格闘競技大会10
特Sランクのヴィヴィアンさんにお友達になりましょうと誘われた 別に友達になるのは構わないのだが アプレイウスさんと騎士団長が ヴィヴィアンは病的な程の寂しがり屋だと言われたのが気にかかる所だ まぁ実際に会ってみたら 過去に遺跡の探索で古語を解読したら 片目を何でも見通せるような目に変えられてしまったんだとか そのせいで友達や仲間の心の中も見えるようになり距離を置くようになったそうだ だが 流石に一人は寂しいらしく本人は人とのコミュニケーションを取りたいらしいが 弱い人とは話が合わなかったみたいで 強い人で付き合いやすそうな人を探していたみた感じだ そこで最近売り出し中?の私のもとにやってきたのだ そして私の剣術魔法のテストに付き合ってくれるというので そのあとに食事でも行って親交を深めましょうという事になった そこでママンに携帯で夕飯はいらないよと連絡を取ったら ヴィヴィアンさんがお母様にもご挨拶をという事で携帯を代わったら ヴィヴィアンさんはママンの後輩だったことが判明した そこでママンからの指令で嫌でも仲良くする事になった まぁまだ会ったばかりで嫌かどうかも分からないけど そして格闘競技大会の予選が終わったら家に招待して夕飯を一緒に食べる事になった そして今日の予選が終わり家に帰る事になった
「さぁヴィヴィアンさん お待たせしました うちに御招待しますよ」
「ありがとうリーサ お姉様の家に行けるなんて私は幸せ者だわ」
「そんな大げさな・・・ 普通の家ですからそんなに期待しないで下さい」
「リーサ! 何言ってるのよっ!! 以前は寮のお姉様のお部屋に呼ばれるだけで みんなに自慢できたのよ」
「そっ そうなんですか・・・・ まぁ 取りあえず行きましょう」
「そっ そうね チョット興奮しちゃったわ ごめんねリーサ 私お姉様の事になるとテンションが上がってしまって」
「じゃぁ 私のそばに皆集まって下さい」
「これはマァタァスタァシィスドラゴン(転移龍)の能力を使うの?」
「それでも良いのですが 私はイメージ魔法の方が得意なのでそちらで転移します というかマァタァスタァシィスドラゴンの存在を知っているのですか?」
「文献で知っているだけですけどね リーサさんが 鱗を持っていることは知っています」
「なんでそこまで?」
「リーサさんのお仲間の情報も見ましたからね そこから推論しました まさか引っかかってくれるとは思いませんでしたけどね 今リーサさんは何匹のドラゴンを倒しているのですか? 冒険者ギルドではドラゴンスレイヤーとなっていますが」
「それはまだ内緒です もっと仲良くなったら教えてあげます」
「そうですか それは残念です 早く仲良くならなくては」
「それより早く家に行きましょう ママンが待っています」
「そうでした お姉様を待たせる事は出来ませんわ 早く行きましょう」
「では 私のそばに皆寄って下さい『転移』ここが家です 一応店にもなっているので 店の前に転移しました」
「綺麗なお店ですね 店構えもしっかりしていますし 何よりお客さんが多いですね」
「ここを建ててまだ1年経っていないですからね それにお客さんは商売の神様の恩恵です パパンが作る武器や防具は物が良すぎて 高くて売れなかったんですけど商売の神様のおかげで そんな装備でも買えるお客さんが来てくれるようになりました」
「神様の恩恵は凄いですね さぁお姉様をこれ以上待たせてはいけませんわ 早く中に入りましょう」
「はいはい ママ~ン ヴィヴィアンさんだよ~」
「おぉ ヴィヴィアン久しぶりねぇ 元気にしてた?」
「はい お姉様も元気そうで何よりです」
「チョット店がまだ忙しい時間だから 奥でリーサと待っててくれるかい?」
「分かりました お待ちしてます リーサさん行きましょう」
