領主ベリードという男
王様がトレーラーハウスを気に入りポケットマネーで購入し トラックを20台 トレーラーを10台買ってもらった トレーラーが脱輪すると話にならなくなるので トレーラーサイズの収納ボックスを作ることにした 盗まれると大変なことになるので トレーラーと収納ボックスが少しでも距離が離れると サイレンが鳴り響き持ち主は動けなくなるように設定する そして以前王様の車にもつけた機能を付けておく 攻撃無属性 悪路走行 絶対防御 スピード重視 これで大抵の事には対処できるだろう
魔力が大量にあるのでイメージしたことは大抵できる 出来なかった事が無いといった方が良いかも知れない 魔力が少なかった頃はそれが当たり前だったから その中で出来る事をやっていたし イメージもそこまで膨らんでいなかった だが今は違うベルッド様に魔力総量を上げてもらって ドラゴンの鱗で魔力が上がった もう 龍聖にご飯をあげたくらいでは魔力が増えない 神様達のご飯にも魔力を混ぜているが それだけあげても増える様子はない
最近増える要素は神殿で神様の恩恵を神の御業として授けている時くらいだ 流石に人数も多いので何日は冒険者の日等と決めて集まってもらっている 鍛冶師と商売の日等も人気だ だが商売繁盛は勿論の事 騎士のや戦う者の日も人気だ王都にいる騎士が休みを取って集まってくる 流石に休みを取り過ぎて王都の警備が手薄になっては 意味がないので王城に集まってもらって 出張サービスで神の御業を授けている
そして一番人気なのが 恋愛の神レイニー様だ 皆出会いに飢えているのか集まり方が半端じゃない そして別れるカップルも多い レイニー様の出会いは真実の愛だから そうじゃないカップルは別れてしまうのだ だが最近はそれも皆が分かってきて 振られても気にしないで真実の愛を求めて さらにレイニー様のもとに集まるのだ そのせいで最近はレイニー様はパワーアップが止まらない まぁ王都の中だけの話なのだが 今の王都は移民や避難民がそのまま住み着いている者達も多い まだまだ需要は高そうだ 神像の売り上げも高いし 神様達は少しずつパワーを貯めている
「神様~皆さん最近パワーアップしているはずですが どんな感じですか?」
「そうね いい感じよ 私はかなりパワーを貰っているわ」
「私が~そんなに~パワーアップしてない感じ~」
「真実の愛のレイニー様がパワーアップしてるのは分かるとして 豊穣と天候の神ベルモット様がなぜでしょう?」
「近くに~畑や田んぼが無いの~農家さんが~少ないから~神殿に来てくれないの~」
「あぁそれは困りましたね~ 今度の土曜日にでも畑や田んぼのある場所を めぐりましょうか?」
「え~ほんとう~?ありがとう~」
「いえいえ ベルモット様にもパワーアップしてもらわないと 悪天候で飢饉などが起こると困りますから」
「そうなのよね~ 今も悪天候で困ってるところがあるんだけど~ パワーが届かないのよ~」
「一大事じゃないですか 場所はどこですか?」
「北に馬車で一週間くらい行ったところ~」
「町の名前は分からないですか?」
「それが分からないの~」
「わかりました 商人ギルドに行って 場所を確かめましょう 商人なら場所も詳しいはずです」
転移して 商人ギルドに向かう 商人ギルドの受付嬢に 急ぎで話をする
「ここから北に馬車で1週間の所に ギルドのある町か村はありますか?」
受付嬢も顔見知りなので すぐに答えてくれる
「ありますが どうしましたか?」
「今すぐに そこのギルドに電話型中継器で連絡を取って 天候の事で困ってないか 確認してください そこが違ったら すぐ近くの町か村に連絡を 神のお告げで天候の事で困っているそうです 早くしないと飢饉が起きます」
「わかりました すぐに連絡を取ります・・・・・ありました 北に馬車で8日のの所に日照りで困っている町があるそうです その近くの町や村にも連絡しましたが そこを中心にして日照りが続いているそうです」
「わかりました 今から天候の神の力を使って 雨を降らせに行きます 町や村に連絡をして 神の巫女が行くから待っていろと伝えて下さい あと 町の領主に何で王都に連絡しなかったのか聞いておいてください」
