Bランククエスト・・・
皆さんおはよう こんにちは こんばんは おなかすいた・・・ぽんです 今回は久しぶりに原稿用紙15枚以上書きました 10枚に収まらなかったんです チョット長いですけど飽きないで読んで下さいそれではドワーフに転生しちゃった・・・をこれからも宜しくお願いします
Sクラスの授業もスターディ様の記憶のおかげで 問題なく進んでいき 古い教科書を効率よく終わらせて 新しくイメージ魔法で作った教科書を使って勉強していく 理解できない生徒もいるので スターディ様の恩恵をSクラス全員にかけていく 勿論効果を薄めてだが これだけでも飛躍的に覚えが良くなった
これで特Sクラスの進級は決まったようなものだ Sクラスだけ贔屓しているように見えるだろうが 元々やる気と成績が良かったからSクラスにおこなっているのであって その生徒の実力を伸ばしているだけである
覚えが良くなれば実技も良くなってくるもので 妖精魔法の実力もどんどん上がっている これだけでも冒険者として活躍する幅が広がる 何せ戦士でも妖精魔法が凄く使えるようになっているのだから 普通の魔法使いはもの凄い事に成っている 勿論私達のファイヤートルネードなどには及びもしないのだが それでも普通の冒険者としてはこれから次第だが かなりの所まで上がっていけるだろう
ナックルさんは 実績をドンドン積み重ねていき スペシャルナイトの副団長になったそうだ 鱗を有効活用しているようだ しかし 現場には必ず一人で行く事にしているらしく その辺は下の者を育ててくれと 団長から言われて困っているようだ
土日は龍聖の遊び相手のいる ホーリードラゴンの里にも行った 久しぶりだったからか みんな仲良く遊んでいた 龍聖も楽しそうだった でも楽しい時間はあっという間に過ぎるもので もうみんなで別れを惜しんでいた
「龍聖また来いよ 今度は戦いの練習もしような」
「うん一緒に教えてね」
「また一緒に食事しようね」
「もう ママの食事大好きなんだから」
「龍聖お姉ちゃん今度も一緒に遊んでね」
「わかったわ 良い子にしてるのよ」
「龍聖 そろそろ行くよ」
「ごめんママ 今行く じゃぁねみんな」
「「「「またね~」」」」
そしてまた 冒険者ギルドに行く週だ今回のくじ引きは クマの獣人のハリーさんだ
「ハリーさん頑張れー」
「良いの引いて来てー」
「ハリー良いの引いてこないとしょうちしないよ」
みんな普段 影の薄いハリーさんへの応援と シフォンさんは彼氏だからかあたりが強い でも練習になる良いのを引いて来てほしいのは確かだ そしてハリーさんが持ってきたクエストは ポイズンスネークの退治というものだった
「ハリーでかした良いの持ってきたね でもこれBランクじゃないか」
「折角私達Aランク何だから Aランクのを持ってきなよ」
「でも これ塩漬け依頼で死人も出てるから困っている人がいると思って」
「だからってあんた・・・・」
「シフォンさんチョットはハリーさんに優しくしてあげて」
「何言ってるんだい あたしほどハリーに優しくしているのはいないよ」
「それならいいんですが なんか喋り方がきついと言いますか・・・何というか」
「カナタさん 僕は気にしてないから 良いんだよ」
「ハリーさんが良いなら 別に良いんですが・・・」
「っで 詳しくはどんな依頼なんですか?」
「ここから馬車で2日ほど行った辺りに ポイズンスネークという強力な毒を持った蛇が繁殖していて 旅人や商人が困っているという事みたいです」
「そうですか それは毒が効かない私達にとっては楽な仕事ですね ただ 噛まれるとチョット痛そうですね」
「ポイズンドラゴンとポイズンスネークじゃ サイズが違うから毒は効かなさそうね でもリーサが言ったように咬まれると痛そうね」
「その辺は大丈夫そうですよ 蛇の頭が小さいので 草履で歩いたりその付近に野営して寝ているときにテントに入ってきて指を咬まれたりして 翌朝テントをみたら死んでいたとか そんな事らしいです ですがポイズンスネークが小さいので見つけるのが大変だったりして 駆除が遅れているうちに数が増えたみたいです ですから 私達もリーサさんのサーチが無いと探せないと思います」
