進級試験の対策
リーサの家に新しく生まれたあかちゃん 名前はリーニャ だがその体の中にはリーニャの他にもうひとりの人格があった 全世界の主神の一柱を司る一人でもあるミネルヴァ様だ『ギリシャ神話ではアテナ様で ローマ神話ではミネルヴァ様なのだ』 なぜこんな事になったのかは私が前世に異世界転移をし歴史を変えてきてしまったからだ 要はお目付け役が付いたのだ しかもベルッド様よりはるかに偉いお目付け役が・・・ 私の日ごろの行いのせいだろうか? 行いが悪いと思われてるんだろうなぁ だからお目付け役が付いたんだもんな 暫く大人しくしよう でも今はベルッド様に謝りに行こう ママンとパパンは一応納得してくれて 落ち着いてくれている でも いつミネルヴァ様に声をかけられるか心配でしょうがないみたいだ まぁ普通はそうだよな?
そしていつもの平原にきた サーチもかけたし周りには動物の気配もない ここは何なのだろう?人も動物も入ってこない場所 悪い気配はしないし かと言って聖域と言う訳でもない だがここには生物が寄ってこないのだ まぁ今はベルッド様だ 対のオーブを出し ベルッド様を呼び出す
「神様~ か~み~さ~ま~」
『いひゃい』
「いひゃい? ベルッド様そのお尻は・・・・ セクシーアピールですか? 別にお尻をこちらに向ける必要はないのですが・・・」
『違うのよ 反省文を書きながらお尻を冷やすと どうしてもこの格好になってしまうのよ』
「では 今日はベルッド様のお尻と話す感じですね?」
『そうね そうなるわね 私の事は良いわ リーサは無事なの?』
「えっと・・・ 無事と言えば無事なんですが 問題と言えば問題です」
『歯切れが悪いわね いったいどうなったの? 私はお尻を叩かれたのと反省文で 何とかなったわ でもリーサは 歴史を変えた張本人だから かなり厳しい処罰だったんでしょ?』
「私のうちに赤ちゃんが生まれまして」
『あら おめでとう』
「それがですね リーニャという名前なんですが リーニャが寝ている時は 全世界の主神の一柱を司る一人でもある ミネルヴァ様がリーニャの体を使って顕現するという事態になりまして・・・・」
『マジ?』
「マジですね」
『それはヤバイ 下手な事は出来ないじゃない』
「いや 下手な事をしなきゃ良いんですけどね それに基本赤ちゃんですから家で寝てますし」
『そっか それなら 大丈夫か・・・・』
『何が大丈夫だって?』
「ミネルヴァ様? 家はどうしたのですか?」
『全員催眠の魔法で眠らせて 転移でここまで来た』
「チョット待ってください 全員眠らせたんですか? 護衛も?」
『そうだが?』
「それは不味いです 私色々な人から命を狙われているんです だから護衛は眠らせないで下さい 転移で家に戻ります ミネルヴァ様 ベルッド様それでは 『転移』」
家に帰ると ちょうど賊が侵入しようとしているところだった 何とか間に合った 全員を結界で包み込み一纏めにする そして風魔法で上下にシェイクして気絶させ無限収納にしまう そうしたら今度はアヤメさんも結界の中に収めて強力な結界を張る そこにミネルヴァ様が帰ってきた 結界の中に入れないようだ一度結界を解除し中に入ってもらう そして 現状を説明した 私の発明品のせいで捕まった犯罪者の仲間や 私がお金を稼いでいることを知った 盗賊などが家を狙ってくるから危険な事などだ それを聞いたミネルヴァ様は軽率だったと謝り 今後は私が家の守りを固めようと言ってくれたので 私は隣の家も私の幼馴染で 人質に取られる可能性が高いから守って下さいとお願いしたら ミネルヴァ様は快諾してくれた
そして翌日学校に行ってきますと 聞こえてるかどうかは分からないが リーニャに向けて話してみた リーニャは眠そうにしていたので まだ意識はリーニャのままなんだろうと思っていたらぐずりだした 抱っこしてみると ミネルヴァ様が頭に直接話しかけてくる これからはリーニャの意識がある時も ミネルヴァ様の意識を外に向けておくことにするとの事だ それでないと賊に対応できないからだ 寝ないで大丈夫なんですか? と聞いたら 4~5年は寝ないでも大丈夫だそうだ 頼もしい事だ
それからローナを誘い学校へ行く 学校は普段通りの授業が進んでいく だが リーニャが生まれたという事はそろそろ進級試験だ 学校が終わり食堂にみんなで集まって その話をしているとリフレッド先生がやってきた
「みんなそろそろ 進級試験の事で 頭がいっぱいなんじゃないかな?」
「リフレッド先生の言う通りです 今も皆でその話をしていました」
「だがリーサ みんなは トルネードやファイヤートルネードを使えば 一瞬でケリがつくんじゃないか?」
「そうなんですが 使っても良いのですか?」
「かまわんだろう それも自分の実力のうちだ」
「じゃぁみんな 試合が始まったら トルネードかファイヤートルネードを連発しましょう この二つはエンシェントドラゴンの鱗の恩恵で 4大属性のうち風と火の2つの影響を色濃く受けています 攻撃力は以前のトルネードやファイヤートルネードを軽く上回っています 使わないのはもったいないです」
「分かったよリーサ じゃぁその方向で計画を進めて行こう」
「そうしましょうシフォンさん」
「リフレッド先生 試験の時のクラス分けはどうなっているんですか?」
