ギルドからの使者
日曜の朝うちとローナの家に冒険者ギルドから人が来た 私とローナに用があるらしい モルドギルド長からの呼び出しだそうだ 龍聖は眠い目をこすりながら付いてくる 何が何だか分からないが早く行って早く帰ろう ギルド員が乗ってきた 馬車をミニ収納ボックスにしまって ハインドDでギルドに向かう モルドギルド長が外で待っている 何だろうと思いながらハインドDを降ろしていく そしてギルド員やローナがおりてから私が降りる そして困った顔をしているギルド員に馬車を返してあげる それを見ていたモルドギルド長は
「お二人にお話があります ギルド長室まで来ていただけますか?」
「これは嫌だって言ってもダメな奴でしょ?」
「そうですね 嫌だと言ったら ギルドカード剥奪もあり得る話です」
「はいはい 分かりましたよ 行こうローナ」
「うん リーサ何だろうね?」
「まぁ良い話じゃないわよ」
「ささ お入りください そしてそこの椅子に座って下さい」
「さぁ聞かせて貰いましょうか 日曜の朝っぱらから呼び出した理由を?」
「あなた達がギルドに嘘をついているのではないかという事です」
「はぁ? 何言ってるの?」
「嘘と言うのは少し違いますか ギルドに話して無い事があるのではないかという事です」
「はぁ そりゃそうでしょ 全ての技の報告なんかする必要が無いんだから」
「そうですね 技は個人の物ですから秘匿しておきたい物もあるでしょう ですが 今まで パーティで行ってきたクエストのほとんどを あなた達二人が行って他の者は見ているだけではないかと いう疑惑が上がってきたのです」
「はぁ・・・・ さっきの空飛ぶ乗り物を見ても分かると思うけど 確かに私達は普通の戦い方はしてないわ それと一つ言わせてもらうけど 貴族のボンボンがギルドに所属していたら 周りの者に戦わせて何もしないってのも普通でしょ? 私達がやり玉にあげられる必要は無いはずよ さ・ら・に言わせてもらうけど 私達の戦い方は あなた達のギルド職員を連れて行って クエストをこなした事があるんだから 分かるはずだけど? その辺は確認したんでしょうね? してるわよね してないとか言ったらこのギルド吹っ飛ばすわよ?」
「そこまでは まだしていません と言うか 我がギルドの職員を連れて行ってクエストをこなした理由は?」
「クエストをこなして無くて ギルドカード剥奪の可能性があったから 単に時間が無かったのよ 私達はあの空飛ぶ乗り物で 他の冒険者とは移動速度が違います ですがそれは 他の人達には分かって貰えません あの乗り物は馬車で五日かかるところを 1時間で移動できますこれが普通の人に分かって貰えますか? だからギルド職員を連れて行って モンスターの討伐を確認してもらったんです 勿論討伐方法も違いますから それを確認してもらうために依頼料も要らないし こちらからギルド職員に着いて来てもらう 同行料も出したんですよ? 報告を受けていないんですか? どうなってるんですか? 私達のように目立つパーティの管理もできないんですか?」
「そっそれは 今確認しているんです」
「遅いでしょ? 確認も何も取れてないみたいだし それで良くギルド長が務まりますね?」
「侮辱するんですか?」
「侮辱してるのはそっちでしょ? たいした調査も無く 私達を呼んで? もう帰って良いですか?もっとちゃんと調査してから来てください それと私達に同行したギルド員に確認も取って下さい 前の日から準備して宿で接待もしたんですよ? その報告も無いんですか? それとも私達の攻撃の仕方を一緒にヘリに乗って見に行きますか?」
「良いんですか?」
「良いですよ このまま ここで話していても平行線ですからね 何か3人で攻略出来なさそうなクエストないですか?」
「今探してきます チョットお待ちを」
「面倒な事になったね」
「そうだね~さっきすれ違いざまに モルドギルド長の頭を触って 記憶を覗いたんだけど 王様が余計なことを言ったみたい 私達がギルドに入る前の 例の二つ名が付いたやつ アレが原因みたいだよ」
「あぁ それでか 私達の実力に気づいちゃったんだ?」
「お待たせしました オークの巣の殲滅です 3人だと絶対に無理な内容です」
「前もその依頼でしたよ? まぁ前は10人いましたけど まぁ良いか殲滅するだけですね? 素材は持ち帰りませんよ」
「なんでですか? 勿体ないじゃないですか?」
「オークの巣の殲滅だと素材がボロボロになる可能性が高いからです」
「はぁ 良くわかりませんが 行きますか」
「行きますけど その前に 私達の武器の練習をして下さい まずは空を飛ぶ乗り物に乗って移動しますよ」
川の近くの開けた場所に来た ここなら いくら練習しても問題ない
「まずはこの機関銃と言う武器です トリガーにそっと指を触れさせて ここで照準を合わせて下さい 取りあえず あそこの岩で良いです トリガーを握って下さい」
ダダダダダダダダダダダダダっと弾が連射されるそして岩が粉々になる