「え~っと 私がいなくても クエストがこなせる様になる為にやっているのよね? 私のサーチに頼っちゃ駄目じゃない?」
「でもリーサさん困っている人がいたら 助けるのが冒険者でしょ? 今回は人が死んでしまうレベルで困っているんだから 助けてあげないと駄目でしょ?」
「それはそうなんだけどね・・・しょうがない受けちゃったものは返せないし 返せばペナルティがあるんだし 行きますか! 本当にハリーさんは優しいですね」
「普通の事だよ 困っている人がいたら助けなきゃ」
「そうだよね それが冒険者だもんね」
なんか調子狂うなぁ ハリーさんは優しすぎるんだろうなぁ 私は優しくないのかな? 優しくないんだろうなぁ 目的の為に突っ走っちゃうもんなぁ もう少しハリーさんを見習おう
「そうだちょっと待っててください ポイズンスネークが素材になるか聞いてきます」
言った先から見習えてないな・・・・ ハリーさんだったらまずはポイズンスネークを倒しに行くよね・・・ 駄目だなぁ 見習えそうにないなぁ そう思いながら冒険者ギルドの受付のお姉さんの所に行く
「お姉さん さっきポイズンスネーク退治のクエストを受けたんだけど ポイズンスネークって 何か素材に成ったりします? 例えば 毒が貴重とか?生け捕りが良いとか?」
「ポイズンスネークは何も無いわね 皮の柄も悪いから加工品にも使われないし でも捕まえたらそれを持ってこないと 退治したことにならないから 殺しちゃっていいけど死体は持って帰ってきてね」
「わかりました 因みに1匹いくらですか?」
「銅貨3枚です」
日本円で3000円かぁ 前世で見たテレビ番組で 沖縄の方でハブを買い取ってもらうと 1匹3000円とか見た事があるなぁ そんな感じか?
「わかりました ありがとうございます」
「あっ そうそうポイズンスネークは頭を潰せば死ぬから 鈍器か足で踏みつぶしてね あと生きたまま持ってきちゃ駄目よ」
「はーい」
「どうだった リーサ?」
「ポイズンスネークは頭を潰せば死ぬそうです ですから何かの鈍器で叩くか 足で頭を潰してくださいとの事でした でも 足で潰す時に咬まれそうなので鈍器で潰しましょうか 痛いのは嫌ですし」
「そうだね 無駄に痛い思いをする必要はないもんね 鈍器はどうしようか?」
「今回はハリーさんも早く駆除したいみたいですし 私が用意しましょう 『錬成』 大ハンマーです持つと軽いですけど振りぬくと威力が出ます 持ってみてください」
「おお 確かに軽いですね で振りぬくとって・・・・・・ これ威力あり過ぎじゃありませんか? 地面がメコってしてますよ?メコって!! これじゃ頭つぶれすぎてなんだかわからないものになっちゃいますよ!!?」
「そうですか? じゃあ皆HP(体力)も高いという事で普通に ハンマーです威力は自分で調整してください」
「でも これ柄が短いじゃないか これなら足で踏んずけた方が早そうだぞ」
「じゃぁそうしましょう もう急いでいきましょう 折角用意したのに文句ばかり言って・・・」
「分かった悪かったって でも 今回は踏みつぶすことで良いな?」
「いいですよ~・・・・」
「いつまでも拗ねてるなよ 悪かったてば」
「ちゃんと謝ってくれるまで拗ね続けます!!」
「ごめんなさい これでいいかい?」
「良いです シフォンさんがちゃんと謝るの初めて見ました」
「なんだいそりゃ 私だって悪いと思ったらちゃんと謝るさ」
「わかりました では 誰の運転で現場に向かいますか?」
「それは 今回のくじを引いてきたハリーの運転だろ どうせ96式装輪装甲車だろ?」
「そうですね でも 今回ハリーさんは急ぎたいみたいなので ハインドDでも良いですよ」
「それもそうだね 空から見えるかわからないけど サーチは空からの方が良いんだろ?」
「まぁどっちでも大丈夫ですよ」
「ねぇ 早くいかない? 困ってる人たちもいるんだし リーサさん僕が操縦しますから ハインドDを貸してください」
「すみません 分かりました ハインドDですね」
ハリーさんに謝り 無限収納からハインドDを出す そして皆で乗り込み現場に向かう 本当にこういう時アヤメさんは何処にいるのだろう?
