表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
183/248

教頭先生のお願い2

教頭先生の一言から始まった リーサの修練場改造計画 それは 修練場で大量の生徒が一糸乱れぬ動きで練習をする姿を見せ そして 手前にはSクラスの生徒が模擬戦をして 目をくらませるというものだった 果たしてリーサは教頭先生の知人が来るまでに間に合わせる事が可能なのか? 原理はそんなに難しい事じゃない 修練場の下に穴を掘って3Dプロジェクターを使い 修練場の上に置いてある 透明度の違う合わせガラスの一枚に映像を投影するというものだ だが数が必要だ そして時間は明日の朝までに数百を用意しなくてはならない まずは修練場の端っこに小さな小屋を建てる そしてそこに龍聖と赤ちゃん達を寝かせるスペースを作る そしてカテナさんに面倒を見てもらって リュードさんは私の護衛だアヤメさんもいるが 一晩中作業するとなると何が起こるか分からない 私も強いと言っても6歳児だ 夜の学校に1人は怖いのだ いや前世の記憶があるから怖いのだ 教頭のバカ・・・・ 何で私がこんな目に・・・・ 


まぁ愚痴を言っても始まらない 修練場に3Dプロジェクターを入れる穴を掘る 勿論イメージ魔法で穴を掘ったのだが そこに大量のプロジェクターを入れていく 勿論電源の代わりに魔力石で動くようにしてある そして合わせガラスを出して動画を投影してみる 近くで見るとバレるが 遠くから見る分には問題が無い それさえわかれば 後は位置と角度の調整をしながら合わせガラスを設置していく そしてそれが終わると一斉に魔力石を稼働させてみる そしてそれを観覧席から眺めてみると完璧だった あとは魔力石がもったいないので接続を切った 動画の種類もかなり用意したので この世界の人間には分からないはずだ 


さて 少し時間があるので休ませてもらおう 流石に徹夜はキツイ 修練場はリュードさんとアヤメさんが見てくれるとの事だったので 2人には栄養ドリンクを渡して 子供達が寝ているベッドに潜り込んだ 子供たちのベッドは魔力で育てているはずなのに 母乳の様なお乳のいい匂いがした ベルッド様の母乳を飲んだせいかな? そしてみんなのいい香りに包まれながら眠りに落ちて行った そして深い眠りにつく前にプロジェクターだけで音が無い事に気が付いた 子供達を起こさないようにベッドから降りると 修練場に向かって スピーカーをあちこちに仕掛ける それで普段の修練場の音声をあちこちから流してみる すると設置したスピーカーからタイムラグがあるものの それが一層真実味を帯びた感じに仕上がった そしてこの音に起きてしまった龍聖と赤ちゃん達にご飯をあげる


赤ちゃん達はもうかなり大きくなって 立って歩くこともできる なのでご飯が終わったら小屋の中で歩く練習をする 外は作ったばかりのガラスがあって危ないから小屋の中で遊ぶしかない 龍聖もお姉ちゃん力を発揮して必死に遊んでいる 暫くすると外が騒がしくなってきた 学校が始まる時間だ そろそろ準備をしないと 歩いての時間がもったいないので転移で教頭先生の部屋に行く するといきなり現れた私にびっくりはしたものの すぐに平静を取り戻し昨日の成果を聞いてきた


「リーサさん どうでしたか出来ましたか?」


「できましたよ 渾身の出来です 今から見に行きましょう」


「そうですね 一度見ておいた方が良いですね」


「じゃぁ転移で移動しますよ『転移』」


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「着きました お客さんが来たらここに連れて来て下さい 他の方角からだと何も見えないので 見えるのはこの方角からだけです」