ママンの前だとリーサさんなんだ? さっきまでリーサって呼び捨てだったのに まぁ私の方が若いからリーサで良いんだけど ママンの前での態度の変化が・・・・ まぁいいかフラウ先生も似たような感じだったし きっとママンの後輩はみんな同じような反応をするんだろう
「ヴィヴィアンさんママンの仕事が落ち着くまで 居間で待っててもらえますか? 私は妹達を連れてきますから」
「お姉様は3人も子供がいるの?」
「えぇ 私達は3姉妹です 一番下の妹はまだ生まれたばかりで小さくて可愛いですよ」
「お姉様の娘さんだから可愛いでしょうね リーサも可愛いし それなのに私はまだ結婚相手もいないのね・・・ どうすればいいのかしら?」
「それはギルドで私が神の巫女であると同時に その恩恵を授ける事も出来る事を調べたうえでの会話ですね?」
「実はそうなの・・・ 私が強すぎてしかも相手の心も読めるから 恋愛が出来ないのよ」
「おかしいと思ったんですよね~ 特Sランクの人がSランクに用がある事なんてそうそうないですから でもそれなら最初からそう言ってくれればよかったのに・・・」
「違うのよ! 友達を探しているのは本当よ でもそれと同じくらい 私を愛してくれる人も探しているのよ もう一人は嫌なのよ!!」
「分かりましたよ ママンにも仲良くしなさいって言われてるから 手伝ってあげます 恋愛の事は分かりませんが寂しいのは辛いですからね・・・」
「ありがとう リーサ・・・」
「それではレイニー様出て来て下さ~い」
『はぁ~い あなたの恋の女神レイニーよ~』
「リーサこの方が神様なの? あまりにも小さいけど・・・」
『小さいのはリーサのそばに居やすい為よ! 本当はもっと大きいわよ!!』
「ヴィヴィアンさん 神様は私のそばに居る為に小さく成ってくれているのです でも効果は絶大ですから安心してください」
『そうよ 効果は変わらないんだからね 私を敬いなさい そして感謝しまくりなさい まずはどんな男性が良いかを教えてね そして一生の伴侶が良いのか一時の遊びの相手が良いのかもね まぁ私としては一生の伴侶をお勧めするけど』
「私としても一生の伴侶をお願いしたいです このチャンスを逃すと2度と同じチャンスはやってこないでしょうから・・・」
「だそうです レイニー様この人は私がこれから 長くお付き合いをするかもしれない方です どうぞ最高の伴侶を見つけてあげて下さい」
『分かったわ じゃぁさっきも言ったけど好みを教えて頂戴』
「わかりました 顔はイケメンか普通で 私の何でも見通せるこの目の事を知ってもなお 私と一緒にいてくれる性格に裏表が無い方が良いです あとは冒険者ランクに関係なく強い人が良いです 私を守れるくらいの方が最高です」
『この子何食わぬ顔で結構無茶言ってくるわね・・・・ まぁ出来ない事は無いけどもうそこまで行くと英雄の域よね まぁ もう魔王はリーサが倒しちゃったから 英雄もやる事がないだろうから良いけどね』
「えっ? リーサって魔王も倒しちゃったの? どれだけ強いのよ?」
「ヴィヴィアンさん 私はそれだけ強いのですよ ふっふっふ いてっ 何するんですかレイニー様?」
『リーサが倒したのは事実だけど聖剣達も龍聖ちゃんも頑張ったでしょ? 一人で勝ったみたいに言わないの!』
「分かりましたよ~ まぁとにかく魔王の恐怖は今のところ無いです」
『それと今は 丁度格闘競技大会の途中だから 強い人が集まってて助かるわ~ ヴィヴィアンさんだっけ? 貴女より強い人が今年はたくさん出場しているみたいだから』
「そうなんですかレイニー様? 予選会を見る限りじゃそんなに強い人はいませんでしたが」
『リーサ 予選会から実力を出して警戒されるより そこそこの実力を出して予選を突破した方が後が楽でしょ?』
「そういうものですか~ まぁ強い人がいるのは良い事です これで剣術魔法がワンランク以上アップします」
