教師候補
商売繁盛(害虫駆除)の神レモット様の恩恵で 学校に中途入学希望者が殺到した 1週間近くかかって入学希望に来る者もいた そんな中リーサの発案でゴブリン程度の強さに調節された 『剣術魔法付与』をかけられたゴーレムと戦っていく入学希望者達
ドンドンと不死のステージ上で死亡判定されていく者 怪我で動けなくなって失格になる者 1000人近く試験を受けて 150人程が実技試験と筆記試験と魔法測定試験を合格した ゴブリンを倒す程度なのでAクラス判定なのだが このままだとAクラスだけで15クラスできてしまう 幸い教室は広いので1クラス30人で5クラスに成った
だが授業の時は先生が二人着く事に成った 全員の行動に目が届かなくなるからだ 課外授業で惑わしの森に行ったりするのを考えると やはり先生は二人いた方が良い その上で付き添いの先生が別についていくとかじゃないと危険すぎる気がする 私達の時もフラウ先生と数名の付き添いの先生が来たもんな そんなわけで先生も増えてきた 校長先生があちこちに声をかけたらしい 職員室もいっぱいになってきた 空き教室を改造して職員室にしたりしている これで来年度特Sクラスと レモット様の恩恵で入学者が増えると思うと 今から不安でしかない
そして途中入学の生徒に あきらかにレベルの違う者も存在する 勿論レベルが高いという意味だが本人の持っているスキルが 戦闘に特化しているのだ火属性 水属性 風属性 土属性と他の生徒がまだ持っていない属性を既に持っているのだ Sクラスで引き取りたいところだが 学校の方針でAクラスのままだ と言うかSクラスを受け持てる先生が少ないのだ
「校長先生 Sクラスを受け持てる先生を増やしてください!!」
「リーサさんどうしたんですか いきなり?」
「いきなりじゃないです 途中入学の生徒の中でも 優秀な生徒をSクラスにしないと勿体ないです このままでは 授業がつまらなくなり学校を辞めてしまいますよ」
「流石にそれは無いでしょう?」
「考えても見て下さい 1年生のAクラスで教えていることは 冒険者になる基本事項だけですよ それが属性魔法も覚えていて ゴブリンも倒せるだけの技術も持っているのです 冒険者の基本事項も大事ですが それはSクラスでも教える事が出来ます そしてもう一段回上の上の授業ができます」
「それはそうですが Sクラスを教える事の出来る先生がまず足りません それと足りたとしても補助をしてくれる先生たちがいません」
「先生になりたい候補の方達はいるんですか?」
「それはもう 国からの支援で動いている学校です 安定した職業で騎士達と違って 危険も少ないですからね ですが国の基準に達成しない人達なんですよ」
「その人達の中で性格の良かった人たちに連絡を取って 勉強の神スターディ様の恩恵を授けて勉強漬けにするのはどうでしょう? ある程度まで勉強したら恩恵は弱めますので 恩恵が強いままだと危ないですから それが終わったら冒険者の神フォトン様の恩恵と戦神の神ファイタン様の恩恵を授ければ最強の教師の出来上がりです」
「何でスターディ様の恩恵は危険なのですか?」
「記憶力と勉強への意欲は上がるのですが 上がり過ぎて食事も寝るのも忘れて勉強してしまいます・・・」
「確かにそれは危険ですね・・・」
「学校の寮で勉強をしてもらって 管理をしっかりすれば大丈夫なはずです」
「大丈夫なはずって 本当に大丈夫なんですか?」
「私が恩恵を調整しながら勉強させますので大丈夫です 管理しきってみせます そうしないと今後のSクラス特Sクラスも教師不足になってしまいます」
「分かりました 私の権限で過去の試験で性格の良かった者達を集めましょう」
「ありがとうございます これでSクラスの教師も確保できそうです」
2日後先生候補が集まったと校長先生が職員室に来た
「集まりましたか どうでした? 性格に難のありそうな人はいませんでしたか?」
「大丈夫だよ 面接も試験結果もちゃんと見てから決めたから」
「分かりました これから1週間は寮に缶詰めになってもらいます それで完璧な先生になってもらいます」
「1週間缶詰めって事は その間リーサさんも いないのですか?」
「そういう事に成ります 食事面と精神面をの両方をチェックしないといけませんし 人数も多いですから」
「確かに30名はいますからね それでも来年度の新入学の事を考えると それくらいはいないと対処できませんがね」
「そうなんです ですから 授業に出れるときは出ますが それ以外は寮にこもらせてもらいます」
「分かりました 先生候補の人達にはリーサさんから説明してください」
「はい 私が説明させてもらいます それで 先生候補の方達は何処にいますか?」
「修練場に集まってもらっています 一度試験に落ちたのに集められたので 訳が分からずにいます 少し説明してあげて下さい」
「はい それもやっておきます では行ってきます」
「宜しくお願いします」
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「皆さんお待たせしました わたくしはここでSクラスの担任をしている リーサと申します まぁ私の姿を見て戸惑っている方もいると思いますが 神の巫女もやっていますので この年齢でSクラスの担任というのは規格外だと思って無視して下さい それと皆さんに勉強の神の恩恵を授けに来ました それで1週間寮で勉強してもらい Sクラスもしくは特Sクラスの担任になれるようになってもらいます 多少過酷ですが それをクリアした人には冒険者の神の恩恵と戦神の神の恩恵も授けます そうすればSクラスの担任も特Sクラスの担任も問題ありません 頑張って下さい 何か質問がある人はいますか?」
