教頭先生のお願い
鍛冶師ギルドのギルマス アルフレッドに呼び出されてギルドに行ってみると 今までの功績を考慮してギルドランクの更新をしてくれるという これで どうすればなれるか分からなかった 特Sランクになれる事になった そして鍛冶師ギルド初の特Sランクだそうだ その賞金として白金貨1000枚も貰った その賞金でお祝いに行く事にした 最初はパパンが出してくれるって事になってたんだけど 私が稼いだお金の使い道がないからと言って無理やり払う事にした いくら騒いでも もらった賞金の一部にしかならないのだが まぁまた食事会でも開いてお金を使いましょう
それにしてもママンもローナのママもお腹が大きくなってきた そろそろ次の子が生まれるはずだ 男の子かなぁ? 女の子かなぁ? どっちでもいいから早く生まれて欲しいなぁ
「ねぇローナ ママンとローナのママ そろそろ赤ちゃん生まれるよね?」
「そうだねぇ早く生まれて欲しいなぁ リーサの家のリーネちゃんを見る度に 早く生まれないかなぁって思うよ」
「赤ちゃんは可愛いよねぇ でもさ 赤ちゃんが生まれたらすぐに クラス替えの試験もあるんだよねぇ」
「そうなんだよねぇ 私は教師だから出なくていいのかな? それとも生徒役なのかな?」
「どっちなんだろうね? でもリーサならどっちでも問題ないでしょ?」
「まぁねぇ でも一応リフレッド先生に聞いてみよう」
「そうだね あとから聞きに行ってみようか」
「ってか今聞きに行こう 心配で夜眠れなくなっちゃうよ」
「分かったよ リーサはせっかちだなぁ」
そうして 職員室に向かった
「「しつれいしま~す リフレッド先生いますか~」」
「どうした リーサ? ローナ?」
「リフレッド先生 私はクラス替えの時教師側何ですか? 生徒側何ですか? どっちなんですか」
「『リーサは教師側だ リーサが参加すると 他の生徒を圧倒するのが目に見えているからな』って言いたいんだが今年から特Sクラスが創設されるから生徒側だ 残念なことにな・・・」
「どういう意味ですか?」
「リーサなら試験無しで特Sクラスだと言ったんだが聞き入れてもらえなかったんだよ」
「確かに リーサと同じ試験会場になったら 問答無用で死んじゃうもんね」
「ローナぁ どういう事かなぁ?」
「別に~ でも今までの試験会場は 凄惨な会場だったなぁっと思ってね」
「ローナは人の事言えないじゃん この首折り女!!」
「何よ 爆炎女」
「こらこら職員室で喧嘩するな それに二人とも同じレベルで酷いから 大丈夫だ」
「何が大丈夫なんですか?」
「そうです 何が大丈夫なんですか?」
「二人とも何もなければ 特Sクラスに進級だからだ リーサの場合は教師なのにSクラスとかシャレにならんし ローナは攻撃力? まぁ関節を外したりで試験に勝ち進めるからだ だから仲良くしろ」
「「はぁい」」
「やったね特Sクラスほぼ確実だって ローナとまた一緒に勉強できるね」
「そうだね~ 良かったねぇ 今更 同じクラスの仲間と別れたくないもんね」
「そだね~ 今更別れてもクラスで浮いちゃうよ 一人だけ落第とかしたらドラゴンの鱗の効果を持ったままだから 同じクラスの中で一人だけ過剰戦力になっちゃうしね」
「だよね~ しかも冒険者ランクの事もあるしね~」
「何ですか? 冒険者ランクの事とは」
「あっ 教頭先生・・・・」
「どうしたんですか? 何か悪い事でもしているんですか?」
「いえ 悪い事はしていないんですが・・・」
「リフレッド先生 もういいよ言っちゃおう でも教頭先生の部屋でお願いします しかもギルドでも特秘事項ですから」
「ふむ そんなに大事な話なんですか?」
「そうですね 大事な話です」
「そうですか では 私の部屋に行きましょう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「では リフレッド先生 詳しく話してもらいましょうか」
「まぁ あまり詳しくと言っても そんなに大したことじゃないんですが 実は以前王様とSクラス全員で旅行に行ったことがありまして その際にクラーケンが大量に発生していて海で遊ぶことも漁をすることもできなかったのです その際にリーサさんが持っている兵器で倒せるという事で 冒険者ギルドに登録したんですが それから定期的にギルドで依頼をこなしていたら Sクラス全員がSランクになってしまいまして」
「何ですって? Sクラス全員がSランク? それは凄い出来事じゃないですか!!」
「ですが 攻撃力があっても 冒険者としての基礎知識や Sランク冒険者としての立ち振る舞いなどがまだできないのと 持っている装備が高級な事もあって 指名依頼を断っているんです それをしなければたちの悪い貴族に捕まって装備を取られたり 最悪殺されたりしますから そして Sランクになっているのも冒険者ギルドのギルドマスターだけが知る 特秘事項になっているんです 幸いAランクでも上下一つずつのクエストの受注が可能なので 私達がSランクだと知れ渡ってはいないのですが これが世間にばれれば子供達を狙った犯罪者が出て来ることでしょう? 今でも冒険者ギルドで依頼料を受け取った後に 質の悪い冒険者に襲われているんですから」