「何ですか?これは?」
「私達が使ってる武器です 次に行きますよ 今度はオートマチックグレネードランチャーを用意する やる事は一緒です照準を合わせてトリガーを引くだけです 今度の方が威力がありますから 大きなものを狙って下さい ではどうぞ」
タンタンタンタンと手榴弾のような弾が発射される そしてさっきより大きな爆発が複数おきる
「これの威力は・・・・」
「さぁ これで使い方は分かりましたね オークの巣に行きますよ」
「はっはい でも距離が遠いですが?」
「ハインドDには関係ありません 空を飛ぶのですから 馬車のようにクネクネとした道を行くわけじゃなく 直線で目的地に着きますから まあ乗りながら外の景色でも楽しんでください すぐに着きますよ」
そして30分程で目的地に着いた
「こんなに早く目的地に これは他の冒険者には使えないんですか?」
「使えても私達の武器を 他の冒険者に渡すとお思いですか? まぁ使えませんけどね うちのパーティでも使えるのは私だけですから」
「そうですよね・・・」
「さぁ 着いたんですよ 下からオークがこちらを見てるじゃないですか? 早くさっきの武器で攻撃してください」
「はっはいわかりました」
「ローナはオークの首の骨を折っていって」
「首の骨を折るって こんなに離れた場所からどうやって?」
「いいから 早く攻撃する!!」
「はい!!」
ローナの光魔法の改変でオークの首が折れていく それを見てモルドギルド長は息を呑む この少女はこれでAランク 一人で何匹ものオークの首を変な方向に曲げていく
「やばいですね この先の洞窟の奥に人の反応があります モルドギルド長その武器は使うのをやめてください このまま降りて攫われた人を助けに行きます ローナ周囲のオークの殲滅宜しく」
「はいはい わかってるわよ」
「モルドギルド長 一緒に来ますか? ここに残りますか? 残った方が安全ですが 結界を張ってあげますよ?どうします?」
「もちろん行きます このままじゃあなた達の戦いが分からないままだ」
「まぁ良いですけど ローナ呪文の詠唱無しで行けるよね?」
「もう 面倒な事頼むんだから わかったわよ やればいいんでしょ?」
「しょうがないでしょ さっきまではうるさかったからいいけど ここは静かなんだから」
「なぜ? 呪文の詠唱を無しにしたんですか?」
「モルドギルド長に全ての技を見せる訳にはいかないからです 実力だけ見れればいいでしょ?」
「それはそうですが どんな呪文なのかは知りたかった」
「それは 私達の最高機密です 他のパーティに真似されても気分のいいものじゃないしね しかも使おうと思えば人にも使える技です 変な奴らがこの技を覚えた時にモルドギルド長は それを止められるんですか?」
「わかりました このパーティだけでしか使わないということですね」
「そういう事です いいですか他のパーティメンバーも最低限これに近いことができます これ以上の詮索をするようなら 王都を離れ別の町で活動します それと電話型中継器も回収します 不便な昔に戻って下さい この先物質転送装置とか 生物転移装置とかをすべてのギルドに設置する予定でしたがそれもすべて白紙にしますからね」
「物質転送装置ということはギルドで買い取った素材を他の町に送ることができるということですか?」
「そうですよ 生物転移装置は人がほかのギルドに一瞬で行ける装置です使用料は取りますが それらすべてを白紙に戻してまで私たちを探ろうというなら そうしてください 王様に色々吹き込まれたみたいですが 私が作ったもの全て壊していきます そしてほかの国で暮らします 困るのは王都ですからね?神の恩恵も無くなりますよ?」
「それは困ります 私の一存で決められる事では無いですから」
「それならば 私達の戦い方を見て 他のパーティの査定をしてください まだ使っていない技がたくさんありますから」
「わかりました 他のパーティメンバーは このままにします ですがあなた達二人は別です まだまだランクアップの可能性がありますから」
「もう 面倒ね しつこい男の人は嫌われますよ」
「大丈夫です もう嫌われているでしょうから」
「っはっはっは 確かに じゃぁ奥に行きますよ」
奥からオークが大量に出てくる ここは広いしやってもいいかと トルネードを発動させる オークが勢いを止められずに ドンドントルネードに巻き込まれていくある程度たってから 指をパチンと鳴らすとトルネードが解除される そこには体中の骨があらぬ方向に曲がった オークの山ができていた それをみてモルドギルド長は 一言凄い技ですねということしかできない
「これは私たち全員が使える 一番威力の弱い技です 全員が使える技で あと2段階ありますから」
「どうやって そんな技の習得を・・・」
「企業秘密です!!」
まさかスプーン一杯飲めば 誰でもできますよとは 言えないな そう思いながら奥に行くのだった