脳みその行方
巨人族の巣まで殲滅が終わり 63匹の綺麗な死体と 8匹のチョット胸に大きな穴の開いた死体を持って 冒険者ギルドに帰ってきた 帰ってきたのだが周りはシーンとしている 本当に殲滅できたのか不安なのだろう 何といっても戦った と言う場所には巨人族の死体が一体もなかったのだから
「お待たせしました 巨人族は殲滅完了です 証拠はこれです」
と言って 巨人族の死体を全部出す そしてやっと この件が終わったと判断できたのだろう 大歓声が起こる みんなありがとうと言っている そしてばれないように綺麗な死体だけしまっていく 残りの8体を残して全てしまった
「これをギルドに売ろうと思うんだけど買い取れる?」
「無理です」
「即答だな?」
「さっきも言いましたが 脳みそが珍味すぎて値段がつけられないんです」
「そうか じゃぁ王都で売るか」
「まぁこのギルドは報酬の上乗せ分があるから 余計な出費は無理か」
「そうです ギルマスのせいで大損です いや 皆さんには助けられました ですがギルマスがやったことの穴埋めが大きくて・・・」
「駄目だよ タチ 報酬の上乗せ分は変わらないよ むしろギルドに偽りの情報を送ってきた事を 報告されないだけマシだと思ってもらわなきゃ 大変だね未来のギルマスは」
「は?未来のギルマス?」
「王都にあるギルドに 依頼達成の報告と一緒に報告しておくよ 副ギルマスをギルマスに格上げしてやってくれってね ギルマスの悪事と共にな 私が設置した 電話型中継器を使わなかった罪は重いんだ!! それと 自分を裏切らない副ギルマスを育てておいてね」
「はっはっはっは 痛いところを突いてきますね 私も腹心に刺されないように気を付けます」
「まぁそんなわけで依頼達成のサインをおくれ」
「あぁ そうですね あれだけの巨人族を殲滅したんですから 依頼は達成ですね」
「そうですとも 巣に行って確認もしてきたしね 今日中に帰って 王都のギルドに報告もしたいんだ」
「どうしてですか 宴を開きますから泊って行って下さいよ」
「私達は学生で明日は学校があるんだよ・・・・」
「それでは しょうがありませんね」
「ごめんね まぁそのうちまた来ることになるから その時までにまともなギルマスになっておいてよ」
「また来る事とは?」
「来年度まで内緒!」
「なぜ?来年度何ですか?」
「今年度はもう出席日数が足りないの!!」
「じゃぁ 早く帰らないといけませんね 冒険者の皆さん 神の巫女と仲間の皆さんをお送りしますよ」
「はい では皆さん今度は楽しく会えるのを祈ってますよ それでは 『転移』 王都の冒険者ギルド前に着きました 依頼達成の報告をしてきましょう」
中に入って 色々報告した 前のギルマスにかなりの部分を押し付けて そしてタチと言う副ギルマスがいるから ギルマスに格上げしてくれとお願いしてきた そして前のギルマスはどうしたと聞かれたので出してやった そしたら喋る喋るあることない事 喋りつくしたところで ふと自分に向けられている視線を疑問に思ったのだろう? そりゃそうだ大公の証言と1ギルドマスターの証言だ勝てる訳が無い
そして連行されて行った最後まで喚いていたが あれが ギルドの奥に隠れていた奴の正体ですからと まぁ処刑はされないだろうが一生炭鉱働きだろうな 可哀そうにもっと周りを見て自分の立ち位置を判断してから 話せば良かったのに ギルマスになったくらいで 世界で一番偉くなったと思ってたんだろうねぇ
今回はSランクが二人とAランクが9人で 依頼達成だが 流石に71体の巨人族を倒したとあって Aランクの少し上に上がった まだ下から数えた方が早いがそれでも Aランクの依頼料は5倍だ買い取りも2倍 王都で少し傷付いた巨人族の買取をお願いしたら すぐに買い取ってくれた 流石王都 依頼料もすぐに払ってくれたし 王都は違うね 因みに誰が脳みそを買うのか聞いたら教えてくれなかった 残念
