元居た世界へ4
梧桐一馬は気が狂っていた 自分が全てにおいて偉いと勘違いするような 訳の分からない奴だった 自分が不幸なのは他人のせいにして それで復讐しようとしている 今はナイフを買っている あれで私を殺すらしい やだなぁ 痛そうだなぁ かと言って手出しは出来ないし・・・ あの時って痛かったんだっけ? 何やら意識が一瞬で飛んだ感じがするから 即死だったのかな~? それとも神様が気を使ってくれたのかなぁ? あんなナイフじゃ即死は無さそうだもんなぁ これからか・・・・ 梧桐が私の学校の方に向かって歩いている 学校から付いてきてたのか・・・? 全然気付かなかった あっ?私だ
(ねぇ あれってママ?)
(龍聖分かるの?)
(わかるよ ママそっくりだもん)
『そうねリーサにそっくりだわ あのままあのバカ男に殺されるのね・・・』
(レイニー様 もう少し言葉を選んでください 私が傷付きます・・・・)
(リーサが殺されたら すぐにあいつも倒していいのか?)
(リュードさん それは警察・・・ 騎士団の仕事だから駄目です)
(でもリーサもあんなのが 付いて来て気づかないのね?)
(こっちの世界の私は サーチとか使えないんですよカテナさん)
(そうなんですか? では殺されても仕方がありませんね)
(この世界には 魔力が少ないから回復も遅いですしね)
『あっ リーサ人通りが少なくなって さっきの奴がリーサを狙ってるよ』
(ありがとう スタディ様 って言っても見てるしかできないんだけどね 後ろから走ってきて何回もめった刺しにされてる 死因は失血死かな? 正面から刺さないのは怖いからかな?)
(ママ可哀そう)
(ありがとう龍聖でも もう一回死んでるから大丈夫よ あれは私であって私じゃないのよ まぁ見ているだけでも痛そうよねぇ あっ 私の前に向かって顔の確認をしてる ここまでやって他人だったらシャレにならないもんね)
『リーサあなた冷静ね?』
(一度死んで自分の葬式も見てますからね~ 特に思うところは無いです これで相手を殺したり自分を助けて良いって言うなら話は別ですが・・・ それはベルッド様に禁止されていますからね)
『でもリーサ 仮にも自分だった入れ物が 殺されるのは嫌な気持ちになるでしょ?』
(そうですねぇ レイニー様の言う通りかもしれないですね でも今更ですね もう死んで6年も経ってますから それよりこの後の両親の方が気になりますね ベルッド様の話だと この後6年間両親は泣きながら暮らすって言ってたので 二人が別れる未来だけは見たくないですね)
『それよりじゃリーサ 奴が逃げようとしとるぞ 追いかけぬのか?』
(大丈夫ですよドルトン様 もうマーキングしてありますから どれだけ遠くに逃げたところで捕まえます)
『それなら 良いんじゃが 本当に冷静じゃのう』
(そりゃ そうですよ逃がしてたまるもんですか)
『それよりもリーサは 自分の死体がどう扱われて 両親のもとに戻るのかが気になるんでしょ?』
(そうですレイニー様 私はその時の両親が 気になって仕方がないんです)
そして警察や救急車が来て私を運んで行った それについて行くと 興奮した状態の両親が少し遅れて来た やはり自分たちの 一人きりの娘が殺されかかったとあっては 興奮するのもしょうがないというものだ 警察の人に掴み掛って情報を聞き出そうとしている 警察の人も慣れているのか大人しくさせるのが上手い 両親も警官に掴み掛るのは流石にヤバいと思ったのか大人しくなった
【お巡りさん うちの娘はどうなったんですか?』
【路上で不審者に刺されて意識不明の重体です まだ犯人は分かっていませんが 警察が全力で探していますので落ち着いて下さい このままじゃ娘さんの部屋に入れられませんよ】
【わかりました 落ち着きますから早く娘の部屋に入れて下さい】
【まだ 術後そんなに時間がたっていませんから 静かにしてくださいね 良いですよね看護師さん?】
【えぇ 親族であればかまいませんが こちらに記入と あと消毒をお願いします】
【分かりました 大人しくしますから 早く入れて下さい】
(私達も入りますけど 消毒は結界があるので大丈夫でしょう)
(ママ消毒って何?)
(龍聖消毒ってのは目に見えない悪い菌を殺す事だよ)
『リーサ見た事もない機械でいっぱいだよ? バラしても良い?』
(駄目です!スタディ様!! この機械で命をつないでいる人たちがたくさんいるんです)
『そっかぁ じゃぁ駄目だね』
(おっ 中に入りますね 一緒に入りましょう)
(ママ苦しそうだよ?)
(もうそろそろ 死んじゃうからね)
(ママ死んじゃうの嫌だよぉ・・・)
(龍聖はやさしいね~ 大丈夫だよ こっちのママは死なないから そしてこの世界のママが死なないと 龍聖のママが生まれないから このままで良いんだよ)
(良く分からないよ~)
(とにかく このままで良いんだよ そして私が死ぬと この世界に神様がきて私を転生させてくれるのよ)
【リーサそろそろ始めるわよ まずは今後の話だけどひと段落したら ペットを飼う未来を数百種類用意するわ】
(これはペットの種類が違うんですか?)
