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ツインヘッドスネーク

Bランククエストが塩漬けにされて6ヵ月と11日 その間にポイズンスネークは山のように増え 死者も増えていった だが 冒険者ギルドは何もせず塩漬けにしたままだった それをクマの獣人ハリーがクエストを受けてきて発覚した 


リーサは塩漬け依頼を無くすように指示を出し 定期的に塩漬け依頼は冒険者に依頼を出して終わらせるように指示した 王都の冒険者ギルドはそれでいいが他のギルドはどうなっているのだろう かと言って他国の冒険者ギルドにまで指示は出せない 後は便利な道具を使わせないってことで脅すぐらいだ物質転送装置はできている それを冒険者ギルドには置かないぞって事で言う事を聞かせるか 神様の夢のお告げくらいだ


それも便利性を分かっていない 馬鹿なギルマスがいたら意味を成さない 王都の領地内だったらギルドも言う事を聞くが それ以外はどうだろう 今までの道具で多少は私の道具の便利さが 分かっているはずだが この前の電話型中継器を使わせなかった馬鹿なギルマスもいる事だし 新学期が始まった頃に世界を回るとしてどうなる事やら・・・・ まぁまだまだ先だ その時考えよう


それより まだ週が始まって二日目だ 冒険者ギルドのクエストを受けなければならない しかも昨日の依頼料も貰っていない 朝冒険者ギルドに行くとギルド職員全員が目の下にクマを作っていた どうしたかは聞くまでもないだろう 徹夜したのだ そうしないと終わらないような仕事量だったのだから 眠そうなのは私が仕事を出したのだから大目に見てあげよう さて どこまで仕事が終わったかな?


「おはようございます モルドギルド長 仕事は何処迄終わりましたか?」


「おはようございます大公閣下 遺骨と遺品は信頼のおける冒険者に託しました そして今大公閣下のクエストの計算が終わったところです お時間を取らせてしまって申し訳ありませんでした お詫びと今回のクエスト達成のお礼に依頼料に色を付けさせてもらいました」


「ほう そんな余裕がありましたか? てっきり亡くなってしまった方の遺族にお詫びでも付けてるかと思ってましたよ」


「そこまでは気が回らず申し訳ありません 次回このようなことがあった時にはそのようにします」


「何を言ってるんですか 次回はありませんよ? 次回このような事をしたら ギルマスの職は辞してもらいますよ?」 


「そうですよね・・・」


「大丈夫ですよ 仲間が助けてくれますよ 仕事とはそういうものでしょう?」


「そうだと良いのですが 今回の件でかなり信頼を失いましたからね」


「それでも 助けてくれますよ その分働かないといけませんけどね」


「そうですね 一度心を入れ替えて一から始めます」


「そうしてください それが亡くなった方の供養にもなるはずです」


「亡くなった方達が神の御許に行けてると良いんですが」


「大丈夫ですよ 私も昨日神に祈りを捧げましたから」


「ありがとうございます」


「これも神の巫女の務めですから」


「さて 依頼料ですが 金貨400枚です ポイズンスネークを1匹銅貨3枚と鉄貨3枚で買取しますそしてポイズンスネークが1103匹いましたのでそれに依頼料にも色を付けて金貨400枚です」


「分かりました 確かにいただきます ですが他の人達にあんな依頼は受けさせないで下さいね 受けるのであれば 大規模パーティで倒してください」


「はい 依頼の難易度も変えましたので 大丈夫だと思います」


「そうなんですか? そんなにすぐに対応できると思っていなかったんですが」


「それはもう 急ぎましたから まぁ私ではなく 優秀な職員達がですが 私はひたすら蛇を数えていましたからね・・・・」


「まぁ 優秀な職員が多いのは良い事じゃないですか ですがもう少し気配りがあれば 昨日の様な事は起きなかったんですがね」


「それはかさねがさね申し訳ありません」


「まぁ良いでしょう 遺骨も信頼のおける冒険者に託したとの事ですし」


「さて 私達もクエストに行かねばなりません 今日の依頼を見に行っても良いですか?」


「はい 勿論です 頑張って下さい」


そして今日は皆で依頼を探すことにした 昨日の様な事が無いようにと 塩漬け依頼を探したが全部なくなっていた あったのは新しい依頼ばかりだ 流石にギルド職員も昨日のはこたえたようだ


「ベルウッドさん どんな依頼が良いですか?」


「私はどんな依頼でも構わないわ でもここに昨日と似たような依頼があるわ」


「本当ね姉さん 昨日と似たような依頼だけど 今日のは頭が二つあるみたいよ」


「本当ですね ツインヘッドスネーク 猛毒を持つって書いてますね」


「今回は谷に大量に発生したみたいだね 受付でどうすればいいか聞いてくるかね」


「あっ 私が行きますよ」


「昨日の今日でリーサが行ったら 受付が緊張しちまうよ 良いからここで待ってな」


「はい では宜しくお願いします」


「おはよう このツインヘッドスネークの依頼を受けたいんだけど 素材とか取り方とかはどうなってる?」


「おはようございます ツインヘッドスネークは皮も綺麗で 硬いので素材として重宝されますが 猛毒を持っているため捕まえるのが大変です しかも皮を傷つけないために さらに強い毒を使って殺すという大変面倒な依頼です 討伐依頼だけなら頭を斬って頭と体を全部持ってきて貰えばかまいませんが 素材として買取を希望するなら まずツインヘッドスネークの皮製品を扱う店で毒を買ってから依頼に行かないといけません 強い毒でスグに殺さないと皮の色が変わってしまうので 専門店で特殊な毒を買う必要があります 因みに皆さんAランクですので買取金額は1匹金貨1枚です」