「これは私の協力は必要ないのでしょうか?」
「ヴィヴィアンさん そんな事はありません剣術魔法は色々な人の技術の寄せ集めです そして結果的に最善の方法をとるようになりますので ヴィヴィアンさんの剣術も必要です」
『さぁさぁ そんな事より恩恵を授けたわよ 今回は難易度が高めだから少し時間を頂戴ね』
「どれくらいですか?」
『そうねぇ 格闘競技大会の決勝が終わるころくらいまでかしら?』
「それは格闘競技大会の優勝者が 告白してくる可能性があるって事ですか?」
『リーサそれは内緒よ 言ったらドキドキが無くなっちゃうじゃない?』
「レイニー様?それは もうそれは答えを言ってしまったのも同じなのでは?」
「そんな事は無いわよ 格闘競技大会にはあちこちの国からスカウトも来ているのよ スカウトの人は元冒険者だったり騎士だったりもするから その中の人から告白されるかもしれないわ」
「そうだったんですか? ヴィヴィアンさん」
「みんなで何の話をしているんだい?」
「お姉様!! 何でもないんですよ・・・」
「ママン 今真実の愛の神レイニー様にお願いして ヴィヴィアンさんの生涯の伴侶を探してもらってるんだ!」
「リーサさん 何で言っちゃうの・・・ お姉様には知られたくなかったのに!」
「何でだい? 真実の愛の神様に探してもらってるんだろ? 確実で良いじゃないか! それにヴィヴィアンもソロソロお年頃だしね 私もパパを口説き落としたのは今のヴィヴィアンくらいの年だよ」
「お姉様と同じくらいなのですね それならば恥ずかしがることはありませんね」
「ママンのは『パパン責任取ってもらおうか作戦』だって聞きましたけど・・・・・」
「リーサさん 何ですかそれは?」
「ヴィヴィアン そんな事は気にしなくて良いんだよ! リーサも余計な事言わない!! それとテーブルの上に居るのが恋愛の神様かい?」
「そうだよママン レイニー様って言うの」
「そうかい レイニー様 どうかヴィヴィアンが幸せになれる伴侶を見つけてやってください お願いします」
「お姉様・・・・」
『大丈夫よ 任せておきなさい最高の伴侶を見つけてあげるわ』
「ありがとうございます 神様がそこまでおっしゃるのなら最高の伴侶が見つかるはずですね」
「お姉様・・・・ 私の為にそんなに・・・・ ありがとうございます」
『ヴィヴィアン 貴女の伴侶を見つけるのは私よ リーサのお母さんじゃないからね 感謝は私にしなさい! じゃないと私の能力が落ちるんだから!!』
「あぁ それは困ります どうぞ宜しく御願い致します」
「ヴィヴィアンさんも大変ですね」
「もう 誰に頭を下げればいいのか分からないわ レイニー様は勿論だけど 私の為に頭を下げて下さったお姉様にも感謝しないといけないし レイニー様に頼んでくれたリーささんにもお礼をしなければいけないし」
「私は良いですから レイニー様とママンに感謝の気持ちを伝えて下さい」
「リーサさん 駄目ですわ リーサさんにもちゃんと感謝の気持ちを伝えなくては リーサさんレイニー様を紹介してくださってありがとうございます」
「気にしないで下さい」
「お姉様 私の為に頭を下げて下さって本当にありがとうございます」
「気にしない気にしない 昔からの仲だろあれくらい当然よ」
「そして勿論レイニー様にも 最大限の感謝の気持ちを捧げます 私の無理難題を聞いて下さってありがとうございます」
『私への感謝は願いが叶ってからにしてちょうだい その方がありがたみがあるから』
「それでも感謝させてください 勿論生涯の伴侶が見つかったら その時には二人で感謝しに来ます でもやっぱり無理難題を聞いて下さった レイニー様ありがとうございます」
そうしてヴィヴィアンさんの感謝の言葉でその場はなごんでいくのでした