不死の実アンブロシアを求めて5
昨晩の夢はきっと本当の事だったのだろう じゃなければ私の知らない あんなにリアルな内容の夢は見れない そんなに妄想が強いわけではないから あの内容はあり得ない 今までに聞いたこともないシチュエーションだ そんな事を考えながらベルウッドとエリーゼを待っていたら 二人が転移してきた そして二人に昨晩の夢の内容を話す すると二人は昔話でそんな内容の話を聞いたことがあると言う という事はやはり事実だったのだ
「それにしても 昨晩の夢が本当の事だったとは まぁ薄々そんな気はしていましたが ベルウッドとエリーゼから話を聞くまでは 半信半疑でした」
「そんな事無いわよ 昔おばぁ様から聞いた話だから間違いないわ おばぁ様も小さいころにおばぁ様から聞いた話らしいけど」
「でも 聞いたのは間違いないから その夢はあっているはずよ 鍛冶師が感謝して出てきたのよ」
「きゃーーーーーーーー やめてやめてやめて お願いだから もうやめて~シクシク」
「ごめんなさい もうシフォンが限界みたいです その話をやめてあげて下さい」
「そうですね ハリーさんがクマの獣人なのにシフォンさんから ベアハッグを食らってますもんね」
「そうなんです 結構本気で絞めてるのでかなり痛いです」
「じゃぁ 話を変えて 二人ともアンブロシアの実は取れましたか?」
「100個以上取れたわよ 結構頑張っちゃった」
「そうね 予想より多くなっていたから 頑張っちゃった」
「そうだったんですね 残りはどうしましょうか?」
「みんなで食べれば良いんじゃない?」
「そうよ みんなで食べましょう 美味しいわよ」
「食べるって 食べたら不死になっちゃうんじゃないんですか?」
「ならないわよ 里のみんなもよく食べてるもの」
「だからエルフは寿命が長いのでは・・・・・」
「まぁ 今更寿命どうこうは関係ないじゃない」
「そうよ 5000年生きる時点でおかしいわよ」
「そうなんですけどね ところでお二人少し話し方が変わりましたか?」
「あぁ そうね 変わったかもね」
「かもねじゃなくて 変わったのよ」
「何で変わったんですか?」
「変わったんじゃなくて 元に戻ったのよ」
「元々この話し方だったんだけど 双子だから印象付けましょうって事であの喋り方だったのよ」
「そういう事だったんですね でも 二人が続けて喋るのは変わらないんですね?」
「そうね変な癖がついたわ」
「そうね 癖ね 治るかしら?」
「まぁ そのうち治るんじゃないですか?」
「無茶苦茶他人事ね」
「そうね リーサチョット酷いわ」
「ごめんなさい でも どうしようもないですから」
「そんな事より あたしはこんなところにいるのはごめんだよ 早く冒険者育成学校に戻ろうじゃないか」
「そうですね シフォンさん 早く学校に戻りましょう 誰の転移で戻りますか?」
「リーサの転移でいいから 早く戻るよ」
「はいはい 分かりました シフォンさんよっぽど怖いんですね」
「うるさい!! 早く転移しなさい」
「了解 『転移』 学校です まだ授業中ですから静かにしてくださいね それとベルウッドさんとエリーゼさん アンブロシアの実を下さい 依頼料は学校から出るのでちょっと待ってくださいね」
「アンブロシア以外の素材は揃っているの?」
「そうよ 渡すのは良いけど揃っているの?」
「大丈夫ですよ 全部揃ってます あとは校長先生に素材を渡して 不死のステージを作ってもらうだけです」
「リーサ その不死のステージは何処に作ってもらうの?」
「修練場の的当ての隣りだよ ローナ」
「そっか 場所も確保してあるんだね」
「勿論 あとは校長先生の仕上げだけだね」
「リーサ これがアンブロシアの実よ」
「また とりに行くのは大変だからちゃんと保管しておいてね」
「そうよ ちゃんと保管しておいてね」
「大丈夫ですよ 私の無限収納は万能ですから それより又二人の喋り方が元に戻って来たような気がします」
「そうね 学校に戻ってきたら 段々戻って来たわ」
「駄目ね 癖が戻って来たわ」
「そうなんですね 二人の性格の違いが分かるようになると 思ったのですが・・・・・」
「なんとなく無理そうな気がするわ」
「そうね無理そうね」
「あぁ 完璧に喋り方が戻ってしまいました」
「もういいわよ 校長先生の所に行きましょ」
「そうよ 校長先生の所に行きましょ」
「はぁい みんなで行きましょ 折角みんなで色々クリアしたんですし」
「俺たちは リーサに色々してもらっただけな気がするんだが・・・・」
「その辺は気にしないで下さい さぁ 校長室に付きましたよ」
コンコン
「校長先生いますか リーサです」
「いますよ どうぞ入って下さい」
「校長先生 全部の素材を揃えてきましたよ 修練場に不死ステージを作って下さい」
「任せて下さい すぐに準備しますよ・・・・・・ よし 修練場に行きましょう」
「どうやって 不死のステージを作るか見せて下さいね」
「見せると言うより 手伝って下さい まずはクラーケンが入るサイズの穴を掘ります 大体クラーケンが地面から1メートルくらい下に埋まる穴ですね そうしたらそこにクラーケンを入れ 魔力を注ぎ込みます クラーケンの体内に魔力が満タンになったら その上に金色グリフォンの心臓と アンブロシアの実を混ぜた物を置きます そしてクラーケンの目と目の間に魔法陣を刻みます そして魔法陣を起動します そうして土をかぶせて固めたら出来上がりです あとはクラーケンがステージの上に居る人達から 勝手に魔力を吸いながら補給していくので 無限に不死の効果が続きます ってことでリーサさん クラーケンが入るくらいの穴をあけて下さい」
「え? 校長先生がやるのかと思ってました」
「やはりその辺は より上手な人がやった方が早いですからね」
「まぁ いいです やりましょう 『掘削』こんなものですかね?」
「こんなに大きな穴って事は クラーケンもこのサイズ何ですか?」
「そうですね 大きいですよ」
「いったいどうやって捕まえたんですか?」
「それは内緒です」
決して説明が面倒なわけではありません・・・・・・ 少しだけ面倒かな?
