忍者アヤメの見せ場
冷蔵庫と洗濯機の売り上げは好調の様で追加注文が入った、季節的にチョット早いけどエアコンも売り出そうかな?次に商品持って行くときにエアコンも持って行こう。
さて、今日の授業は剣術かぁいまだに慣れないなぁ。魔法で剣術が上手くなればなぁ。カナタさんの動きをイメージ魔法でトレースして、色んなパターンを使えるようにして剣術魔法とかできないかな?取りあえずカナタさんの動きをトレースして行こう。トレースした動きをファイルに纏めて、フォルダにしまうイメージで一つの魔法にしてみよう。あとジョンさんとナムサンさんと、先生の動きもトレースだ、これで動きに幅が出るはず、イメージ魔法でトレースしたら、それを纏めて1つにして勝手に体が動かせるはずだ。
そうしたら、まずはゴーレム2体に剣術魔法をかけてお互いに戦わせる。それが成功したら自分に剣術魔法をかけてみて安全か確かめる。これを剣術の授業の度にアップデートしていけば、いろんな技が身に着くはず。ん~それより今日の護衛は誰だっけ?カエデさんだったはず。
「カエデさん居ます?」
「はいここに」
「お願いがあるんですが、このゴーレム2体と戦ってみてくれませんか?」
「良いですよ、でも壊れてしまいますよ?」
「構いません、壊すつもりで全力で戦って下さい」
「ちなみに、何体までだったら壊すことが出来ますか?」
「さっき見た限りでは10体は余裕かと」
「分かりました、10体用意して良いですか?」
「了解しました、では10体相手に忍術を披露いたしましょう」
「変な事を聞くようですが・・・カエデさんは『ござる』は付けないんですね」
「あれは姉が変なだけで、私もキク姉さんも普通ですよ」
「そうなんだ・・・失礼ですが、チョット残念なお姉さんですね」
「言わないで下さい・・・・・」
「ごめんなさい・・・・・では、改めて『ゴーレム10体練成・剣術魔法付与』カエデさんお願いします」
「かしこまりました」
「『イメージ魔法・トレース発動・カエデさんの動きをトレース』ちなみにカエデさん、お話が出来たらで構いませんが」
「はい、大丈夫ですよ」
「姉妹の中では、どなたが一番強いんですか?」
「残念ながら、姉が一番強いです。その次が私で次がキク姉さんですね」
「そうですか。今度アヤメさんが護衛に着くのはいつですか?」
「明後日ですね」
「では、明日はキクさんですか?」
「そうなりますね」
「では、お二人に伝言してほしい事があります。剣術魔法の強化の為、私の作ったゴーレムと戦っていただきたいと」
「了解いたしました。そして10体倒してしまいました」
「ありがとうございます。今度はもっと強いゴーレムを用意しておきます」
「お手柔らかにお願いいたします」
「更に何ですが、騎士団長って強かったですか?」
「そうですね少なくとも私よりは強かったです。まぁ戦い方が違うので何とも言えませんが」
「そうですか皆さんは武者修行中だったんですよね。騎士団長の他にこの町に居る強い人って何人位いますか?冒険者でも構いません」
「そうですね、冒険者であれば10名ほどでしょうか?私達も全員と戦ったわけではないので分かりませんが」
「因みに、今倒したゴーレムはここの生徒と先生の動きをまねたゴーレムだったんですが。強さはどれくらいでした?」
「中の下ってところですかね?」
「じゃぁ今アップデートした、カエデさんの動きをトレースしたゴーレムと戦って貰えますか?」
「これは1体で構いません」
「最近体が鈍っているので、2体出してもらって構いませんか?」
「それは構いませんが・・・2体とも今のカエデさんのデータが入った人形ですよ?」
「人形なら、多分大丈夫です」
「分かりました、では『ゴーレム2体練成・剣術魔法付与』行きますね」
「はい!お願いします」
「これもトレースさせてもらいますね。その度に強くなるので」
「はい構いません、これぞ武者修行。自分と同じ強さの敵と戦うことで、また更に強くなれます」
「凄いですね。私には真似できません」
「これから定期的に、この訓練をして戴けませんか?」
「私は構いませんが、戦えば戦うほどゴーレムが強くなっていきますよ?」
「多分、姉たちも同じ事を言うでしょう。中々に手ごたえがあってたまりません」
それから10分ほどして、カエデさんは2体のゴーレムを倒してしまった。やはりゴーレムだと思考が遅いのかな?要研究だな。そして私は研究に没頭しすぎて、授業をボイコットしてしまった。
翌日、うきうきした雰囲気でキクさんがやってきた。覆面で顔は分からないのであくまでも雰囲気だけだが。キクさんは昨日の事をカエデさんから聞いており、良い武者修行になると喜んでいた。
「それではキクさん、まずはゴーレム1体から始めますね。それでキクさんの動きをトレースさせていただきます」
「はい、喜んで!」
「では『ゴーレム1体練成・剣術魔法付与』行きます」
「はい、喜んで!」
居酒屋か!!?まぁいい今回もトレースさせて貰おう。
「『イメージ魔法・トレース発動・キクさんの動きをトレース』」
「良いですね。ゾクゾクしますね、この感覚。まさにやるかやられるか、上がります・・・・」
「その感覚はわかりません」
「1体は倒してしまいました。2体同時にお願いします」
「あっ、はい『ゴーレム2体練成・剣術魔法付与』行きますよ」
「はい、喜んで!」
だから居酒屋か!!