「皆さん 現場上空です すぐ近くにあった草原に降ろしますね」
「リーサ 早くサーチだよサーチ とっとと見つけて早く戻ろう」
「はいはい 今かけますよ『サーチ』あれ?おかしいな」
「どうしたんだい?」
「この辺り一面反応だらけなんですけど・・・・」
「それは 何十匹もいるって事かい?」
「いや 数百はいますね どうしますハリーさん? 今回は私が倒しますか?」
「申し訳ないですけど お願いしても良いですか? このままじゃ この街道を通る人達は困るでしょうから」
「わかりました ではそれこそ サーチアンドデストロイって事で見敵必殺です」
周りにあった 反応がどんどん消えていく そしてハインドDを降ろしていく 地上に着くと辺りは蛇の死骸でいっぱいだった
「これは酷いですね 依頼が来るのも分かりますが 普通の冒険者じゃ太刀打ちできませんよね?」
「そうですね これは冒険者ギルドに帰ったら依頼料の交渉をしましょう こんなの私かローナじゃなきゃ倒せないし 普通の冒険者じゃ倒す前に咬まれて死んでますよ それにこの付近は倒しましたけど まだまだ反応は残ってますから ここから先は地道に拾っていきながら 辺りをくまなく歩きまわりましょう」
「それしかなさそうだね リーサ何か大きな袋でもないかい?」
「袋より背負い籠の方が良さそうですね」
「何だいそれは」
「これです「錬成」これを背中に背負って 中に蛇を入れていって下さい いっぱいに成ったら無限収納にしまいます」
そしてみんなで背負い籠を背負って死んだ蛇を入れていく 横一列に並んでドンドン進んでいくが キリが無い いくらでも湧いて出て来るのだ 途中で小動物の死骸に群がっていたのは気持ちが悪かった・・・ どうしてこんなになるまで放置したのだろう やっぱり見つけづらくて塩漬け依頼になっていたのかな?
「もう無理です!!」
「どうしたんだい リーサ?」
「数が多すぎます サーチの範囲を広げて一気に行きます!!」
「おいおい そうしたら何処に死骸があるか わからなくなっちまうじゃないか?」
「大丈夫です それに もうやっちゃいました 後はイメージ魔法 『収集』これで 問題ありません」
「チョット待ってくれ本当にこの量がこの辺りにいたのかい?」
「いたんですよ 最初は皆で拾って行くのも経験の内かな なんて思ってたんですが 流石に多くて嫌になりました 数を数えるのはギルド員に任せて 袋に入れていきましょう この数だと無限収納に入れるのも一苦労なんで 皆さん協力してください」
そういって袋を出してみんなに渡していく 予備の袋もいっぱい出した 数を数えてはいないが軽く1000は超えている これだけ歩いて他の動物がサーチにかからなかったのは 皆食べられてしまったのだろう おそらく旅人や商人なども 遺品があるか調べるために 『収集』を使った そうしたらこちらもかなり集まった 遺骨も含めて無限収納にしまっていく 馬車などもあったがそこは無限収納いくらでもしまえる そして 日が暮れてきたときにやっと 全部のポイズンスネークを袋に入れて無限収納にしまった
「やっと終わったね リーサは大変だったね 遺骨や遺品なども集めていたもんね」
「ローナ・・・ 結構きつかった こんな時 神の巫女なのに・・・ って無力感に包まれていたよ」
「とにかく 早く戻って遺骨と遺品をギルドに預けよう そして遺族のもとに渡してもらおう」
「そうだね 早く戻らないと夜になっちまうし ギルドのカウンターも閉まっちまうよ そしたら遺骨が遺族のもとに帰るのも遅くなっちまう」
「そうですね シフォンさん 帰りは転移にしましょう 皆さん忘れ物は無いですか?」