「昨日のポイズンスネークとはずいぶん違うんだな」


「素材の価値が段違いですから 倒しに行って見てみれば その違いが判りますよ」


「わかった ありがとよ」


「専門店の場所は聞かなくていいのですか?」


「大丈夫 毒は自前で強力なのを持ってるからな ポイズンドラゴンの毒なら効くだろ?」


「えっ? はい勿論効きます最高級の毒ですから でも勿体ないです その毒を売った方がお金になりますのに」


「そうなのかい? ちなみにいくらだい?」


「小瓶に10滴ほど入ったもので 白金貨1枚です(100万円)勿体ないですよ?」


「それは面白い 今度買い取ってもらうよ 本物かどうかはどうやって調べるんだい?」


「ツインヘッドスネークの皮に1滴たらして皮の色が綺麗になったら本物です」


「分かった 今度持ってくるから金を用意しときな」


「はい お待ちしております」


「またせたな 聞いてきたよ ツインヘッドスネークより強い毒で殺すと皮を素材で買い取ってくれるらしい しかも早く倒せば倒すほど皮の色が綺麗に出るらしいから うちらにはとっておきの依頼だね あとポイズンドラゴンの毒は 小瓶に10滴くらいで白金貨1枚で買い取ってくれるそうだよ 私らの血を数滴たらして持ってくるだけで金になるみたいだね」


「その血の確認方法はどうやるんですか?」


「おっとそうだった これから行くツインヘッドスネークの皮に1滴たらして皮がより綺麗になれば本物だそうだよ」


「じゃぁ今回の依頼は人が困ってるというより 素材が欲しいという感じですかね?」


「そんな感じだったね あっ あと皮が硬いから素材になるとも言ってたね」


「じゃぁ 素材は今後の為にも半分は取っておきたいですね」


「リーサはそんなに素材を集めてどうするんだい?」


「これからの冒険で 皆さんの装備を作ったりするのに取ってます」


「そうだったのかい 流石鍛冶師だな」


「そりゃそうですよ 鍛冶師もSランクですからね」


「へえへえ そりゃ御見それしました」


「さて それじゃぁ行きましょうか? 谷だと10式戦車が良いですねヘリだと谷幅が狭くて降りられないと困りますし 96式装輪装甲車だと谷のような場所だと 登れないような場所もありそうですし その点戦車なら少しの段差なら 問題なく走れますしね 今日は10式戦車を連なって走行していきますか」


「そうだね それも壮観だろうね 何台で行く?」


「皆さんの練習がてら1人1台で行きましょう」


「おお いいね 場所もそんなに離れているわけでもないし 昼までには着きそうだね」


「馬車だとそんな訳に行きませんけどね 馬車の速度が時速11キロ~14キロですけど 10式戦車は70キロ出ますしね しかも燃料は魔力石ですからね」


そして10式戦車が11台連なって走るのだった 最後尾はリフレッド先生だ 先生も操縦が上手くなっている 流石スターディ様の恩恵誰でも記憶力が良くなるのは伊達じゃない


サーチをかけながら操縦していくと 谷の大分手前から サーチに引っかかるものがある サイズ的には蛇なんだが ツインヘッドスネークかどうかまでは分からない しょうがないのでイメージ魔法『鷹の目』を使ってみてみたらツインヘッドスネークだった 


みんなにここで10式戦車を降りるように言ってここからは歩きで行く事にする 皆横一列に並びポイズンドラゴンの恩恵で 体内に毒を生成し呼気から出していく 皆同じ量の鱗を飲んでいるので仲間が毒に侵される事は無い 


そして昨日使った背負い籠を使って速攻で死んだツインヘッドスネークを背負い籠に入れていく 一応サーチをかけて人がいないのは確認している まぁいたとしても大丈夫なように風魔法でツインヘッドスネークがいない所は 風魔法を使い風を巻き上げて 毒のキリを上空に逃がしている 


それにしても谷まで随分と遠いところまで生息域を伸ばしている と言うかもしかしたら谷は飽和状態で ここまで生息域を伸ばさないと駄目だったのか? まぁこちらとしては 素材がいっぱい手に入って嬉しい限りですが それにしてもこれは確かに素材になるな 光の加減で皮が七色に輝くし硬さも十分だ 何だったら普通の剣じゃ歯が立たないかもしれない それだけ硬いのだ 


倒し始めて1時間ほど 谷まではまだ距離があるが 一度昼食を取る事にする みんなで話してみた結果どうせ毒は効かないんだから ツインヘッドスネークを食べてみようと言う話になった ご飯を炊き ツインヘッドスネークをイメージ魔法で綺麗に身だけ抜き取ってみた 身だけ外で骨は皮の中にあると言う不思議な状況だ そしてその身をかば焼きにしてご飯の上にのせてみる 何ともいい香りだ みんな待ちきれないのか周りをうろうろし始めた みんなの分が準備できたところで みんなに配って行くそうしたら皆 何のためらいもなく食べ始める 一応猛毒があるらしいのだが・・・・ まぁポイズンドラゴンの恩恵のおかげでマヒしているのだろう 普通なら恩恵があったとしても一瞬くらいは躊躇いそうなものだが 皆その躊躇いは一切なかった まぁ私も躊躇いなく食べたのだが・・・ 結論から言うと非常に美味しかった 身もフワフワとしていて 箸を入れると身がすぐにほぐれるのだ これはかなりの量を取って今後の食材にもしようと言う話になった 10式戦車を降りてからみんなの籠を5回交換した おそらく1000匹は超えたであろう まだこの先にうじゃうじゃいるのかと思うとワクワクするが いったんここで休憩だ

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