだけ戦う事もできるか?」


「出来ますよ、その人に合わせた攻撃のレベルを変えることが出来ますので」


「では今後騎士たちの訓練に使いたいのだが、それは可能か?」


「王城の魔法使いの人にこの魔法を覚えて貰えれば可能です。流石に毎日私が来るのは不可能ですので」


「じゃぁ、その魔法を王城の魔法使いに教えてくれ」


「良いですけど私からもお願いがあります。今度の競技大会でお店を出すんですが、それの護衛を騎士団の人にお願いしたいのです。勿論私には忍者のアヤメさんたちが付いていてくれますが、彼女たちは隠れて守ってくれる存在なので目立つことが出来ないんですよ」


「なぜ目立った護衛が必要なのだ?」


「今回のお祭りで、今のゴーレムに勝てたら金貨を5枚出すって催しをしたいんですよ。それで荒くれ者の集まる催しなので、騎士の人に守って貰いたいのです。流石に5歳がやっている店だと嘗められてしまいますので」


「分かったそれくらいで騎士達の訓練の為になるのなら安いものだ。騎士団長も構いませんよね?」


「あぁ副団長が決めた事なら別に構わんぞ。それに自分自身と戦うのはかなりの訓練になるだろう」


「初日は祭りを見て回るので、翌日から宜しくお願い致します」


「さて、それではそろそろ私の番かな?」


そうして騎士団長との戦いが始まるのであった。

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