レモット様の恩恵
物質転送装置の設置でリーサが忘れていた 納税と経費の計上の事を自分達で決めて ギルドに通達した3人にボーナスとして1人金貨10枚を渡した そして今後も宜しくと伝え 学校に向かうと校長室に行ったリーサ 今回の休みの感謝を伝えに行ったのだ そうしたらなんとフィギュアケースの袋が取れて 校長先生に神様達が見られてしまった まぁ今更かパパンやママン ローナも知ってるし 龍聖の事も知ってる校長先生に魔王を封印していた神様がばれても仕方ない それに長いものに巻かれるタイプの校長が 大公の私の話を無視するとしたら余程の事だ そんなわけで校長先生には神様達の事は内緒にしてもらった
そしてレモット様の恩恵の犠牲者だが 今日は普通に出勤してきていた 良く寝たらすっきりしたと言っていた アヤメさんは護衛の日を変わってもらったらしく 今日はいなかった さらにレモット様の恩恵だが学校の前が大変な事に成っていた 近隣の村や町から途中入学希望者が列をなしていた 校長先生は昔はもっと学生がいたから教室に余裕はありますが 何日かに分けて試験をする必要がありますねと言っていた
そんな事を言っていたら次の日にはもっと入学希望者が集まるのだが それはまだ先の話だ
そしてフィギュアケースには光学迷彩をかける事にした 袋だと神様達も外の様子が見えないし可哀そうだとは思っていた そして今回の事件だ光学迷彩なら袋が外れる心配もない 神様達も外の様子が見れるこれでひとまず安心だ 何で今までやらなかったんだろう? 単純に気づかなかっただけか・・・・
「校長先生 レモット様に言ってもう少し恩恵を下げてもらいますか?」
「いや 大丈夫ですよ 試験でどうしても受からない人が出て来るので ここにいる入学希望者の9割は入学できないと思いますから やはり素質が無いと命に係わりますからね」
「そうですね 素質が無い人に教えても危ないだけですもんね 勉強したいって気持ちがあるのにかわいそうな気もしますけど・・・・ こればっかりはしょうがないですね」
「それでは 今日から早速試験を始めますので リーサさんも試験官として参加してくださいね」
「え? 私試験官なんてやった事無いですけど」
「大丈夫ですよ 試験会場は不死の魔法がかかってますから どうせ見ているだけです よほど酷い不正でも働かない限りはその人の素質ですから」
「はぁ・・・ そんなものですか?」
「それとリフレッド先生もいますから 安心してください 一緒に不正を見つければいいだけです」
「それにしても入学してきたらどのクラスに割り振るんですか?」
「それはクラスを増やすことで対応します じゃないと勉強に差が出来てしまいますからね」
「って事は 先生の数は増えないままクラス数だけが増えるって事ですか?」
「最初のうちはそうなりますね 先生の募集もかけますが そちらも試験がありますからね」
「しばらくは大変そうですね・・・・ 」
「そうですね でも お給料は良くなりますよ」
「私お金には困っていないので 余り嬉しくないのですが・・・・」
「そうでしたね でも これも教師の仕事です頑張って下さい」
「はい 分かりました ではリフレッド先生の所に行ってきます」
「いってらっしゃい よく見て良い冒険者に成りそうな子を探してくださいね」
「はい 行ってきます」
そうしてリフレッド先生の元へ行くとリフレッド先生も緊張していた
「リフレッド先生おはようございます」
「あぁ リーサさんおはようございます」
「大丈夫ですか? 見た感じかなり緊張しているように見えますが」
「大丈夫じゃないです 試験官なんて初めてやりますから 緊張しまくってます」
「私も何ですけど大丈夫ですかね?」
「他の先生と組ませてもらった方が良いですかね?」
「それは他の先生に迷惑がかかるので 何とか二人で頑張りましょう・・・・」
「そうですね 不正と言っても自分は戦わないで 仲間に戦わせて 自分が勝ち残ろうとするくらいですからね」
「前にそれに似た事をした奴を知っていますがね・・・」
「その子はどうなったんですか?」
「最終的に 貴族だった親のコネを使ってBクラスに成りましたが 私がその貴族の屋敷事潰しましたけどね」
「何があったら そんな事に成るんですか?」
「そいつが親の名前を使って Aクラスの人達を煽って Sクラスに喧嘩を売ってきたんですよ まぁ勝てる訳が無いんですけどね」
「それで どうなったんですか?」
「Aクラスはローナにボッコボコにされて Bクラスの確かリューリィ・クマイエスとか言う奴でしたね」
「あぁ思い出しました 私が教師になってすぐの頃の事件ですね 今名前を聞いて思い出しましたよ 確かローナさんがAクラスの生徒と担任の骨をバキバキに外して最後は首の骨を折って死亡判定にした奴ですよね っで そのクマイエスとか言う奴もリーサさんに『獄炎』で燃やされたんですよね? 」
「そうですそうです 思い出してもらえましたか あんな感じにすぐに試合が終わると楽なんですけどね」