「わかりました 領主の責任問題があるということですね?・・・確かに 先ほどの日照りの町を中心にして 日照りで困っている村や町は 全て同じ領主の支配下です 一度王城に連絡を取った方が良いかも知れないですね」
「そうですね 一度王城に行き 大臣を連れていきます」
転移で王城の前に行き
「急ぎで大臣の元へ行きたいです 連絡は取れますか?」
と確認を取ってもらう 普段は王様だから 大臣への連絡は時間がかかった 急ぎたいのに・・・
「どうされました? リーサ殿? 私を呼ぶなど珍しいではないですか?」
「実は王都から北へ馬車で8日の距離の町を中心に 周りの村や町で日照りが続いています ですが領主から 王都への連絡がありません このままではその付近一帯で飢饉が起きます 領主が何を考えて 連絡を怠ったのかはわかりませんが 報告を怠った領主へは罰が必要です 私が行って神の神罰を与えてしまうと死んでしまうので 王城で何とかしてください これを 教えて下さったのも豊穣の神からのお告げです 急ぎその町へ行き 周りの町や村などに雨を降らさないと大変なことになります また王都に移民が来ます それを狙っているのか? でもそうすると自分の領地の収入がなくなります 何が目的かわかりません」
「おかしいですね あそこの領主は 自分の事は自分でやるほどのできた人間です メイドや執事も排除し自分一人で なんでもやっていたはずです 誰にも迷惑はかけられないと言って それほどの人間が 領民が困っているのに何もしないのはあり得ません 私も同行しますので 確認をしましょう」
「では まずは近隣に雨を降らせます そのうえで 領主の元へ急ぎましょう」
ベルッド様聞こえますか?
聞こえてるわよ~ 何か大変みたいね
そうなんです それで日照りの起きている場所に 神のお告げをお願いしたいのです ベルモット様のパワーアップの為にもお願いしていいですか?
いいわよ 豊穣と天候の神ベルモットの力により この地に雨をもたらす感謝の祈りを忘れずに って感じで良い?
良いです良いです そんな感じでお願いします
分かったわ今すぐにやっておくわ
ありがとうございます 私達も転移で移動します
「リーサ殿 どうなされた?」
「あっ すみませんでした 神様からお告げがあって 意識がそちらに持っていかれました」
「そうでしたか 領民もそうですが 領主にも何かあったのかもしれません 急ぎましょう」
「わかりました 転移で移動します 私のそばに来てください 転移」
「着きました ここが日照りの中心地です ここを中心に雨を3日間 適度に雨を降らせます『神の御業』これでひとまずは大丈夫なはずです」
「では 領主の元へ急ぎましょう!!」
「わかりました 私は領主の館は分からないので 大臣の記憶をのぞかせて下さい 大丈夫です 頭に軽く触れる程度です それでは領主の館を想像してください『転移』ここですか?」
「ここですここです 中に入りましょう 屋敷の者はいないので 鍵がかかってればぶち破って下さい 直すのは国の予算で直します」
「わかりました 周りは荒らされた様子はないですね 屋敷のカギはかかっていません 中に入りましょう サーチ この奥に人が倒れています まだ息はあるので急ぎましょう」
「なんですって? 倒れていると? あんなに元気な人がなぜ?」
「着きましたこの部屋の中です」
「ベリード入りますよ 大丈夫ですか?何があったんですか?」
「これは熱中症ですね 『神の御業』 これでもう大丈夫です この病気は暑いところに水分も取らずに長くいるとなりやすいんです」
「もう大丈夫なんですね? 良かったです あっ意識が ベリードまだ横になっていなさい あなたは今迄病気で倒れていたんですよ」
「ジョルジュ大臣 申し訳ありません 頭が痛いなと思っていたら 倒れてしまいました」
「よくこれだけもったものです 通常熱中症は何日も倒れていて 大丈夫な病気ではないんですよ?」
「元々体は丈夫ですから ところでこちらの少女は?」
「神の巫女ですよ この方がベリードの病も治してくれたんですよ!」
「それは ありがとうございます こんな格好で申し訳ありません」
「構いませんから 横になっていてください 病は治しましたが 体力は戻っていないはずです これを飲んで下さい」
「何ですかこれは?」
「経口補水液と言って 熱中症という病気にかかった時に飲む飲み物です」
「美味しい こんな美味しい物があったのか?」