ギルドでの全部のやることが終わり 校長先生に依頼が完了したので 明日は通常授業で大丈夫ですと伝えると 校長先生はホッとしていた 流石に一クラスにばかり贔屓はできないしな 校長との携帯電話を切るとすぐに電話が鳴った 王様からだ 嫌な予感がする
【こんばんは王様そしてごきげんよう~」プチ
電話を切ったらすぐにまたかけてきた
【どうしたんですか?脳みそならいりませんよ?】
【なぜわかった? 今日は珍味が入ったから招待してやろうと思ったのに いらぬのか?】
【それを 取ってきたのが自分たちだから わかってたんですよ それに美味しいんですか?】
【うまいぞ! 流石に手に入りづらいから ワシもめったに食べたことはないがな】
【うまいの言葉に嘘はありませんね?神に誓えますね?】
【おお 誓ってうまいぞ】
【じゃぁ行こうかローナ】
「何サラッと巻き込んでんのよ」
【なんじゃそばにローナもいるのかコイコイ 旨いものを食わせてやるから】
そして王城に着くと大臣の迎えがあった
「今日は羨ましいですな この世の珍味が食べられるとか? 量があれば私も御相伴にあずかりたいところです」
「そうなんですか 量はありますから一緒に食べましょう 私達が倒した巨人の脳みそですから まだいっぱいあります」
「そっそうなんですか? では 是非とも御相伴にあずかりたいですな」
「給仕室はどちらですか?量を増やしましょう」
「大丈夫なんですか? 非常に高価なものだと聞いていますが?」
「大丈夫ですあと63個あります 2個も出せば大丈夫でしょ?珍味ですし」
「そうですね それで大丈夫だと思います」
「これで追加の料理をお願いします あっ味見していいですからね」
「ありがとうございます 一度食べてみたかったんです レシピはあったんですが・・・・」
「良く今まで美味しく作れてましたね?」
「そこは長年の感で何とか」
「まぁ良いです宜しくお願いします」
「さぁリーサ様もローナ様も王様の元へ急ぎましょう」
「遅いぞリーサ 待ちくたびれたではないか!」
「折角の珍味だ味わって食べよう」
「大丈夫ですよ 今追加で材料置いてきましたから」
「本当か? それは嬉しいなぁ これを又食べれる日が来るとは 長生きはするものだな」
「そんなに 美味しいのですか? 大人味で子供には合わないとか 無いですか?」
「フラウも一度食べたが 美味しいと言って食べていたぞ」
「フラウ先生も食べたんですか? 何歳くらいの時に?」
「まだ小さかったからなぁ 5歳くらいか?」
「その時に王様は既に王位を継承されていたんですか?」
「あぁ していたぞ だからこそ あんな貴重なものが手に入ったのだ」
「そこまで言うのなら美味しいのでしょう 気合を入れて頂きましょう」
「確かに珍味だが そんなに気合を入れたら 味が分からなくなるぞ?」
「そろそろ 来ても良いはずなんですがね?」
「どうしたんでしょう? 見てきましょうか?」
「まぁ良い こういうものは 待つのも大事な時間だ だが あまりに遅いな 大臣よチョット見てまいれ」
「はい 畏まりました 給仕室と調理場の間で何かあったのかもしれません」
「それは いかんな 早く見てきてくれ」
そして数分後
「王様 大変で御座います リーサ殿が追加で渡した材料で 調理をした様子なのですが 味見をしても良いとリーサ殿が言っていたので 味見をしたのでしょう あまりの美味しさのあまり腰が抜けております」
「そんなに美味しいの? ってかもうそこまで行くと副作用じゃない?」
「それか 綺麗に血抜きができていて 絶妙の味になったとか? 普通は冒険者が何人もで1体を倒すんでしょ?あちこち傷だらけにして だけど私達は一撃で倒したから 血抜きは完璧でそれが原因でってのも考えられるわよ?」
「ローナ もうそこまで行くと副作用が怖すぎて食べれないよ 王様今日は諦めて帰りますね また調理人が復活したら材料をもって遊びに来ますよ」