「はい 私はただ呼ばれただけなので 何の準備もしていないのですが大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ 全ての着替えや 食事などはこちらで用意します まぁ 職員用の物なので種類はありませんが ちゃんと歯ブラシなども用意します その辺は気にしないで下さい そしてこの難関をクリアしたら 普通では手に入らない恩恵が手に入ります まぁ それが今回の報酬だと思って頑張って下さい クリアできないことは無いと思いますが もしクリアできない場合でも日給計算して報酬は出します でもクリアした方が お金では手に入らない報酬が自分の物になりますから頑張って下さい」
「家に連絡を入れる時間とかは無いですか?」
「無いです 基本冒険者育成学校ですので どんな事故が起きるかわかりません だから家に連絡を入れる時間はありません もし生徒に何かあって 探さなければいけないときなどに 家に連絡を入れに帰ります なんてことはできませんから もしどうしても連絡を入れなければ家族が心配すると言うなら 今回は手紙を書いて下さい そして今後は携帯を買って下さい 携帯で連絡できない程ひっ迫した状況だとしたら 命にかかわっています その時に家に連絡を・・・・ とかは考える暇がないはずです」
「そうですね 分かりました 腹をくくります 連絡はしなくて大丈夫です あっ他に連絡をする人がいるのでしたら その方はどうぞ 女性もいるので家族が心配するでしょうし」
「そうですね 女性の方は手紙だけでも出しておきますか?」
「因みに決断は即決でお願いします 熟考する時間はありません 冒険者は常に選択を迫られます その時にあれやこれやと考える時間は基本ありません すぐに決めて下さい」
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「家に連絡を入れる人はいないと思って良いですか? それでは今から皆さんに勉強の神の恩恵を授けます『勉強の神スターディ様の神の御業』 これで皆さんは勉強がしたくなってくるはずです もし勉強がしたくないよという方がいたら 教えて下さい その方にはもっと強く恩恵を授けます いませんか?いませんね? では寮に行って勉強を始めて下さいSクラス 特Sクラスの教材は全て揃えてあります あと 部屋に鍵はかけないで下さい スターディ様の恩恵を強く受けた方は 食事もとらなくなります そうなると困るので確認の為に私が中に入ります その為に鍵はかけないで下さい良いですね!!」
「分かりましたから 早く寮に行きましょう 早く勉強がしたいです」
「そうだそうだ 早く勉強がしたいぞ」
「分かりました では『転移』ここが男子寮です 男子はここからここまでの部屋を使って下さい 勉強のし過ぎで部屋を間違えないようにしてくださいね 男子は勉強を開始してください夕食は部屋で軽く取れる食事を持ってきます 頑張って下さい では『転移』女子寮はここです 部屋はここからここまでですあとはさっきの男子寮と同じです 夕食は簡単に取れるものを持ってきます では頑張って下さいね」
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「校長先生 今教師候補の方達を部屋に案内し みんな勉強の神の恩恵をちゃんと授かりました」
「そうですか それは良かった では これから暫くは寮で観察が続くようですね?」
「そうですね 授業は何時間か出れそうですが クエストに同行はできませんね」
「そうですね リーサさんがいない間に何かあると問題なので 通常の授業のみにしておきましょう」
「いや もうSクラスだけでクエストに出ても大丈夫ですよ 私が保証します 勿論いつも通りリフレッド先生には付いて行ってもらいますが」
「そうですか リーサさんがそういうのでしたら 大丈夫なんでしょう では普通にクエストに参加してもらいますよ?」
「はい 問題ありません」
「通常の怪我であれば ローナが直せますし 大抵の敵もみんなでどうとでもなります」
「問題は移動手段位ですね 96式装輪装甲車と10式戦車は皆が持っていますが それ以外のヘリなどは無いので近場でのクエストですね 近場と言っても馬車よりは遠くに行けますが」
「そうですね あまり遠くに行かれると 心配ですから それくらいで良いと思いますよ」
「それもそうですね 何なら大型ヘリコプターチヌークでも渡そうかと思ったんですが いらないですかね」
「でも 念のため渡しておいた方が 良いかも知れませんね」
「でも 今龍種が1人もいないんですよね・・・・ 空飛ぶ乗り物はやめておきましょうか」
「ママ 私がみんなについて行こうか?」
「龍聖の気持ちは嬉しいけど龍聖のご飯が食べれなくなっちゃうでしょ?」
「そっかぁ でもママの魔力を入れたお弁当を持たしてくれたら みんなと一緒に行けるよ?」
「そう? ママの代わりにみんなと一緒に行ってくれる? それならミニ収納ボックスにご飯いっぱい用意してあげる」
「やったぁ ママのご飯いっぱい食べちゃお」
「毎日決まった量を食べなさいよ 何かあった時用に量は多く持たせるけどね」
「はぁい」
「じゃぁ チヌークをリフレッド先生と ローナとシフォンさんに持たせておきます」
そしてその日の夜は夕食を持って行って みんながちゃんと食べるのを確認し 光魔法の改変で強制的に眠らせて風魔法でベッドまで運ぶそれを30人以上やってようやく家に変えれたのは日付が変わる頃だった