アイアンドラゴン
ツインヘッドスネークが増えすぎたので討伐依頼が来ていた だが強力な毒で倒せばその素材も買い取ってくれるらしい 強力な毒! まさに私達のためにあるような依頼ではないか しかも倒せば金貨1枚(10万円)で買い取ってくれるらしい 前日に倒したポイズンスネークの買取が普通銅貨3枚(3000円)なのを考えると破格の金額だ これは綺麗に倒して素材を買い取ってもらわないと駄目だろうと言う事で半分は買い取ってもらう事にした それでも昼食を取る時間までに1000匹を超える ツインヘッドスネークの死骸を袋に入れて無限収納にしまった そして昼休憩も終わり 狩りの続きをするのであった
またサーチをかけ人がいないのを確認し 毒の霧が外に漏れないようにツインヘッドスネークのいない所は 風魔法で毒を上空に逃がす そして そのままみんなで横一列に並んで 体内で生成した毒を呼気に混ぜて飛ばしていく 2時間ほど歩いただろうか? やっと谷の入り口が見えてきた これまでに2000匹を超えるツインヘッドスネークの死骸を無限収納にしまっている 谷に来てこれからが本番だと思っていると谷から大量にツインヘッドスネークが飛び出してくる これは良いとドンドン倒してしまってを繰り返していく するとサーチに大きな影が大量に見えてきた 嫌な予感だ・・・・
「みんな気を付けてこの先に何かいる!!」
「何がいるんだい?」
「おそらくドラゴン みんなの籠頂戴無限収納にしまう!」
「リーサ敵対してくると思う?」
「どうかな? 今回は空の乗り物にも乗っていないし 前にねアリーナが空の乗り物に乗る者には 攻撃しちゃ駄目だって龍種全体に言ってくれたんだけど ここじゃ狭くて出せないし リュードさんも自分の縄張りの確認に行って帰ってきてないし 龍聖だけが頼りだけど 龍聖会話できそう?」
「ママ 私やってみるよ」
奥からツインヘッドスネークを咥えながらドラゴンが現われる そして龍聖が何か話している
「ママ 一応人間の姿になって話してくれるって」
「矮小な存在である人間になって話してやることに感謝しろ」
「ありがとうございます」
「で貴様らは何をしている?」
「ここにいるツインヘッドスネークが 人間には危険な存在なので駆除しておりました」
「何だと? 駆除していただと?こいつらはワシらの餌じゃ お前ら人間が手出しして良いようなものではない 今すぐ立ち去れ」
「では ここにいるツインヘッドスネークを全て食べて下さるのですね?」
「そんな事するわけなかろう 全滅させたら数が増えないではないか」
「数が増えると人間は困るのです 他の狩場は無いのですか?」
「あるぞ! だがここも重要な狩場だ こいつらは繁殖能力に長けていてな 少し残しておけばすぐに増えるだからワシらの重要な狩場なのだ」
「ですがここは人里に近すぎます ここで猛毒のツインヘッドスネークを繁殖させるわけにはいかないのです」
「だからどうした 先ほども申したであろう 『矮小な存在である人間』と そのような存在がどうなろうと知った事では無いわ!!」
「話し合いでは無理ですか?」
「話し合いが無理ならどうする その小さいからだと人数で 100を超える我らと戦うとでも言うのか?」
「いかにも 私は神の巫女です 神様から様々な恩恵を授かっています あなた達が立ち去ってくれないのであれば 戦うよりほかに手はありません」
「何が神の巫女だと ただの人間の少女ではないか それが我らに勝てるものか!!」
「分かりました どうあっても 引いて下さらないのですね?」
「あぁ 引かん それどころかお前達を食ろうてやろう」
「それでは仕方ありません 首をへし折りますよ?」
「やれるものなら やってみろ!!」
「あれ?なんで? 何で効かないの?」
「ははははははははははははは 我らは敵の殺気を感じ取ると 肌と鱗を硬質化させて攻撃を防ぐのだ しかもそれだけではないぞ 硬質化させても身動きは何ら変わらんのだ どうした 攻撃するのではないのか 神の巫女を騙る愚か者よ」
「そうですか『肌が』硬くなるんですね? 失礼ですが種族のお名前は?」
「どうした急にしおらしくなりおって 怖くなって命乞いでもするつもりか?我らアイアンドラゴンに?」
「アイアンドラゴン 鉄の龍ですか 硬いわけです」
「はははははは 今さながら 我らの強さを知ったか?」
「ありがとうございます ペラペラと喋っていただいて」
ドサドサドサっと 人間に変身したアイアンドラゴンの後ろで 飛んでいた仲間たちが落ちてくる
「何をした?」
「別に・・・・脳の中を焼き切っただけですよ」
「なっ どういうことだ?」
「以前 ドラゴンの頭の中を食い破る 寄生虫をやっつけるときに使った技ですよ」
「何を!!?」
「あなたの脳はじっくり焼いてあげますね」
「うううううううううううああああああああああああぁぁ・・・・・・」
人間に変身していた アイアンドラゴンも死んだらドラゴンの姿に戻っていった だが他のドラゴンより二回りほど大きかった きっと群れの長だったのだろう でも彼は選択を間違えたのだ 圧倒的な数と強さに加えて自信のあった硬さにそして長という立場に酔っていたのだろう リーサが神の巫女と言った時に少しでも疑問を持てばよかったのだ そうすれば群れを守る事も もしかしたら暴風龍のリュードさんのような 関係になっていたかもしれない