「これが美味しいということは それだけ症状が重かったということです 普通の人が飲んでもチョットしょっぱい水です」
「これからは 暑いときはすぐに水を飲むか 体を冷やしてください 水浴びなどで構いませんから」
「それが 何日も雨が降らずに困っておりまして 水を制限しておりました そうしたらこの始末です・・・」
「それでは 罰しようがありませんね 水の使用制限は構いませんが やり過ぎはだめです 王都にちゃんと連絡を取って下さい 今は私が神の力を代行して雨を降らせています 今日から3日間雨が適度に降ります 降りすぎても問題でしょうから あくまでも適度にです それで井戸や川は水が戻るでしょう そしてここの周辺にも雨を降らせていますから 日照りは解消されるはずです 領地はギリギリ救われるはずですよ これも豊穣と天候の神ベルモット様のお告げのおかげです 今後このようなことが無いようにここに小さな神殿と神像を建てていくので 領民と共に感謝の祈りとこれからの豊穣を祈りなさい そうすれば またこのようなことがあった時に ベルモット様が助けてくれるでしょう」
「ありがとうございます ここは王都までが遠いので 神殿に祈りを捧げに行く事が 困難だったのです これで豊穣の神に祈りを捧げられます」
「本来はお布施を取るところですが ジョルジュ大臣とも仲がよさそうですし 今回は無しにしましょう」
「おお 助かります日照りで作物の実りも悪かったので これでお金がかかると 別の意味で干上がるところでした」
「それともう一つ 今回のように倒れても 一人だと誰も気づいてくれません メイドと執事を雇ってください これは大公からの命令です」
「大公? 神の巫女では無くですか?」
「ベリード この方は王都の大公でもあらせられるのだよ」
「これは失礼の数々ご容赦を これからは大公様の言う通り 執事とメイドを雇います そして何か問題があったら ギルドの電話型中継器を使ってすぐに王都に連絡します」
「そうしてください それと神殿はどこに建てますか?庭の敷地に建てて良いですか?」
「できれば村の真ん中にドーンと建てていただきたいのですが」
「実はですね 賽銭箱と言って 願い事をお願いする際に お金を投入する箱があるので あまり夜に人目のないところには置いておきたくないんですよね」
「あぁ それは そのお金を狙うものが現われると?」
「そうです こればかりは どれだけ善人ばかりの町でも出来ない事なので」
ベリードさんはわかりましたと言う事で 自分の敷地内に神殿を建てることを許してくれた しかも夜は警備の者もつけましょうと言ってくれた ジョルジュ大臣が言っていたように 責任感の強い人なんだなぁと思った そして神殿を建て神像を中に建ててから 町を後にする ベルッド様のお告げのおかげか 領主の館の周りは人でいっぱいだった そこで神様へのお祈りの仕方を教えて 私たちは帰ることにする するとベルッモッド様が力が湧いてきたと言っている 速攻だな 流石日照りを救っただけはある 感謝の祈りが強いのだろう
王都に着き商人ギルドに報告をして 無事飢饉は回避されたと伝えると ギルド内で小さく歓声が上がった この情報を知っている人も少なかったのだろう 小さくだが喜んでくれたのは嬉しい
そして私は青ざめる 今日学校に行っていない ジョルジュ大臣にもついて来てもらい リフレッド先生と校長に説明してもらう 人助けをしていました だから見逃してと リフレッド先生も人助けじゃしょうがないと言い 校長先生は大臣に言われたら断れないと言っていた 相変わらず権力には弱い人だ・・・でも助かった ジョルジュ大臣には感謝だ
そして ベリードさんは賽銭箱の中身は定期的に神殿に届けると約束してくれた かなり助かる たまの土日に畑や田んぼを回るのは構わないが 毎週だと龍聖がドラゴンの友達と遊べない それは龍聖が悲しむから絶対にできない なのでベリードさんの申し出は非常に助かる物だった さすが責任感の強い男だ そうしてベリードさんに助けられてこちらも助けて ジョルジュ大臣には助けられっぱなしで
今日が終わった 帰りにローナに合うとローナがリーサこのままだと 進級試験やばいよと言われた 確かにそうだ どうしよう そんなことを考えながら ローナと一緒に帰るのだった