ポイズンドラゴンの鱗
ポイズンドラゴンの鱗を飲ませようと色々画策するリーサ ミニ収納ボックスの容量を増やしたり 中に入れられるサイズを大きくしたり コンテナをプレゼントして 小物はそれに入れて下さいと言ったり 色々と手をうったんだが みんな中々飲もうとしない
今回は寿命が延びるわけでもないし チョット毒を口から出したり 血の中に毒を混ぜて他の人を暗殺出来たり ポイズントルネードが強力で 毒の竜巻だから敵が毒にやられて死んでいくトルネードの効果は削って飲んでいる鱗の量によって決まってくる
飲めば飲むほどポイズントルネードの効果が上がる 毒耐性だからか寿命もHPもMPも上がらない なので強くなるために鱗を大量に飲んでも 寿命がこれ以上伸びる心配もない ドンドン人間離れしていくが これはありがたい恩恵だ
だけどみんなは 乗り気ではない でも本当にこれから命を狙われる可能性が高くなるのは確かだ 使い方も分からずに 車やヘリを狙ってくる貴族や冒険者はいっぱいいるだろう しかも私達は 11歳が一番年上で最低が6歳と言う冒険者学校の1年生だ もうそろそろ2年生になるが それでも私達を侮って狙ってくる馬鹿どもは多いだろう
それを少しでも防ぐ為にポイズンドラゴンの鱗は飲んでいて欲しい しかも寿命に関係ないのは大きい しかも狙われているのだから正当防衛だし しかも呼気に毒を混ぜて吸わせたとしても それを証明する手段はこの世界には無い だから飲んで欲しいんだよなぁ 何かいい手はないかなぁ
「リフレッド先生はどう思いますか 私達のような子供が 高価な車やヘリコプターなどを乗り回していたら 絶対に貴族や 他の冒険者に狙われますよね?」
「確かにそうだな 私の経験から言っても 貴族から食事に招待されて 殺されそうになった事も何度もある 高価な装備を付けていたからな だから みんなにポイズンドラゴンの鱗を飲んで欲しいのは確かだ だが冒険者として強くなるのはいいけれど 人間離れしていくのはどうかとも思う まぁ今更な部分はあるのだがな」
「でしょ リフレッド先生でさえ 狙われるのに 私達は侮られない訳がないじゃないですか」
「リーサはそういうけど 体内で毒を生成できるのはチョット引くよ」
「そうは言うけど 命には代えられないよ?死んだら終わりだし 飲まなかった誰かが誘拐されて 他のメンバーに迷惑をかける危険性もあるんだよ?だから全員飲まないと駄目なんだよ 出来る事なら家族も飲まないと 家族が誘拐されてその場所で 毒は呼気から出せないでしょ? 家族死んじゃうし・・・だから飲んでよ~ そして家族も説得してよ~」
「リーサそうは言うけど 難しいものがあるぞ 毒だぞ毒 それが体内で作られるかと思うと みんな一歩引くのも当然だろ」
「じゃぁ 分かりました みんなの安全を守るために 今まで渡した装備を全部返してください これなら普通の冒険者だから狙われることはありません」
「うっ 今更それを言われても あの便利な乗り物たちを手放すのは 無理だろ 他の手を考えようよ」
「いえ!! 返してもらう以外に 皆さんを守る手段はありません リフレッド先生もそう思うでしょ?」
「そうだな はっきり言って みんなが持っている装備は 冒険者学校の1年生が持つには 不釣り合いだ持っていても 危険な事はあっても良い事はないぞ」
「そんな~ 先生までリーサの味方なんですか?」
「味方とかそんなのじゃない 実体験から言っているだけだよ 人は自分に無い物を欲しがる生き物だからな だから何度もリーサは 刺客に狙われているだろう?」
「だったら 私達にも護衛をお願いします」