まぁそれは今更どうでもいい事だ もう脅威は去った っというか強制的に排除した であればすることは決まっている 100を超えるアイアンドラゴンを無限収納にしまいさっきの続きを始めるだけだ だが飛んでいるドラゴンを倒したので あちこちに散らばっている いちいち歩いてしまっていくのも大変だから イメージ魔法『収集』を使って集めた そして数を数えながら無限収納にしまっていく
その間皆にはツインヘッドスネークを倒してもらう 幸い今は谷の中だから 横には逃げ場がなかった ツインヘッドスネークは逃げ場を失ったままその場にいたのである それはリーサのサーチでも確認済みだ だからみんなにはこのまま谷を奥に進んでもらう そして袋を渡しておき籠が満タンになったら袋に移して奥に移動してもらう それをドラゴンをしまい終えた リーサが無限収納にしまっていく 結局ツインヘッドスネークは 4000匹を超え アイアンドラゴンは116匹いた
もう辺りにツインヘッドスネークはいなくなった 卵もない ここでのツインヘッドスネークは全滅した だがアイアンドラゴンの長が他にも狩場があると言っていた それが人里の近くで無いことを祈るだけだ そろそろ冒険者ギルドに戻らねば ツインヘッドスネークの数を数えるだけで大変だ
「みんな転移で戻りますよ そばによって下さい『転移』着きました お姉さん依頼達成の証明が欲しいんですが それとアイアンドラゴンも1匹倒したので それもギルドカードにお願いします」
「はい 分かりました ではこちらに」
と言って 裏に連れて行かれた いつもの場所だ 表でドラゴンを出すわけにはいかないからだ 討伐料を狙ってくる奴もいるかもしれない ギルド側の配慮だ
「まずはドラゴンを出しますね」
無限収納からアイアンドラゴンを出す
「確かにアイアンドラゴンですね 買取しますか?」
「買取できるほど安いんですか?」
「違いますよ 使う部分が多いので人気があるんですよ」
「じゃぁ買取価格も高いんですか?」
「そうですね 倒すのも大変ですから結構高いですよ白金貨10枚です」
「そんなものなんですね じゃぁこっちを買い取って下さいツインヘッドスネーク2000匹です」
「2・・・2000ですか?どこにこんなに?」
「依頼された谷ですよ?」
「チョット人を連れてきます」
そして買取カウンターに1人だけ残して全員で来た そして数を数える事1時間
「確かに2000匹確認しました 柄も凄く良く出ているので 1匹金貨1枚と銀貨5枚で買い取ります 良いですか?」
「良いですよ じゃぁ白金貨300枚ですね」
「はい そうですね 今数えてきます」
「えっ? このギルドではコインカウンターを使ってないんですか?」
「何ですかそれ?」
「私の発明品です お金を入れると自動的に何枚あるか数えてくれる魔道具です 鉄貨から白金貨まで対応していますよ 1台あげますから試してください 他は商人ギルドに卸してますからそっちで買って下さい」
「チョット試してきます」
「凄い物開発してるんですね」
「私がお金を数えるのが面倒だったので作っただけですよ」
「その発想が凄いですね お金を数えるのが面倒とか考えたことがありませんでした」
「そうですかね~ 毎日お金を数えてたら面倒じゃないですか?」
「大公閣下のように 依頼をクリアしていく人達は ほとんどいませんから 毎日数える金額は少ないですよ」
「ほとんどと言う事は少しは居るんだ?」
「そうですね 大パーティを組んで 大きな依頼をクリアする人たちもいますしね」
「そうなんだぁ 大パーティってどれくらい?」
「50人くらいでドラゴンを倒したりしています でも1匹でいるドラゴンはそんなにいないので 大変みたいです」
「お待たせしました 先程頂いたコインカウンター?でしたっけ? あれ便利ですね 何回やっても同じ金額だし他のコインを入れたらそれもちゃんと計算に入ってるし便利ですね」
「でしょう? 次は商人ギルドで買ってね」
「はい 分かりましたギルマスに申請上げておきます それと白金貨300枚です依頼料の金貨10枚です それとギルドカードをお返しします」
「はいはい じゃぁ皆で分けよう一人白金貨30枚と金貨1枚ね ギルドカードは名前を確認してね」
「おお チョットお金持ちになった気分だね」
「いきなりお金持ちになった白金貨30枚は大きいね」
「さてさて ギルドを出ましょうか?」
「そうだなぁ 明日もあるしね」
「じゃぁ受付の方達また明日」
「はい お疲れさまでした」
ギルドを出て外で話をする
「私アイアンドラゴンの事を アリーナに聞きに行ってくるから 今日はここでサヨナラです」
「はぁい じゃぁまた明日ね~」
「みんなも気を付けてね~『転移』アリーナいるー?」
「リーサ!!良い所に来てくれた 今呼びに行こうと思ってたんだ!!」
「えっ?何々?」
「良いから私の記憶を覗いて転移してくれ 急ぐんだ!!」
そしてなんだかわからないけどアリーナの記憶を覗いて転移するのだった