「わかりました 試しに見せてもらっても良いですか?」


「勿論ですとも」


プロジェクターの魔力石を起動する


「おぉ これは凄いそこに人がいるようだ」


「これに音を足します」


今度はスピーカーの魔力石を起動する


「これは・・・・ 凄いですね 音が足されるとそこに本当に人がいるみたいです」


「これで満足でしょうか?」


「えぇ ありがとうございます これで私の面目が保たれます」


「教頭先生 一つ貸しですよ」


「分かってます リーサさんに何かあったら 率先して助けましょう」


「ちなみに お友達はいつ頃いらっしゃるんですか?」


「もうそろそろ来るはずなんですが あっ来たみたいですね門から召喚魔法の鳥が飛んできました」


「じゃぁ これはこのまま起動しておきます 魔力石は夕方まで持ちますので そして手前にSクラスを配置しておきます ではこれで Sクラスを呼んできます」


「はい お願いします」


そして二人は分かれ教頭先生は正門前に リーサはSクラスの仲間のもとに転移した 


「みんなおはよう 今日はお願いがあります 教頭先生のお友達が学校に来るという事で成績の良いSクラスが模擬戦闘を見せる事になりました なので修練場に行きましょう」


「おいおい リーサ説明はそれだけかい?」


「シフォンさん 時間が無いんです もうお友達が正門前まで来ているとの事ですから これが終わったら教頭先生に何か食べさせてもらいましょう」


「おっいいな それなら頑張るか さぁみんな行くぞ」


「切り替え早いんだからシフォンは・・・・」


「ハリー何か言ったかい?」


「ん? 何も言ってないよ」


「なら良いけど? 早くいくよ!!」



「わかりました みんなも準備良いですか?『転移』」


「うわっ!! 何だいこりゃ?」


「シフォンさん触っちゃ駄目ですよ」


「分かったよ でも何だいこりゃ?」


「今日の秘密兵器です 近くから見ると ガラスに人っぽいのが映っているだけに見えますが 遠くから見るとそこに人がいるように見えるんですよ」


「そういう事かい 人の水増しをしたいんだね?」


「流石シフォンさん この手の事には頭が回る」


「どういう意味だいリーサ」


「別に何でもないです・・・・」


「ふう それでこの前で私達が模擬戦をして 余計に本物っぽく見せるんだね?」


「その通りです 教頭先生のお友達に これだけの生徒がいるんだよって見せられれば成功です」


「分かったよ じゃぁ模擬戦の準備を始めようか?」


「お願いします シフォンさん みんなを引っ張って行って下さい」


「分かった 任せなリーサはどうするんだい?」


「教頭先生の近くで問題が起きないか 隠れて確認してます 問題が無ければ姿を現しますけど」


「そうか バレないと良いな がんばれよ」


「皆さんもあまり無茶をして 怪我をしないように気を付けて下さい」


「「「「おう 任しとけ」」」」


「男性陣は気合たっぷりですね 女性陣は技で見せて下さいね」


「「「「「分かった」」」」」


「では私は 閲覧席に行ってます それでは『転移』」


「あぁリーサさん いらっしゃったのですね この方が私の学友のマンゾーニです」


「こんにちはお嬢さん お嬢さんもここの生徒なの?」


「こんにちはマンゾーニさん 私はリーサと申します この学校でSクラスの担任をしています」


「え? 担任? スハルト本当か? もし本当ならお前が教頭をやっているより驚いたぞ」


「マンゾーニお前は本当に失礼な奴だな この子リーサは 教師もやっているし神の巫女でもあるんだぞ」


「神の巫女? それこそおかしいだろ? こんな小さな子がそんな大役を任されているのか? しかも神様から直接?」


「それだけじゃないですよ マンゾーニ様 私はこの国の大公でもありますし 各ギルドでSランク以上の資格も持っています」


「それこそお手上げだ 俺の頭の許容範囲の外にいる人だな スハルトの学校は ここにいる生徒の数もそうだが教師も桁外れだな?」


「マンゾーニよ この学校にはSランク冒険者の教師がもう一人いるぞ あいにくと今は授業中だから会えないがな」


「ここの生徒達は 随分と恵まれた環境で学んでいるんだな」


「そうだな かなり恵まれているな」


「あの手前で模擬戦をしている者達の動きも素晴らしいしな」


「だろう?あそこの生徒は今年入学したんだが かなりの掘り出し物だ」


「お二人ともそろそろ 教室での授業風景も見に行かれてはいかがですか?」


「そうだな そちらも見せてもらおうか」


「あぁ そうだな 教室での授業風景も見て行ってくれ」


「それではスハルト教頭先生 私はここにいる生徒たちの修練が終わりましたら 職員室に戻りますので」


「わかりました それでは 生徒達が怪我をしないように お願いします」


「それではマンゾーニ様失礼します『転移』」


「おいおい いきなり姿が消えたぞ」


「今のは転移と言って 場所を一瞬で移動する技だからな」


「彼女は そんな技まで使えるのか?」


「他にも色々な技が使えるぞ かと言って攫おうとするなよ? 神罰で国ごと滅ぼされるぞ」


「そんな国があったのか?」


「あぁ あった 何処かは教えてもらえないが そこからの移民がかなりの数で この王都に集まっているからな」


「分かった 彼女の存在は俺の中だけに秘めておこう 国が潰れたらシャレにならんからな」


そうして教頭先生の学友マンゾーニは帰っていくのだった


「教頭先生 これで満足ですか?」


「えぇ 満足です」


「そうしたらですね Sクラスの生徒に 何か食事をごちそうしてもらえませんか?」


「良いですよ マンゾーニもSクラスの生徒を褒めていましたしね」


「良いそうですよ! 良かったですね」


バタバタバタ と大きな音がして教頭室のドアが開かれる みんなして聞き耳を立てていたのだ


「立ち聞きとは行儀が悪いですね やはり食事は無しにしますか?」


「もう しませんから 食事だけは・・・・」


「シフォンさん そんなに食事に行きたかったんですか?」


「学食も美味いんだけど たまには他の物が食べたくなるじゃないか?」


「そうですね たまには変わった物が食べたくなりますよね わかりました 今回は少し奮発して珍しい料理を食べに行きましょう」


「「「「「「「「「「やった~」」」」」」」」」


「良かったですね みなさん 今日の授業が終わったら 教頭先生のおごりで食事ですよ」


そうして授業が終わったら みんなで食事に行くのだった 教頭先生が連れて来てくれた場所は 味は良いのだが世に言うゲテモノ料理の店だった 確かに珍しいものだし 美味しかったですけどね・・・ もう少し普通の物が良かったなぁ みんながそんな思いを胸に秘め夜は更けていくのでした 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