「それは普通に考えて無理だろ みんなは リーサのように国に守られるような事をしているのか? しかも家族も守るんだろう? 不可能だ!!現在みんなはただのAランク冒険者だ そこら中に居るとまでは言わないが 数も結構いるんだぞ? そのみんなが護衛を付けていると思うかい? 皆自分の事は自分で守っているんだよ しかも 誰かが毒殺されて もし仮に道具や乗り物を奪われたらどうする? だれが責任をとるんだい? それは開発したリーサが取るしかないんだよ? そこまで考えてあげなさい」
「わかりました 家族を説得する時間を下さい 時間も無いのが分かっているので 早く終わらせます 最悪自分だけでも飲みます」
「そうですね 自分は飲みます 家族はどうなるか分かりませんが 今までにリーサに恩を感じてもいるでしょうから 飲んでくれると思います」
「私も飲みます 家族も自分の身を守る為なら飲んでくれると思います」
「皆さんありがとうございます やっと分かってくれたんですね」
「わかったと言うか 強引に押し切られたと言うか とにかく飲む事には賛成することにする」
「っで 飲む量なんですがどうしますか? 飲めば飲むほど強くなりますし 毒に対する耐性も付きます」
「どうせ飲むなら大量に飲むよ その方がクエストでも効果があるし」
「そうだね 飲むんだったら 大量に飲んだ方が良いね」
「おぉ 思い切りも良くなって嬉しいです 因みに私は様子を見ながらですが 10杯は飲もうと思っています」
「リーサそんなに飲むの?」
「だって毒殺される可能性が一番高いの この中で私がダントツでしょ?」
「それもそうね でもそうなると みんなもそれくらい飲まないと 呼気に含ませて毒を漂わせたときに 巻き添え食らうわね」
「うん 多分そうなると思う でも幸いな事に今回はドラゴンの鱗も大量にあるし そんなに気にしないでいっぱい飲めるよ」
「いや だからその量を飲むのがね・・・しかも家族もでしょ?」
「うん 家族が攫われて助けに行けなくて 拷問されて死んでも良いって言うなら飲まさなくても 良いんじゃない?」
「私は家族を助けるために 家族にも飲んでもらうよ Sランク冒険者のパパンにもね」
「Sランク冒険者なら攫われないんじゃない?」
「そんな事無いよ お酒で酔わされたりしたら どうなるかわからないでしょ?」
「普通の家の家族なんかは 貴族から呼び出しがかかったら 行かない訳にはいかないしね・・・」
「そうだね 行かなかったら 逆に不敬罪で殺されそうだもんね」
「だね 何とか家族にも飲んでもらおう 貴族が悪い事を考えて 私達に手を出してきても対応できるように」
そんな感じでSクラスはまとまった 後日みんなの家族の元を転移で回りながら鱗を飲んでもらう事に成った これで毒は問題が無くなった 後は刺されるくらいか? それも この調子なら何とかなるだろう 私のイメージ魔法で何とかしても良いしね 定期的にSクラスと その家族に結界を張りに行けばいいだけだし 今度回る時に結界も張ってくるか
さて次は大御所を落とさないといけないな
「王様~」
「い・や・じゃ・~・・・・・」
「まだ何も言ってませんが?」
「リーサが最近ワシの所に来る時はドラゴンの鱗を持ってくるんじゃ」
「おぉ 流石王様ともなると感が鋭いですね」
「や・っ・ぱ・り・~・・・・って遊んでいる場合か もう嫌じゃぞこれ以上長生きしたくはない ただでさえこの前の世継ぎの件が まだ引っかかってるのにこれ以上長生きなどできるか!!」
「だいじょーうぶ 今回は寿命は延びません 毒に対して耐性が付くのです」
「うっ そう来たか」
「今回の世継ぎの件で 施設に入れられた家族に 王様が暗殺される可能性が出てきました 毒への耐性は絶対に王様を守ってくれます」
「っでそれは 毒の耐性の他にどんな恩恵があるのじゃ?」
