表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/248

ベーコンて美味しいよね?

皆を待つこと1時間。皆が疲れた顔をして帰ってきました。人間族はウサギを数匹、龍人族と獣人族は熊を仕留めてきました。これから解体の手ほどきをうけて食事の準備は辺りが暗くなってしまうので、ウサギと熊は私の無限収納にしまい、今日の所は私とローナが捕ってきて解体も済ませてる、イノシシを調理することを提案しました。ここで皆に無限収納持ちである事、生物・無生物何でも入ることを伝えました。


先生達の了解も得られたので、早速みんなで解体したイノシシの焼肉とスープを作り、いただきました。皆お腹が膨れると、ぽつりぽつりと今日の大変だった事を話し始めました。剣だと野生の生き物を倒すのは大変だとか、魔法でも上手く使わないと獲物に逃げられてしまうなど。

龍人族と獣人族は熊を追い詰めるのが大変だったとか、ハリーは熊の獣人だから、熊を倒すのをためらったとか。それを聞いていた先生達は、「明日は罠の仕掛け方や、動物の追い詰め方とかを教えてくれる」との事でした。

そして「今日はもう遅いから、交代で見張りをして、明日に備えなさい」と、見張りは先生と一緒に組んで交代でやることになりました。先生に見張りの仕方、周囲の警戒の仕方などを教えてもらいながら、早く交代の時間が来ないかなぁ。と思いながら私達は眠い目をこするのでした。


翌日朝食を取り、早速罠の仕掛け方の訓練です。今日も昨日と同じチームに分かれ一つのチームに先生が一人付き、動物の通り道の見つけ方や、罠の仕掛ける場所、罠の仕掛け方などを習いました。


「先生」


「はい、ベルウッドさん」


「こんなに大人数で罠を仕掛けたら人の匂いが付いて動物が近寄らないのではないですか?」


「そうですね。基本的に罠を仕掛けるときは少人数が良いです。ですがそれだと先生が足りません。時間も無駄になるります。明日からは皆さんの各チーム少人数で罠の設定をしてください。ですが、この森は惑わしの森と有名で基本的に人が入ってきません。動物も人の匂いを他の動物の匂いくらいにしか思っておりませんので、この罠でも捕えられます。」


「分かりました」


「皆さんも分かりましたか?」


「「「はい」」」


「では、次の場所から1人づつ罠を仕掛けてください。」


「「「「はい」」」」


「最初は上手くいかなくても構いません。仕掛ける場所と、仕掛け方を覚えてください」


皆が罠を仕掛け終わり野営地に戻りました。皆集まり昨日捕らえた獲物の解体作業を行います。解体作業の途中で、保存食用の肉の切り分けをします。切り分けた肉に、塩と胡椒をふって低温の炎で1時間ほど乾燥させます。これは魔法使いの役目です。高火力の炎ではなく低温なので魔力も少なくて済みますが、低温を維持する精神力が必要になります。1人で長時間炎の維持は大変なので、火属性の高いジョンとナムサンが交代し乾燥させました。

お昼は大量に作った保存食の試食会です。やったね。


「塩の他に胡椒もふったのは正解でしたね。ピリッとして美味しいです」


「リーサさんは調味料を持って来ていたの?」


「昨日の朝遅刻したのは、食堂のおばちゃんに調味料を分けて貰っていたので・・・」


「まぁ、それで遅刻したのね。人間、美味しいものを食べると幸せになるから良いゎ。今回特別に、遅刻は許してあげましょう。」


「やったぁ。フラウ先生ありがとう」


「良かったね。リーサ」


「ありがとう。ローナ」


「でも、次はありませんからね」


「はい」


「さて、午後はどうしましょうかね? 皆さん優秀なので食料も潤沢ですし・・・」


「先生、私燻製が作ってみたいです」


「くんせい・・・ですか?それは何でしょう?」


「肉や魚を木のチップで燻して味だけでなく匂いも付けた食材です。美味しいんです!」


「美味しいのなら許可しましょう。作り方はリーサさん、わかりますか?」


「はい。作り方は、任せてください!ベルウッドさん、燃やすと良い香りのする木って近くにありますか?」


「ありますよ。あそこに立ってるのがなかなか良い香りがします」


「分かりました。ちょっと切りますね。『風神』そして更に『風神』の連打で細かいチップにします。この木のチップを火の魔法で乾燥させます。この間にさっきの肉に塩をふり、肉も乾燥させます。本当はもっとお肉は熟成させた方が美味しいんですが、今日は時間が無いのでこの肉を使います。更にイメージ魔法でスモーカーを作成します」


「これは何ですか?」


「燻製させる為の道具です。肉をスモーカーの中に入れて下から先程乾燥させた木のチップに火をつけて燻します。このまま2時間ほど燻せば出来上がります」


「結構時間がかかるのですね」 


「ええ、でもこれもは保存がきくので暫くは美味しく食べれますよ」


「おお~良い匂いがしてきたな」


「シフォンさんも興味あります?」


「おお、勿論美味いものは大好きだ」


それから火加減を見ながら燻すこと数時間。ベーコンが完成しました。


「誰か最初に味見してみます?」


「わたし、わたし、最初の味見は、私にくれ」


「じゃぁ、シフォンさんどうぞ」


「どれどれ~」


「パク。モグモグ・・・ん~これは上手い!!」


「でしょう。皆さんもどうぞ」


そのまま晩御飯の準備になり、ベーコンのスープとべーコンステーキは、皆の胃袋に収まり材料だった昨日の獲物は、使い切ってしまいました。皆さんにベーコンは気にいっていただけたようです。時間をかけただけあり、美味しかったです。

