赤ちゃんが・・・
王都でのカレー店の買取も無事に終わり カレー店 店主のモーランの希望により アリーナがオーナーになった まぁ実質お店の借金もこれからの運営費用もリーサが出したので リーサが筆頭株主の様なものだがそこはあえて触れない 私は有意義にお金が使えているし アリーナは念願のカレー店を持つことだできたし モーランさんも色々な指示を出してくれる アリーナがオーナーになって満足している みんなが満足しているので特に問題は無い それより実家で問題が起きていた ママンとローナのママが産気づいたのだ 急いで医者を呼んで私も携帯で呼び出された 私はまだ話の途中のアリーナ達を置いて カテナさんとリュードさんも 念の為アリーナが騙されないようにと置いてきた
そして転移で帰ってきて数分 赤ちゃん達は無事に生まれた 流石は安産の神サイフォン様の恩恵を授けただけの事はある 更に母子ともに健康である めでたい事だ 生まれた子達は二人とも女の子だし 二人ともお母さん似だ 良かった いや! お父さんに似ちゃいけない訳ではないが ママンたちは美人なのでそっちに似た方が良いだろうと思っただけだ
「ママン 赤ちゃんやっと生まれたね おめでとう ローナの家でもほぼ同時に生まれたそうだよ」
「そうなんだ? 無事に生まれたのかしら?」
「大丈夫だよ 二人に安産のお祈りしてあげたでしょ? さっきチョット見てきたけど 母子共に健康でママさん似の可愛い子だったよ」
「そっか良かったわ」
「ママンの赤ちゃんもママン似だね 可愛いよ」
「ありがとう リーサ ママ疲れたからチョット寝るわね」
「うん 私は赤ちゃん見てるね」
「お願いするわ ふぁ~あ 駄目だ眠いわ おやすみ 赤ちゃん宜しくね 何かあったら起こしていいからね」
「龍聖 赤ちゃん可愛いね~ ぷにぷにしてるねぇ」
「ママ私もさわっていい?」
「勿論良いわよ ほらさわってさわって」
「うん! わぁ~気持ちいいぃ 何時までもさわっていたいかも あれ?」
「ん? どうした? 何かあった?」
「え? いや? あれ? ママ何か言った?」
「何も言ってないよ? どうしたの龍聖調子悪いの?」
「いや? 調子悪くはないんだけど・・・・ ママ赤ちゃんさわってみて」
「どうしたのよ? 本当に・・・ うわっ! え? あれ?」
「龍聖が言ってたのはこれの事?」
「うん・・・ ママも?」
「うん・・・・・ あぁぁぁ ほんとうにもう!!」
赤ちゃんを落とさないように優しく抱っこする そして自分の部屋に行く
【そろそろちゃんと喋っても良いか?】
(なるべく静かにお願いします)
【まずは自己紹介じゃな ワシはミネルヴァじゃ全世界の主神のうちの一柱じゃ リーサお主の知っている世界では ギリシャ神話のアテナの方が通り名としては分かりやすいか?】
(はい その方が分かりやすいですが ミネルヴァ様の名前はローマ神話ですよね?)
【良く勉強しておるの その通りじゃ まぁミネルヴァと呼んでくれ】
(それで そのミネルヴァ様が何でうちの子に? うちの子はどうなったんですか?)
【まず一番気に成る(うちの子はどうなったんですか)に答えるか 今は寝ておる 赤ん坊は寝て食べるのが仕事だからな 我はこの子が寝ている間だけ意識を外に向ける事が出来るようにした この子の母親や父親には話しかけんから安心しろ その代わりぐずったりはするから それがサインだと思ってくれ親があやしてもぐずる時は我がぬしに用がある時じゃ】
(そこまでは分かりました ミネルヴァ様が何でうちの子になったんですか?)
【そこじゃ! お主 前世に行き歴史を変えてきたであろう それが神々の間で問題になってのうベルッドも今罰を受けている最中じゃ】
(そんな 私がわがままを言ったのに ベルッド様が罰を受けるなんて 罰は私にしてください)
【なに気にするな 尻を手で百回叩かれるだけじゃ それよりも歴史を変えた事であちこちの神から苦情が来ておる 私の世界にも可哀そうな者がいるその者の歴史を変えたい ベルッドの世界だけずるいと苦情の嵐じゃ】
(申し訳ありません・・・・ 両親を救いたい一心であんなことをしてしまいました)
【まぁ良い してしまったことは戻せんからの だが お主が関わった事で佐々木梧桐は死ぬ事になった その両親は悲しむ事になるのだ 結局あの世界では誰かが悲しむ事が運命だったのだよ】
「そんな・・・・ じゃぁどうすれば良かったんですか!!?」
【まぁ そんなに大きい声を出すでない 今は私の魔法でみんな寝ているが起きてしまうぞ それと気にする事は無いぞ 人一人を殺したんだ誰も不幸にならないのはあり得ない それにもう終わった事だ だが今後何かされると困るので 私がお目付け役に抜擢されたのだよ】
(すみませんでした チョット興奮してしまいました)
【それと今後 異世界転移は私の許可があるまで禁止だからの】
(はい もう目的は果たしたので 使う事は無いと思いますが・・・)
【誰もが そんな様な事を言うが 人は使うのだよ】
(そんなものですか・・・・・)
【おっと そろそろ赤ん坊がおっぱいが欲しくて 目覚めるなさっきの部屋に戻してくれ】
(わかりました では 今後はぐずった事が合図という事でよろしいですか?)