【そうね 猫や犬は当たり前だけど蛇やトカゲ 魚や馬なんかも飼うわね】
(ママ 人がいっぱい入って来たよ)
(龍聖ありがとう レイニー様 そろそろ私死にます 準備お願いします 両親を幸せにしてやって下さい)
【準備はするけど もう少したってからね じゃないと娘が死んだ瞬間に 笑顔でペットを飼うって事をすると 頭がおかしくなったと思われるからね】
(そうですね それは 怖いですね・・・・)
【あとは子供を作るってので色んなパターンで子供を作りましょう お姉ちゃんと弟だったり お兄ちゃんと妹だったり 一人っ子だったり そのほか養子を貰ったり 子供を殺された人達と一緒に 親が死んだ子供たちの世話をする協会を作ったり 夫婦そろってバリバリ仕事人間になったり 会社が儲かって 給料が増えるからそれで二人で旅行三昧とか いろんな種類を作るわよ 魔力譲渡もお願い 私の魔力じゃ足りないわ】
(わかりました 『魔力譲渡』これで良いですか)
【大丈夫よ これであと何回か魔力譲渡してくれたら リーサの両親は辛い記憶をうち消せるわ 勿論お墓参りくらいはするけどね でもリーサの死を乗り越えて だから良いでしょ?】
(勿論です それで充分です 流石に完璧に忘れられちゃうのは 寂しいですからね あっ! 私死にましたね お医者さんも両親も慌てているのでこれで死んだ形です あとは犯人を捕まえやすいように警察を誘導しましょう)
(どうやって誘導するんですか?)
(それはですねカテナさん この世界には公衆電話という物があるんですが 警察に電話するのは無料なんですよ そこで前世の私の声で警察に電話して 梧桐一馬が隠れている場所を教えましょう)
(それって カメラとやらに写ったらりしないんですか?)
(カテナさんの言う通りだ 写るかも知れないですね どうしよう?)
(ママ ママが生き返ったよ?)
(あぁ心臓マッサージで復活ですか 丁度いい 私の声で少し喋らせましょう)
「うっ うっ・・・・・」
「どうしたのリーサ 何か言いたいの?」
「マ・・・マ・・・聞いて・・・・私を襲ったのは」
「襲ったのは?」
「梧桐・・・・一馬・・・だよ パパもママも・・・・愛してる」
ピーーーーーーーーーーー
「すいません どいて下さい 心臓マッサージだ急げ!!」
そして お医者さんの懸命な延命作業でも 私が生き返る事は無かった
「あなた リーサが最後に犯人を教えてくれたわ うちの会社にいる梧桐一馬よ そして本当の最後にパパもママも愛してるって」
「そうか リーサは最後にそんな事を パパもママも愛してるって伝えたかったな・・・」
(大丈夫だよ パパ ママちゃんと伝わったよ・・・・・)
「そうね 伝えたかったわね でもリーサは犯人も教えてくれたわ 警察に言って指名手配してもらいましょう」
「そうだな 私達の手で殺してやりたいところだが リーサがそれを望まないだろうからな・・・・」
そして梧桐はコンビニで時間を潰している間に 巡回中の警察官に逮捕された そして最初はやっていないとか騒いでいたらしいが 証拠が出て来るにつれて 会社がいけないんだとか言い出し 会社にも警察の手が入ったが 会社を退職した人たちが連名で署名を出し 梧桐の普段の行動や会社が最後まで弱者を守ってくれていたことを警察に伝え 梧桐の完璧な逆恨みで殺人を犯したと言う事と 前途ある若者を狂気的な方法で殺人したと言う事で梧桐にも死刑が確定した
私達は時間転移でそれを確認すると 両親の幸せを確認し回れるだけ回って 色々な幸せを満喫している両親を見て安心して異世界へ戻る ベルッド様と別れた時間から 2~3分たった時間に戻って来た そしてレイニー様にお礼を言った
「レイニー様 本当にありがとうございました お礼は何が良いでしょう?」
『リーサの魔力かしらね 魔力譲渡もしてもらったけど 味わう時間は無かったから 今度大量にリーサの魔力を頂戴 それでチャラにしてあげるわ』
「本当にそれで良いんですか?」
『良いわよ 結局私一人の魔力じゃ足りなかったんだし 何回かリーサに魔力譲渡してもらってるからね』
「でもそれは 私の都合でレイニー様に協力してもらったんだし・・・」
『いい? リーサ一回しか言わないわよ 私が良いって言ったら良いの!!」
「はい!! わかりました」
『よろしい ではベルウッド様に報告をしましょう』
「はい 本当にありがとうございます」
「ママ その前にお腹減っちゃった」
「ごめん 龍聖ほとんどご飯食べてなかったね 赤ちゃん達は大丈夫かな? 寝てるか・・・大丈夫そうだね でもちょっと起きてもらってご飯にしようか 神様達もリュードさんもカテナさんもご飯にしましょう クロウ ガデッサ アレス リデル レミーラ フィリア ロゼリアみんな起きてご飯にしましょう」
「マァマ マァマ マンマ マンマ」
「みんな起きたね ごめんね眠いのに でもご飯だから起きて頂戴 その前に私も魔力石を摂取しておきますか ご飯あげてる途中で魔力枯渇とかシャレになりませんからね これで良し今度こそご飯ですよ~」
大きなテーブルと椅子を出して テーブルの上に小さなテーブルと椅子を出す リュードさんとカテナさんと神様達の分だ その上に料理を並べていく それが終わると子供達にご飯だ 龍聖は膝の上赤ちゃん達はベッドの中に手を入れてそこから吸収していく 時間のある時は一人ずつ抱っこしてあげるのだが 今日は時間が無い ベルッド様に事の詳細を話さないといけない そうして夜は少しずつ更けていくのでした