「そうですか 残念ですSランク冒険者もいる学校だと知れ渡ったら もっと入学者が増えると思ったのですが」
「教頭先生 でもこの前校長先生が 商売繁盛の神にお願いして 生徒は増えたじゃないですか? まだ足りないんですか?」
「リーサさん 生徒は多ければ多い程良いんですよ」
「でも 先生の数が足りませんよ? また24時間みんなの面倒を見るとか嫌ですからね? それにあれも勉強の神様の恩恵があったからできた事ですし」
「そんな事を言わずに 何とかなりませんかリーサさん もっと生徒を増やしたいのですよ」
「さっきも言いましたが 先生の数が足りませんから どうにもなりませんね」
「ううん 困りましたね~」
「何かあったんですか?」
「実は他の学校の先生に うちの学校には生徒が沢山いますからって 自慢しちゃったんですよ」
「何やってるんですか・・・ でもこれ以上生徒は増やせませんよ? 来年度の新入生に期待するしかないですね」
「それが・・・ 明日その学校の先生が来るんですよ・・・・」
「それは 無理じゃないですか」
「リーサさん それなので Sランクが10人いるとなれば それだけで挽回できるのですが 駄目ですか?」
「駄目です!! 冒険者ギルドでも秘匿事項にしていて 知っているのはギルマスだけです そのギルマスも私達の事を口外したら死刑になります それだけの事をしているのに教頭の自慢の為だけにバラス訳には行きません」
「そうですよね リーサさんどうしましょうか?」
「知りませんよ むしろ何でそんなくだらない 言い争いになったんですか?」
「それがですね 元々その言い争いになった相手は 私の昔の同級生だったんですが 他の国で教員になったんです それで私が教頭をやっているのを妬んで 『俺の学校には生徒数が凄いんだぞ』と自慢してきまして 私もそれに乗ってしまい 『うちの学校も生徒数が凄いんだぞ』と自慢してしまったんです まさか見に来るとは思っていなくて・・・・」
「はぁ・・・ 今回だけですよ? 私の魔法で学生がいるように見せかけましょう その代わり触る事や話すことはできませんから その辺はうまくやって下さいね 修練場で大量の生徒が練習をしている風景を見れば納得するでしょ?」
「そんな事が可能なのですか?」
「可能か可能じゃないかで言ったら ギリギリ可能です 私の知識に感謝してください そして修練場の見学が終わったら すぐに教室の方に移動してください あと私はSランク冒険者で登録していますので紹介しても構いませんよ リフレッド先生も良いですか?」
「あぁ 構わないよ 私も 教頭の気持ちが分からないでもないからな」
「リフレッド先生も教頭先生の気持ちがわかるんですか?」
「あぁ 私は珍しい物が好きだろ 他の人が持っていて自分が持っていないと 悔しくてしょうがないんだ そんな時の気分に似ているんだろうな」
「はぁ わかりました 取りあえず 何かあった時の為に Sクラスの人間は修練場の手前で模擬戦をします それで良いですか教頭先生?」
「あぁ構わないんだが 同級生が来るのが明日なんだが・・・・・・・・ 何とかなるかい?」
「もう そんな事ならもっと早く相談してくださいよ 準備が大変じゃないですか!!」
「リーサ一度引き受けたんだから それくらいにしておけ 教頭先生の同級生がいつ来るか 確認しなかった我々にも問題がある」
「ふぅ わかりました 今から修練場は使用禁止です これは教頭命令で使用禁止にしてください 良いですね」
「分かった それくらいはやらせてもらおう」
「何で偉そうなんですか? 無茶なお願いしてるんだから 『やらせて下さいお願いします』ですよ」
「リーサ教頭先生に対してその態度は無いだろう?」
「リフレッド先生? 今置かれている状況が どれだけ無茶か分かりますか? 私がそれだけ怒らなくちゃいけない程の事態なんですよ 私でも間に合うか分からないんですよ?」
「リーサが できるかどうか分からないってどれだけ大変なんだ? 教頭先生 これは素直に謝る事も覚悟していた方が良いかも知れませんよ?」
「リフレッド先生・・・ そうですね 私が蒔いた種ですから 自分で何とかしなくてはいけませんね」
「二人とも 何か勘違いしているみたいだから言っておきますけど 私はやらないとは言ってませんからね 間に合うか分からないけど 最善はつくしますから そしてドワーフの意地で絶対に間に合わせますから」
「っだそうです 教頭先生暫くはリーサに頭が上がらなさそうですね」
「そうですね では早速教頭権限で修練場を使用禁止にしてきます リーサさんあとは宜しくお願いします」
「わかりました 私も教頭先生にあそこまで言ったんです 絶対に何とかして見せます」
そしてリーサは修練場を別の物に作り替えていくのであった