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格闘競技大会の終了

準々決勝はサミル選手とエント選手がお互い長柄武器を使い サミル選手がエント選手の武器を上手く奪い取り エント選手のスキを突いて倒してしまった 武器を奪われた時の対処法がエント選手に無かった事が敗因だ これがクエストの途中でモンスターに武器を奪われていたのなら エント選手はなすすべもなく死んでいた事だろう そうならないために冒険者育成学校では色々な状況に対応できるように育てていくのだが そういった学校で学ぶようなことをしなかった者達は こういうところで不利な状況になると対応するすべがないのだ まぁ負けた選手がどのような経緯で今まで生きてきたかなど私には分からないのだが 冒険者育成学校の生徒にはこのような無様な戦いはしないように育てていきたいものである


さぁ次の試合だ 出場選手はアイヒ選手とセブロン選手だ アイヒ選手は片手剣にカイトシールド凧のような形をした盾を装備し魔法も使えるらしいが 予選でアイヒ選手が魔法を使ったのは見ていない 対するセブロン選手はいばらの様にトゲの付いた鞭を使うようだ そして二人が競技場に出てきたときにトレース魔法はかけてある準備は万全だ そして試合が始まった 開始早々セブロン選手が鞭を振り回し激しく攻撃をして行くアイヒ選手はカイトシールドで防いでいるが セブロン選手のいばらの鞭が盾の裏に回り込んでアイヒ選手を傷つけていく たまらずアイヒ選手は後ろに避け鞭の攻撃を一旦かわすことに成功する 


だがセブロン選手がそのまま攻撃の手を緩めるわけがない すぐさま前に出て更に鞭を振るっていく それを盾では凌げないと思ったアイヒ選手は片手剣で鞭を切り裂こうとした だがそれは無駄に終わった 何故かあれだけの動きをする鞭が剣では切れないのだ! 何で出来ているのかは分からないが通常の皮で出来ていない事だけは確かだ セブロン選手はアイヒ選手の剣が鞭を切断できないことを確信すると更に攻撃の手を強めていく 次第にアイヒ選手は傷だらけになっていく 流石にこのままではまずいと思ったのだろうアイヒ選手が魔法を使った 驚くことに全身に高温の炎を纏ったのだ これはさすがに会場にいた女性から悲鳴が上がった セブロン選手も驚き一瞬攻撃の手を止めてしまった そこを見逃さずにアイヒ選手がセブロン選手との間合いを詰める そして炎を纏った剣で相手の鞭を焼き尽くしてしまった これにはさすがにセブロン選手も降参せざるおえなかった 何しろ自分の武器を燃やし尽くされてしまったのだから・・・ これで準決勝はアイヒ選手が3位セブロン選手が4位という結果になった 


そして決勝戦だ ランスロット選手にゲンマ選手だ ランスロット選手は私の中で優勝候補だと思っている 流石にゴーレム君を倒した時間がゲンマ選手とは違い過ぎる これでランスロット選手が負けるようなことがあれば大番狂わせもいいところだ ランスロット選手はバスタード(雑種)ソードと呼ばれる片手でも両手でも使える剣だ それも少し大ぶりに改造している 対するゲンマ選手はレイピアと呼ばれる突刺の為の剣だ細身だが折れたり曲がったりしないように意外と重くできている お互いが攻撃方法の違う剣での戦いだがどうなるのだろう? 私はと言えばトレース魔法も終わり 準備も整いあとは戦いが始まるのを待つだけだ・・・・ おっ?どうやら始まるようだ 二人が開始線の上に立ったそして合図があった瞬間ランスロット選手がゲンマ選手のレイピアを叩き折った 先程も言ったが レイピアがいくら細身の剣とは言え簡単には折れないように工夫されている それを一撃のもとに叩き折ったのだから剣先のスピードがどれだけあったのか計り知れない ゲンマ選手も魔法剣士なのでこの後も魔法で対抗することも出来たのだが レイピアを一瞬のうちに折られたことで心まで折られてしまったのだろうすぐに降参していた これにより今回の格闘競技大会の優勝者が決まったランスロット選手だ ランスロット選手は白金貨10枚(1000万円)と夢を一つ叶えてもらえるという権利を得た これからランスロット選手は王様の御前に行き白金貨10枚を貰い夢を伝えるのだろう 私はと言えばランスロット選手に賭けた配当を貰いご機嫌だった だが私の横で一人暗い顔をしている人がいる・・・ ヴィヴィアンさんだ結局試合が終わるまでにヴィヴィアンさんに良い人は現われなかった どうしたんだろう?レイニー様が間違いを起こす訳は無いし・・・・ でも聞いてみるか?