「それでは、キクさんの動きもトレースします。『イメージ魔法・トレース発動・キクさんの動きをトレース』」
「もう倒しました」
「はやっ、もう一度お願いします。今度はもう少しゆっくり、お願いします『ゴーレム2体練成・剣術魔法付与』、『イメージ魔法・トレース発動・キクさんの動きをトレース』はいどうぞ」
「もう終わりました」
「カエデさんにキクさんは、カエデさんより少し弱いと聞いたんですが早いですね」
「所詮人形ですからね、反応速度が違いますよ」
「その辺も、今後の課題ですね」
反応速度超過を、付与してみますか。
「もう一度、お願いできますか?『ゴーレム2体練成・剣術魔法付与・反応速度超過付与』、『イメージ魔法・トレース発動・キクさんの動きをトレース』お願いします」
「はい、喜んで!」
だから居酒屋か!!!
「今度は動きが早いですね、中々にしぶとい」
10分後、キクさんは息を整えながら2体のゴーレムを足蹴にしています。今回は少し骨が折れたようです。更に翌日うっきうきで護衛に来たアヤメさん。話は聞きましたと言って速攻で戦おうとしています。
「チョット待って、私の授業が終わったらね」
アヤメさんはかなりがっかりした顔をして、まぁ覆面をしているのであくまでイメージだが。それでも我慢しますという顔で護衛の任務に就いた。そして午後授業も終わり、修練場でゴーレムと対峙するアヤメさん。
「準備は良いですか?」
「勿論でござる」
「いきます『ゴーレム2体練成・剣術魔法付与・反応速度超過付与』、『イメージ魔法・トレース発動 アヤメさんの動きをトレース』こちらも準備OKです。では始め」
アヤメさんは目にも止まらない勢いで、ゴーレムを攻撃し打倒してしまった。
「アヤメさん、やり足りないですよね?ゴーレムの数を増やして、今トレースしたアヤメさんの動きも取り入れて戦ってみますか?2、3回やればデータがかなり取れて強くなりますよ?」
「勿論やるでござる。お願い申します」
「では『ゴーレム10体練成・剣術魔法付与・反応速度超過付与』、『イメージ魔法・トレース発動・アヤメさんの動きをトレース』これで少しは、やりがいがあるはずです」
「ありがとうでござるよ」
「始めます」
「こい!!」
そこからは、良いデータがかなりとれた。アヤメさんが全開で戦ってくれたので、アヤメさんのデータが1回でかなり取れた。
「どうしますか?今取れたアヤメさんのデータを元にアップデートした、更に強いゴーレムを相手に出来ますよ?」
「勿論やるに決まっているでござる」
「ゴーレムの数はどうしますか?」
「倍の20でお願い申します」
「20?本気ですか?」
「それくらいの方が、肌がひりひりするような戦いが出来申す」
「では、ゴーレム20体で練成します。『ゴーレム20体練成・剣術魔法付与・反応速度超過付与』、『イメージ魔法・トレース発動・アヤメさんの動きをトレース』始めますよ良いですか?本当に大丈夫何ですね?」
「大丈夫でござる、武者震いがするでござる」
「では始め!!!」
「おおおおおおおおお」
それからのアヤメさんは凄かった、確かに3姉妹で1番強いというのもうなずける強さだ。どんどんゴーレムが土くれに戻っていく。だがやはり、自分の強さを超えようとするのは至難の業の様だ。少しだがゴーレムからの攻撃も貰っている。それはそうだ自分自身と戦っているのだから。しかも相手は20体のゴーレム、戦力に差があり過ぎる、だがアヤメさんは笑いながら楽しそうに戦っている。まるで求めていた宿敵がそこに存在するように。それでもアヤメさんは15分くらいで戦いを終えた。そこにはやり切った顔のアヤメさんが居た、そして彼女はこう言った。
「今度は30体でお願いでござる」
何考えてるんだこいつ?と言う思いがこみ上げてくる。きっと脳内麻薬が出まくっていて、かなりハイになっているんだろう。ここで止めても止まらないだろう。これが最後と注意して、30体のゴーレムを練成する。この人はどこまで強くなるのだろう?疑問が頭をよぎったがそれは今から分かる事。
さぁダンスの始まりだ。
「『ゴーレム30体練成・剣術魔法付与・反応速度超過付与』、『イメージ魔法・トレース発動・アヤメさんの動きをトレース』さぁ、準備は整いました。始め!!!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
大きな咆哮、素早い動き、ゴーレムが相手だというのにゴーレムが威圧されそうなほどの咆哮。先ほどまでの動きがまるで幼稚園児かと思わせるような素早い動き。まさに今からが本番だと言わんばかりの攻撃の数々、もう私は攻撃も受けない!!っとばかりにゴーレムの攻撃をかわしていく、そしてゴーレムは土に帰っていく、1体、1体、1体とゴーレムが土に帰る事によりさらにスピードが上がる。もう残るゴーレムは10にも満たない。しかしゴーレムもアヤメさんの攻撃を元に作られた物達だ。最後の1体になっても諦めない。だが勝敗はアヤメさんに上がった。その間17分、先ほどより10体も増えていたゴーレムが、この短時間で全て土に帰ったのだった。