【うむ その様にしてくれ ではな】
(はい それではまた)
「龍聖聞いてた? ママ遂に監視が付くようになっちゃった」
「大丈夫だよ ママ真面目だもん」
「そうだと良いんだけどねぇ」
「ママ赤ちゃん泣きそう 早くママのママの所に行かなきゃ」
「ママン起きて~ 赤ちゃんがおっぱい欲しいって ママンてば」
「はっ!? おっぱい? はいはい今あげますよ~ 知らない間に良く寝てしまった リーサ起こしてくれてありがとね」
「い~え ママンが寝ている間に赤ちゃんと仲良くなっちゃったもんね」
「え~? 何それ ずるいわよ」
「いいじゃん どうせ私が学校に行ってる間に仲良くなるんでしょ?」
「まぁねぇ リーサには負けないんだから」
「リーネはパパンの所かな? まだ赤ちゃんの事見てないと思うから おっぱいあげたら見せに行こう」
「そうね みんなで一緒に行きましょう」
「パパン もう名前決めてくれたかなぁ」
「どうかしらね~ リーサの時は初めてだったからすごく時間かかったのよ リーネの時はそんなでも無いわね 2~3日かしら 今回はどうかしらね? もう決まってたりして」
「おう ママお疲れ様 さっき様子を見に行ったんだが 寝ていたからそのままにしておいたぞ」
「どれ ワシにも赤ちゃんを見せておくれ おぅおぅ 可愛いなぁ 決めた この子の名前はリーニャだ」
「パパンリーサ・リーネ・リーニャ みんなに「リー」ってつけるの?」
「そうだよ 一人だけ付いてなかったら可哀そうだろ ママもそれでいいか?」
「良いかも何も パパが一度決めたら覆すわけがないじゃない」
「流石ママだなワシの事を良く分かってる」
「パパン じゃぁこの子はリーニャね? リーニャ~お姉ちゃんだよ~ ほら リーネも龍聖もおいで ほらリーニャこの二人もお姉ちゃんだよ~」
「ママ僕たちも見たいよ そっかごめんごめん ほら今抱っこして見せてあげるね~ ほっぺを優しくツンツンってしてごらん やわらかいから」
「おおぉ ほんとだねぇ」
「やわらか~い」
「赤ちゃんてすごいねぇ ねぇママ もうこの子は喋らないの?」
「へっ? 赤ちゃんは喋らないよ?」
「でも さっきママとお話してたじゃん」
「リーサどういう事?」
「ママン・・・・・」
「黙っていたら 分からないでしょ?」
「実はリーニャの中に全世界の主神の一柱が共存しているの・・・・」
「へっ?」
「だから この世界の主神ベルッド様より偉い神様がリーニャの中にいるの リーニャが寝てるときはミネルヴァ様の意識があってリーニャが起きるとミネルヴァ様が帰っていくの」
「なんでそんな偉い神様が リーニャの中にいるの?」
「私が無茶をしないように お目付け役で現世に降りてきたの 勿論リーニャの意識が一番だから問題は無いんだけど あとリーニャを守ってもくれるはずだけど」
「なんで うちの子は規格外な子が生まれるんだい?」
「リーネはまともだよ?」
「そうかもしれないけど・・・・」
「ママ落ち着け 別に魔物が憑りついているわけじゃないんだ しかもベルッド様より偉い神様がこの子をお守り下さるんだから 文句を言ったら罰が当たるぞ」
「そうね パパの言う通りね リーサそれでそのミネルヴァ様は何の神様なんだい?」
「盾と槍を持つ最強の女神さまです」
「最強の女神様・・・・・・」
「リーニャのこの先の人生はどうなるんだい?」
「ママンさっきも言ったけど リーニャの意識が一番優先されるから そんなに大変な事にはならないはずだよ あとは多分私と一緒で神の神託がある時はボーっとするかも」
「リーサ リーニャを守ってあげるんだよ?」
「大丈夫だよ 私より強い神様が中にいるんだから」
「それでもだよ 神託の時は無防備なんだろ しっかり守ってやんな」
「わかりました!! もう 私の時は何も言わなかったくせに・・・・」
「それは 悪かったよ でもリーサは強かったろ」
「だから 私より強い神様が守ってくれてるんだってば」
「でもさぁ まだ今日生まれたばかりなんだよ いくら神様が強くても 赤ちゃんの体で体捌きができる訳じゃないだろ」
「そこは魔法を使うでしょ はなからこの体で戦うとかないから それに襲われる理由がないでしょ?」
ママンとそんな不毛な会話を続けながら 夜は更けていくのでした