「あっ バレました? 色々ありますよ 毒を体内で生成して呼気に混ぜて空気中を漂わせて 敵を毒殺するとか 血にも毒を混ぜる事が出来ますので 指先をチョット切って 相手の飲み物に入れて毒殺するとか ポイズントルネードと言う毒の竜巻を起こして敵を毒で倒しながら竜巻でも倒せると言うお得な商品になっております 今ならこれが10杯飲んでもタダです」
「今までも無料じゃったがな・・・・ それにしても10杯とはどういう事じゃ? 今までにはない数じゃないか」
「これはポイズンドラゴンと言うドラゴンの鱗なんですが 飲めば飲むほど 毒に対する耐性が付くのです 逆に体内で生成する毒も強くなりますが そしてポイズントルネードの毒の威力も上がります ヤッタネ」
「何がヤッタネじゃ 何か とんでもないじゃないか? ワシそろそろ護衛が いらなくなってきた気がするんだが・・・・」
「おぉ 王様が護衛無しで町を歩けるなんて なんて平和なんでしょう」
「街中で毒を吐いたら一大事じゃないか」
「よく気が付きましたね」
「ワシをバカにしとるのか?」
「私は王様とのこのやり取りが楽しくて 王様の為に強いドラゴンを倒してきたのに・・・・」
「すまんかった そうだな 確かにドラゴンは強い 簡単には倒せんな ありがとうリーサ」
「大丈夫です 倒したの私じゃなくて 癒しの少女の二つ名を持ったローナですから それに一撃で倒してましたよ 楽勝楽勝」
「貴様と言うやつは・・・・」
「でも私達が強すぎるだけで 普通はドラゴンなんて そう簡単には倒せませんよ そして今回は王様に結界を張りに来ました」
「ん?何故結界を?」
「刺されたら困るからですよ~ これからも定期的に結界を張りに来ますね」
「それはすまんな 確かにこれだけ ドラゴンの恩恵があっても 刺されたら終わりじゃからな」
「そうなんですよね~ これだけ恩恵があるのに 刺されたら終わりなんて困りますから また世継ぎ争いで今度は死人が出ますよ まぁそうしたら 私が全員殺してフラウ先生を王女に据えますけどね」
「怖い事を言わないでくれ あれでもかわいい子供たちなのだから」
「可愛い子供は王様暗殺や 兄弟の暗殺計画なんて考えませんけどね」
「それは側室達が・・・・」
「私が見た記憶ではそうじゃなかったですけどね 勿論側室も計画を考えていましたが 皆兄弟の暗殺は考えていましたよ」
「そうなのか?」
「そうでしたよ ウソを言ってもしょうがありませんし」
「そうだったのか それでは 早いうちにもっと管理の厳しい施設に入れないと 施設内で殺人が起こる可能性もあるのか?」
「それは どうでしょう? 今はもう 王位継承権も剥奪されて 権力も無くなり やる気が無くなっていると思いますよ まぁ今王様が気を付けるのは 施設に入れられた側室の家族の恨みですね」
「わかった 気を付けよう それではしょうがない 鱗を飲むか」
「今回は素直ですね?」
「恨みを買っているのは確かだからな 少しでも長く王都を支えていくためには 仕方のない事だろう 私が途中で死ぬことは 許されんのじゃ!! と言う訳で リーサ結界も宜しく頼む」
「はいはーい イメージ魔法『結界』結界ですが 普通に食事やお風呂なども問題なくできますので 安心してください さぁ次はポイズンドラゴンの鱗ですね 私削ってますのでドンドン飲んで下さい」
「わかった 飲むことにしよう リーサそこの水差しを取ってくれるか?」
「待ってください この水はやめましょう 折角ですから もっと安全な水を飲んで下さい これに毒が入っていたら意味がありませんから 水魔法でコップも綺麗に洗いました そして水も入れましたこっちで飲んで下さい」
そして王様は頑張って10杯の鱗を飲み干すのだった