「では サイズは大きければ大きい程良いですね その方が魔力をたくさん溜め込めますから」
「わかりました ではこれを」
無限収納から巨大なクラーケンを出す しかも魔力は海底神殿が開いた時に漏れ出た アルファの魔力を吸っているから満タンだ
「凄い大きさですね しかも 魔力も満タンで 言うことなしですよ それでは生きが良いうちに 金色のグリフォンの心臓と アンブロシアを混ぜてしまいましょう」
「あとは魔法陣ですね どんな魔法陣なんですか?」
「転移の為の魔法陣ですね これが無いと医務室にいかないので 後遺症が残りそうな怪我の場合すぐに対処ができないんですよ」
「結構重要な魔法陣ですね 魔法陣のここの部分が 古語で書かれてますが 転移の位置の設定ですか?」
「そうです 良く分かりましたね 流石 教師試験で満点を取っただけはありますね」
「へへへ もっと褒めて下さい リーサは褒められて伸びる子です」
「嘘ですよね? 褒めなくても勝手にいつも伸びてるじゃないですか?」
「酷いです あれは 努力のたまものです 褒められればもっと伸びるはずです」
「これ以上伸びたら手に負えなさそうなので この辺で終わりにしておきます」
「ぶ~~~ ぶ~~~」
「さぁ 時間がありませんよ 次に行きます魔法陣の起動です リーサさんやってみてください 魔法陣のはしに触れ魔力を少しずつ流すだけです」
「はい 魔法陣の端に触れ魔力を少しずつ流すだけっと・・・・・・ なんかキラキラ光りだしましたが これが普通なんですか?」
「チョット待ってくださいね 昔のメモ帳を持ってきているので キラキラ光りだすのは っとこれは凄いですね ここで死亡判定された場合 医務室で完全復活して元に戻れますよ」
「そうなんですか? 凄いですね!!」
「凄いなんてものじゃないですよ 後遺症もなく HPもMPも完全復活して元に戻れるんですよ 何回でもここで戦えます 凄いじゃないですかリーサさんはここを訓練場にしようとしてるんですよね? って事は訓練に失敗しても繰り返し挑戦ができるって事じゃないですか」
「何回も挑戦してる間に心が折れませんかね?」
「精神も回復しますから大丈夫です」
「じゃぁ 取りあえず土をかぶせて固めますね」
「そうですね それで リーサさんはここにゴーレムの修練場を作るんですよね」
「そうです でも 今聞いた性能だと ゴーレムの性能を もう少し幅広くした方が楽しめそうですね 最初は3体のゴーレムで 攻撃されたら攻撃をし返すくらいだったんですが もう少し強くしても良さそうですね ゴーレムは1体~20体で自分と同じ強さになるように設定して 1体倒すごとにもう一体増えていくって感じで良さそうですね 戦えなくなったら ステージから降りればゴーレムは土にかえります 魔法使いとの闘いの場合は 一般生徒の平均値でゴーレムが襲い掛かってくるようにします こんなところですか?」
「良いですね 良い訓練になりそうです 授業としても取り入れましょう 折角不死のフィールドですし しかも完全復活もできます そして自分と戦うと言う辛さも味わえます 魔法使いも一般生徒の平均値と戦えれば 自分のレベルが上がりますしね」
「準備は終わったので誰か試してみますか?」
「あたしが行くよ 今回は欲求が溜まったんだよ 戦えもせず怖い思いばっかりして リーサ準備しな」
「シフォンさん そんな興奮しなくても 興奮して戦うとゴーレムも興奮しますよ 気を付けて下さいね」
「大丈夫だから 早く準備しな」
「分かりました では 最初は1匹から行きますよ」
「おう!! わかった 来いってんだ!!」
そして 興奮したシフォンさんは ゴーレムのカウンターパンチを貰ってステージに沈んだ