「レイニー様 まだヴィヴィアンさんの良い人が現れないんですけど どうなってるんですか?」


『ふむ もう近くには来ているんだけど まだ忙しいみたいね 待ってればすぐに表れるわよ』


「そういう物ですか?」


『そういうものよ』


「だそうですよ ヴィヴィアンさん」


「良かったわ まだ終わったわけじゃなかったのね 期待が持てるのね」


「そうみたいです 良かったですね」


「えぇ でも段々緊張してきたわ・・・」


「そうでしょうね これから告白されるんですから ん?サーチに反応が・・・・ ここに向かって一直線に誰かが来てますね」


「ついに来たのかしら?」


「そうかもしれないですね 気合入れて下さいね」


「おい! そこのガキさっきの試合で随分儲けてたみたいじゃねえか 金だしな!!」


「ヴィヴィアンさん残念でした こいつは違いました しかも私に用があるみたいです」


「何ごちゃごちゃ言ってるんだよ 早く金だしな!! そこのちび共がどうなっても知らねえぞ」


「うちの子達に手を出したら生かして返しませんよ!!」


「そうです!! 子供達に手を出したら承知しませんよ!!」


「女とガキが何言ったところで怖くなんかねえよ! さっさと有り金だしな!」


【その人に手を出したら俺がお前を殺すぞ!!】


「「だれ?」」


「何だてめーは?」


【さっきの格闘競技大会の優勝者だよ】


「優勝者が何だってこんな所に居るんだよ?」


【今日は僕の記念すべき日だ なるべくなら殺しはしたくない 早くここから立ち去れ】


「ちくしょう覚えてろよ・・・」


【お前みたいな子悪党覚えておけるかよ】


「ありがとうランスロット選手」


【いえ 特Sランクのヴィヴィアンさんにはいらないおせっかいだったかもしれませんが・・・」


「私をご存じなのですか?」


【はい 僕の憧れの人ですから】


「憧れの人? 失礼ですがどこかでお会いしましたか?」


【覚えていないのは無理もありません あれは僕がまだ駆け出し冒険者の頃にヴィヴィアンさんに助けていただいただけですから」


「それではまだ私も特Sランクになる前の事ですか?」


「そうですね 確かヴィヴィアンさんがまだAランクの頃だったと思います」


「Aランクの頃ですか・・・・ 確かギガント種に襲われていたパーティを助けた記憶はありますが・・・」


「その中に僕がいたんです あの時はありがとうございました お陰で生き残る事ができこの大会でも優勝する事ができました」


「そうだったんですね 良かったです 私が助けた人が今も冒険者を続ける事ができていて こうしてまた会う事も出来たのですから」


「会う事ができたのは偶然じゃないんです・・・ 実はヴィヴィアンさんをずっと探していたんです」


「それはまた・・・・ どうしてですか?」


「勿論あの時のお礼を言いたかったのもありますが それよりあの時のヴィヴィアンさんの戦いが素敵すぎて・・・ 目に焼き付いて離れないのです」


「それではずっと私を探していたのですか?」


「そうです ヴィヴィアンさん貴女に逢いたい一心で探してきました 突然ですがヴィヴィアンさん僕と結婚を前提にお付き合いしてくれませんか?」


「そんないきなり言われても 心の準備というものが・・・・ それにランクが違うと一緒にクエストも出来ませんし・・・」


「ランクは大丈夫です 競技大会の優勝の権利で特Sランクにしてもらいましたから 元々強さは特Sランクになるだけの物を持っていたのですが 特Sランクになるだけのクエストが出回っていなくて Sランクでくすぶっていたのです それにヴィヴィアンさんに認めてもらえるように毎日の鍛錬も欠かしていませんし どうでしょうか? いきなりこんな事を言われて戸惑いもあるでしょうがヴィヴィアンさんを悲しませるようなことはしません それに目の呪いの事も知っています もし信用できないのなら眼帯を取って僕を見て下さい そうすれば僕の言っていることが真実だと分かるはずです」


「本当に眼帯を取って貴方の事を見ても良いのですか? この目は全てを見通せるのですよ?」


「かまいません 僕がどれだけ真剣にヴィヴィアンさんに思いを寄せているか見て下さい」


「分かりました お付き合いしましょう」


「眼帯は取らなくてもいいのですか?」


「ランスロットさん貴方が本気なのは分かりましたから それに私も貴方に言わなくてはいけないことがあります 実は私は今日ここで愛の告白を受ける事を知っていました 恋愛の神様レイニー様のお告げを聞いていたのです しかもそれは真実の愛だと・・・一生を共にする人が告白してくると知っていたのです ランスロットさん貴方を試すようなことをして申し訳ありませんでした」


「いえ それは構いません むしろ恋愛の神様のお墨付きともなれば嬉しい限りです」


「そう言ってもらえると私も気が楽になります」


「良かったですねヴィヴィアンさん 一生を共にする人に巡り合えて」


「ありがとうリーサ レイニー様とあなたのおかげだわ」


「いえいえ 過去にヴィヴィアンさんが善行をおこなっていたからですよ それをレイニー様がめぐり合わせてくれたんですよ」


「それでも感謝しない訳にはいかないわ だってこんなに素敵な人とお近づきになれたんですもの」


「僕も神に感謝しなければ 特Sランクになったタイミングでヴィヴィアンさんに逢えたのだから」


「そうだ! ヴィヴィアンさんこれから神殿に行って神様に一緒にお礼をしに行きませんか?」


「それは直接神様にした方が良いわね ねぇリーサレイニー様を呼べるかしら?」


「大丈夫ですよ レイニー様カモ~ン!!」


『は~い 呼んだ~?内容は聞いてたからいっぱい感謝して良いわよ』


「ヴィヴィアンさんこの小さな方が恋愛の神様なのですか?」


『何度も言うようだけど 本来のサイズはもっと大きいからね!』


「そうよこの方が恋愛の神様レイニー様よ 私達の恋愛運を高めてくれた方よ」


「ありがとうございますレイニー様 僕らの出会いを導いて下さって感謝いたします」


「良かったですね これでこの王都から出て行きたいところで二人で暮らせますね」


「何言ってるのよリーサ あなたの魔力が食べたり無いなからもう少しここにいるわよ」


「えっ? そうなんですか?」


「流石に宿は別に取りますけどね」


「無理ですよ~ママンが別に宿を取らせませんよ~ ランスロットさんもうちに泊まるようですよ~ お祝いもしないといけないし」


そんな感じでみんなで家に帰るのでした

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