「シフォンさんそれは教えられません ですがこのクラスは皆特Sクラスに進級できますよ それだけの実力がありますからね」
「先生そこまで言えば 試験のクラス分けが分かったようなものですが・・・」
「カナタさん それは内緒です」
「わかりました みんなが聞いていましたけど 内緒にしておきます」
「それでお願いします 皆さんもここだけの話にしておいてくださいね」
「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」
「リフレッド先生 聞こえていましたよ」
「あっ 教頭先生・・・ 申し訳ありません つい喋ってしまいました」
「まぁ良いですけどね 折角の特Sクラスに入れる生徒を 同じ枠の中で戦わせて潰し合わせても もったいないですからね しかも今年のSクラスは過去最強ですからね それを同じ枠で戦わせるなんてとんでもない話です」
「教頭先生 ありがとうございます 同じクラス同士で戦う不安が無くなって安心しました」
「リーサさん あなたはある程度クラス分けは知っていたでしょう?」
「いえ 私も生徒として戦わなければいけないので 聞いていませんでした」
「そうだったんですね まぁ 今知ってしまいましたが 問題ないでしょう 今年の1年生のSクラスに勝てるクラスはこの学校には居ませんから」
「何でそこまで言い切れるのですか?」
「リーサさん 知っていますよ 皆さんが冒険者ギルドのSランクだという事を」
「なっ!? なんでそれを?」
「伊達に 冒険者育成学校の教頭はやっていませんよ 長くこの世界にいれば 知るすべはいくらでもありますから それに他のSランク冒険者なども 皆さんの事を知っているはずですよ」
「何故他のSランク冒険者にまで情報が・・・・」
「他のSランク冒険者はライバルですからね 調べたりしますよ」
「大丈夫だみんな 他のSランク冒険者と言っても皆個人プレイヤーだ 私達と敵対する事は無い」
「本当ですか? リフレッド先生」
「リーサは心配か?」
「はい 今までに色々な敵と戦ってきた Sランク冒険者と私達では格が違いますから」
「大丈夫だ みんなも尋常じゃない敵と戦ってきている 勿論リーサやローナの活躍もあるが 個人でもAランクの上位には居るぞ 勿論全員がそろえばSランクの上位に名を連ねる事もできるがな」
「リフレッド先生 という事は私達は チームワークが命という事ですか?」
「そう言う事だ カナタ良く分かっているじゃないか」
「逆に言うと 個人プレーは命取りという事ですか?」
「カナタ それも当たりだ 個人プレーは絶対に避けるべきだ」
「そこ迄ですか・・・・・」
「カナタ 良く聞け みんなもだ みんなは大きなクエストはこなしてきているが 小さいクエストや 個人からの依頼や 勿論貴族からの依頼なんかもこなしていない 情報に聡い人間はその辺を突いて足を引っ張ってくるぞ だからみんなは常に団体行動を心掛けるんだ どれだけ楽そうに見えて依頼料が高くても それには絶対に落とし穴がある事を覚えておくんだ みんなを妬む人間は山ほどいるからな 忘れるなよ いいな!!」
「「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」」
「リフレッド先生は良い生徒を育ててますな 最初はどうなる事かと思いましたが 流石はSランク冒険者ですね 経験に裏付けされた話は重みがありますね」
「教頭先生にそんな事を言われると 照れくさいですね」
「いや実際に リフレッド先生は凄いと思うぜ クエストの際も適切な指示をしてくれるし 頼りになる先生だよ」
「シフォンさんまで おだてても何も出ませんよ?」
「おだててませんよ 本当の事です リーサがいないクエストの時はかなり助かりました」
「そうですか? それならいいんですが 私は基本的な事を教えただけで大したことはしていないんですがね・・・」
「リフレッド先生 私達はその基本を吹っ飛ばして来たからね 知らないことが多すぎるのさ」
「さてさて 私はそろそろ 職員室に戻りますね リフレッド先生もリーサさんも そろそろ戻らないと職員会議に間に合いませんよ」
「教頭先生の言う通りだ もう行かないと じゃぁねみんな」
「頑張れよリーサ リフレッド先生もね~」
「「ありがとう シフォンさん」」
「ローナ暗くならないうちに帰るんだよ」
「わかってるよ リーサ子供じゃないんだから」
「いや! 子供だから!!」
「そうだった 最近年上の人と接する機会が多くて 勘違いしてた」
「それとみんな 今日の会議で進級試験の日にちが決まるから 覚悟して待ってて」
「分かったよリーサ がんばってきてね」
「ありがとうセルさん がんばってきます 今度こそじゃぁね」
「先生達も行ってしまったし 私達もお開きにしますか」
「そうだねカナタ今日はお開きにして 進級試験の日にちが決まったら また集合しようか?」
「そうですね シフォン」
「じゃぁこのまま食事にするか? ローナはどうする?」
「ジョンさんが誘ってくれたのは嬉しいんですが ママが家でご飯を作って待っているので 今日は帰ります また誘って下さい」
「おう わかった じゃぁ気を付けて帰れよ」
「はぁい じゃぁ皆さんさようなら」
「じゃぁな」
「またね~」
「気を付けてね~」
そうしてみんなと別れ ローナは転移で家まで帰るのだった