そしてベーコン効果か、翌日みんな獲物を大量に担いで帰ってきました。そしてスモーカーも増やして辺り一面、燻製の香りがたちこめました。そんなこんなで、あっという間に一週間が過ぎ、帰りの日の朝、朝食は皆の希望でベーコンスープとベーコンステーキでした。


王都に帰り、検問所では「お前ら、良い匂いがするな」と言われました。皆の装備や服も燻されて、燻製臭が染みついていました。 


私は寮に帰り、寮のおばちゃんにベーコンをお土産で渡しました。ベーコンを味見したおばちゃんの顔が変わり、「これは美味しい!寮で出したいから作り方を教えてくれ」と、ベーコンの作り方を熱心に聞かれました。疲れてるんだけどなぁ、と思いながらも、おばちゃんにはお世話になっているので、手伝う事にしました。


「作り方は、肉を塩もみし密封できる容器に入れ1週間冷暗所で寝かします。寝かしている肉の上下をたまに入れ替えます。一週間したら肉を取り出し、水に4時間付けて塩抜きをします。塩抜き後、タオルに包み水けを切りしっかりと拭いたら、木のチップで燻します。木のチップは例の木を1本全部チップにしたので大量にあります。無くなりそうになったら追加を差し上げますので、ご連絡ください。」と伝え、燻し方の実演をしました。「これで2時間燻してください。」と伝え、作ったスモーカーも全部プレゼントました。おばちゃんは嬉しそうな顔をして「ありがとう」と言われました。


部屋に戻り、燻製された洋服を洗いに出し、早々にお風呂準備をします。野営の時は、固く絞ったタオルで体を拭くだけだったので、久しぶりのお風呂にテンションが上がります。ローナも準備が整い二人でお風呂に行きました。皆考える事は一緒でした。カナタさん、ベルウッドさん、エリーゼさん、今日はさすがにシフォンさんもすぐにお風呂に入りたかったみたいです。

シフォンさんもカナタさんと一緒の体形でした。羨ましいです。もげてしまえ!・・・

いけないいけない、つい本音が漏れ・・・まぁ早く体を洗って、湯船に浸かりました。

「大変だったけど楽しかったねぇ」と皆湯船に癒されながらお話ししました。


「冒険者になったら、あれが毎日続くのかぁ」


「ちょっと面倒だね」


「でも今回は報酬が無かったけど、冒険者になったら、依頼さえ成功させれば、報酬が貰えるからね」


「頑張りますかぁ」


「熱くなったので、上がりますね」


「私も、リーサと上がる~」


皆も熱かったのか、続々と湯船から上がってきます。


「半年後の決闘で負けたら、このお風呂にも入れなくなるから、今からしっかり鍛えなくっちゃだねぇ。ローナと一緒の組みになったら、私が守ってあげられるけど、違う組になったら困るから、今から光魔法の改変版を、広範囲に出来るようにしておかないとね」


「そうだね~。まずは、光魔法を広範囲に出来るようにしないとかな。改変自体は難しくないから、クラスの皆を実験台にして、広範囲に光魔法を使えるように、練習だね」


「ちなみに改変って、どんな事まで出来るの?」


「んーと、簡単なのだと、激しい下痢と嘔吐かな。チョット難しいのだと全身の骨を外すとか?」


「何それ・・・怖い。光魔法の改変て、そんなことまで出来るの?」


「まぁ、普通の人はやらないんじゃない?」


「だよね」


「二人で何怖い話してるのさ?」


「シフォンさん。半年後の決闘の話を、チョット・・・」


「ローナ!さっきの、私には使わないでね・・・」


「大丈夫ですよ。仲間には使いません」


「良かったよ~。全身の骨を外すとか下手したら死んじゃうから」


シフォンさんは、光魔法の改変にかなりびっくりしているみたいです。


「大丈夫ですよ。決闘場では、死ぬ事は無いみたいですから」


「そういう問題じゃない!」


「まぁ、さっきも言いましたが、仲間には使いません」


「頼むよ。本当に・・・」


「分かりました!じゃぁ、そろそろ部屋に戻ります」


「あぁ、私も戻るよ。おやすみ」


「「おやすみなさい」」


「ローナは、明日と明後日の休み、どうする?」


「寮で光魔法の実験かな?リーサは?」


「私はそろそろ、武器の納品をしないと。又、ギルドの受付嬢がやってくるから、鍛冶と練成かな?」


「じゃあ、久しぶりに別行動だね。気を付けてね」


「ローナもね」


「じゃあ、そろそろ寝よう」


「うん」


「「おやすみぃ」」


こうして、長い1週間は、終わりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