「そうですねぇ でも 入学希望者が多いので 何試合見る事に成るかわかりませんしね・・・」
「そうなんですよねぇ 他の先生と分けて試合を見ても最低3試合は見ないといけませんしね その上今回は正式な入学手順を踏んでいないので 試合に勝ち残った人が入学ではなく 冒険者に成れる素質のある人だけを見つけなければいけませんし さらにそれが明日以降も続くかと思うと気が重いですね」
「でもやるしかありません 冒険者は常に人手不足ですから」
「ふぅ 頑張りますか リフレッド先生」
「そうですねぇリーサさん 行きましょう」
「えぇ 行きましょうリフレッド先生」
そして試験会場に来た2人 試験会場は先生たちが急遽試験官になった為 授業が無くなり自習になったはずの生徒達が観客席にいた まったく何をしているのやら まぁそれでも先生たちが何も言わないのは 見る事も経験だと思っているからだろう
さあ試験の始まりだ私とリフレッド先生はBステージの試験官だ 試験を始める直前に気づいたのだが ゴーレムに剣術魔法付与を弱くかけて それを倒せた生徒を合格にしていくのはどうだろう そうすれば素質があるけど 更に強い素質を持った人と当たって 負けてしまうと言う事が無い 一度先生たちを集めて相談する 先生たちもそれは良い案だと賛成してくれた そんなわけでゴブリン並みの強さを持った ゴーレムを大量に作り出していく そして各ステージの上に上がらせる そして声を拡声魔法で大きくして受験者に告げる
「皆さん良く集まりました 皆さんはこれからゴブリンと同じ強さを持ったゴーレムと戦ってもらいます これを倒せれば合格 倒せなければ不合格です そしてもし殺されてしまってもこのステージには不死の魔法がかかっています 死亡判定が出たら医務室に飛ばされます 死亡判定が出てしまった人はそこで休んでいてください そして怪我をしてしまった人は神の巫女である私が治療しましょう なので思う存分に戦って下さい」
リフレッド先生が私も喋りたいから 拡声魔法を自分にもかけてくれと言ってきたので リフレッド先生にも拡声魔法をかける
「皆 今聞いた通りだこのステージでは死ぬことが無い かと言って無謀な戦いをするものは受験資格を剥奪する 冒険者は時に命をかけなければならないが 基本的には自分のレベルにあったクエストを受注する それが出来ない者はたとえ入学できたとしてもすぐに脱落していくからだ だからゴブリンと戦えないと思った者は 今すぐに荷物をまとめて帰るように 時には引くことも勇気だ そして別の人生を歩んでくれ 先程の先生とは真逆の事を言って悪いが 命を大事にできない者は何も守れないからだ いいな!?記念受験のような真似はするな 一度死を経験すると それを乗り越えるのは並大抵のことじゃないからな!! さあ! 試験開始だ帰る者は荷物をまとめ 挑戦するものはステージに上がれ!! 笛が鳴ったら試合開始だ」
リフレッド先生の発言で 2割程度の者が荷物をまとめている 自分の力量が分かっているのだろう それ以外の8割の受験者が各ステージに上がる そして ある程度準備ができたところで大きく笛が鳴る それを合図に皆が一斉に声をあげながら戦いを始める そして 死亡判定で医務室に飛ばされる者 怪我をおって戦えなくなるもの等が出て来る 怪我をして動けない者には ゴーレムは戦いを仕掛けないのでその時点で不合格だ
風魔法で一か所にまとめて『神の御業』をかけていく 校長先生の言った通り1割に満たない合格者しか出なかった 観客席からは合格者に拍手が送られているが 君らもレベルはそんなに変わらないからねっと思うリーサだった
そんな試合を4試合行ったところで今日の試験は終わる明日もこの試験はあるが 校長先生に今日の出来事を話すと明日からは リーサさんとリフレッドさんで試験を見れますね 他の先生には授業に戻ってもらいましょうと言われた・・・・ まぁ筆記試験もあるし魔法の特性も試さないと入学はできない 明日 明後日と行われる試験で1割残ればいい方なんだろう
そして 途中入学希望者は1週間途切れることなく来た そして同じ試験をしていく 最終的に残ったのは校長先生の予想のチョット上の1.5割だった 筆記試験や魔法の特性試験もクリアしたのだから レモット様の恩恵の方が校長先生の予想を上回った形だ
それでも150人近くの途中入学だおそらく来年の受験者も数が増えるだろうから 大変だ それに途中入学の150人は ゴブリンを単独で倒せる能力を持った者達だ それだけでAクラス位の実力はある 今年はAクラスが かなり増える事に成る 先生の補充も早くしてもらわないと回りきらない 過去教師だった人たちにも声をかけてもらって 復帰してもらったりしている それと冒険者ギルドから新人の教師を雇って何とか回っている感じだ これから大丈夫なんだろうか? やはりレモット様に恩恵を下げてもらった方が良い気がするのだが・・・・ そんな感じで1週間は過ぎて行った