「ないよ 早く戻ろう」
「では 皆さんそばに寄って下さい 『転移』今戻りました ポイズンスネークの件でお話したいことがあります なぜこのクエストを塩漬けにしたままにしていたのか いつから塩漬けなのかの確認です これは最悪 大公の権限も使ってでもこの事について言及しますよ ギルマス モルドギルド長をすぐに呼びなさい」
私が大公の名を出してまでギルマスを呼んだので ギルド職員が慌ててギルマスの部屋に飛び込んでいく そしてモルドギルド長も飛び出してくる
「ギルマスこれはどういうことですか?」
無限収納からポイズンスネークの死体を出していく その山を見てギルド職員も驚いている それはそうだ今は袋から出し ギルドの真ん中に山積みにされているのだから
「ギルマスこのクエストはいつから塩漬けなんですか? どうすればこのような数になるまで 手をうたないという事が出来るのですか?」
「それは・・・・」
「言い淀むくらいなのですから知らないのでしょう? 早く職員に確認しなさい!!」
「はい!!」
モルドギルド長はすぐにカウンターの受付嬢に確認を取る そして
「6ヵ月と11日です」
「その間にこれだけの方が亡くなっているのですよ!!」
と言って遺骨を丁寧に床に並べていくその数五十体以上 ギルドの床は遺骨とポイズンスネークの死骸でいっぱいになった
「今までギルドは何をしていたんですか? これだけの犠牲者が出る事は予想しなかったのですか? それとも依頼料が安いから無視していたのですか? どうなんですか?」
「そんなことは・・・」
「無いと言うのですか? では何故? こんなにも沢山の方がお亡くなりになっているのですか?」
「申し訳ありません 私の監督不行き届きでした」
「分かれば良いです と言いたい所ですが 今すぐに塩漬けになっている依頼を確認して 緊急性のあるものから依頼を達成させなさい それとこの遺骨の他に遺品も持って帰ってきました それら全てを遺族のもとに返しなさい さらに今後塩漬け依頼は定期的に冒険者に依頼を出して達成しなさい!!」
「分かりました 大公閣下の仰せの通りにいたします」
「それと 今回の依頼はBランクの依頼でした 普通の冒険者には不可能です 依頼を受けるときにもう少し考えて受けなさい SランクとAランクの混合パーティでもかなりきつい依頼でした 勿論塩漬けにしたせいでもありますが もっと早い段階で依頼を受けられるように 難易度の見直しをしなさい」
「はい 分かりました」
「絶対に徹底してくださいね Bランクの依頼という事は 自分のランクの前後一つまでは受けられるんです Cランクの人が受けたら死体が増えるだけですからね!!」
「はい 徹底します」
「では 外に出なさい 遺体と遺品を一緒にします それをすぐに確認を取って家族のもとに返しなさい 絶対に信頼のできる冒険者にお願いするんですよ 途中で遺品を盗難した場合は その冒険者に神罰が下ると言っておきなさい」
「それと 最後にギルマス自ら私達が討伐してきた ポイズンスネークの数を数えて依頼料を計算しておきなさい 普通のCランクとBランクには達成できないクエストですからね それも考慮するように! これは大公からの命令ではなくSランク冒険者の経験からです」
そうしてギルドは 塩漬け依頼を積極的にこなすようになった また何か言われる前にやっておこうという事らしい 動機はどうあれ 冒険者ギルドがきちんと運営されるのであれば問題は無い この行動が全てのギルドで行われればいいのだが それは無理なんだろうなと思いつつ リーサは神様に遺体の冥福を祈るのであった