「そうか 残念じゃのう ワシも腰が抜けるほどの味を確かめたかったのだが」
そして数日後王様から携帯に電話があった 正直電話に出たくなかったがしょうがない 王様からの電話だ出ない訳にもいかない 料理人たちも復活したし 新しい材料をもってローナと一緒に来いと今回は調理人には味見をさせん 今度はワシらが食べるのじゃ と言う内容の電話だった 正直行きたくない ローナも同意だ だが王様からのお呼びだ行かない訳にはいかない しかも材料を持っているのは私だ 私が行かないと食べれないのだ
「ローナ 諦めよう・・・・」
「リーサ・・・・・」
今回も大臣が外で待っている
「リーサ殿今度こそ食べれますぞ 期待しましょう」
「私達は腰が抜けるほどの 美味しさと言うものに恐怖しか感じませんが・・・・」
「それは まだ美食を極めていないからですな 美食を極めてしまうと もう珍しい物しか 目に入りません」
「それは 本当に美味しいのですか? 物珍しさではないんですか?」
「美味しいのですよ ですから前回料理人が使い物にならなくなったのですから」
「しかも その料理人の話だと美味過ぎて 次も食べたいと申す始末 それほどの物ですから 今度こそ皆で食べましょうぞ」
そして料理が運ばれてきた 確かに見た目は 脳みそとわからないように加工されていて おいしそうだが 本当のところどうなんだろう? ローナとどちらが先に食べるかで目で戦っている そんなことには気づかない王様はパクリと一口 そして涙を流して美味しいと言っている ローナと二人しょうがないと腹を決めて食べることにする
「うま~い!! 何これ 明日から巨人族ハンターに成ろうかな?」
「だねだね リーサ巨人族ハンターになっても構わないくらい美味しいね」
「王様これは 素材の味ですか?それとも料理の腕前ですか?」
「素材の味じゃな? ワシが昔食べたものより数段美味い これほどの物は食べたことが無い!!」
「ローナ やはり血抜きかね?」
「だね リーサ 一撃で仕留めて 血抜きがしっかりされたから 美味しいんだね」
「リーサはまだこれを多数持っていると聞いたが ワシに売らぬか?」
「駄目ですよ王様 たまに食べるから美味しいんですよ」
「毎日食べたら飽きるだけです」
「では また今度持ってきてくれ これほどの物中々世に出回らんからな」
「それでは 王様にもお願いがあります 巨人族が出たらまず 私の所に連絡をくれるように ギルドに命令をして下さい そうすればまた美味しい脳みそが食べられます」
「でもこれは 料理人にもお礼を言いたいね 美味しかった プルプルとした触感とねっとりとした触感が相まって最高の味だったね」
「ちなみに王様 巨人族の脳みそを食べて 恩恵のようなものはないんですか?」
「恩恵ではないがあるぞ 一日だけだが 体中の毛が伸びる」
「なんてもの 食べさせてんですか?私達は女の子ですよ」
「でも 美味しかったであろう?」
「うぅ 悔しいけど反論できない 明日学校に行けないよ」
「しかも 毛が伸びたから 休みますなんて言えない」
「どうしようか?剃れば伸びてこないですか?」
「甘いな 剃った端から伸びて来るぞ」
「本当に乙女になんて事を でもまた今度食べたい・・・・・」
「次に食べるときは金曜の夜だね?」
「そうだね それならば 一日家から出なければいいしね シフォンさんが羨ましいトラに変身すればわからないもん」
「今回誘わなかった 罰が当たったのかな? あっ 龍聖毛が生えてきてるよ リュードさんも じゃぁ私達も? キャーイメージ魔法『全身脱毛』これで行けるか?」
「リーサずるいよ 自分だけ」
「ママ私もヤダ」
「ハイハイいまやりますね『全身脱毛』」
「髪はちゃんと残しといたからね」
「リーサよワシらも」
「男性はそのままでいてください」
そして男性陣はそのまま放置されるのだった