リーサが病んだ
ゲートの情報を守る為に ストーカージョルジュを処刑した 嫌いな奴だったが後味が悪い 結局は自分の身を守る為に 他の人間を殺した事に成るのだから・・・・ だからと言って私が殺した人間は ストーカージョルジュだけではないのだ 小国の王城に勤める者達 明智軍の者達 他にも暗殺者たちなど 何人もの人間を殺してきた 自分が生き残る為にだ 明智軍などは復讐の為に殺されたのだ だから自分が 神の巫女ですとか おかしな話だ笑い話にもならない だからと言って 今更自分の生き方等変えられない 前世の自分がいて 転生後の自分がいて それで初めてリーサなのだ 今までの生き方にも文句は無い もうこうして生きていくしかないのだ 気持ちを切り替えて行こう
というわけで ゲートの納品だ チョットアップデートも行なう 今までは収納ボックスを持っているとゲートの中で完璧に止まってしまったが 今度の物は口は動くようにしてある 相手の言い分を聞くためだ そしてそこに うそ発見器の機能を付けた 嘘をついたら問答無用で殺される仕様だ それは相手にも説明する その上で荷物はギルド行きだ 金に交換して税金を払ってギルドと私で折半だ
ウソ発見器は誰にも止められない ウソをついた人間がいけないのだ ギルドにそれを言ったら納得していた そして犯罪者の仲間はそのまま牢獄だ 暫く入れられたのちに荷物は没収 盗賊にならないように現金だけ返されて追い出される 酷いと思うかもしれないが
今度のことは ストーカージョルジュがしたことがこんな事に成ったのだ とにかく嘘をつかなければいい ウソの判定は心拍数や脈拍 発汗 血圧 脳波 声紋など多岐にわたる 通常の証明書に書いてある名前や住所などの反応を調べて 核心に迫る質問をする【なぜ収納ボックスを隠してゲートを通ったのか】とその他いくつかの質問ののち ウソ発見器が発動する
今の日本では使われていない装置だが この世界では 関係ない 神の巫女が嘘だと認めたら嘘なのだ 最近自分でも病んでいる気がするが ジョルジュの処刑の辺りから おかしくなった気がする 何かで気を紛らわせないとおかしくなりそうだ あっホーリードラゴンの里に行こう そして長に相談しよう 癒しのドラゴンなのだから何とかしてくれるかもしれない ゲートの納品だけして 体調がすぐれないので 今日は帰ります 2日もしたらまた来ますと言って帰らせてもらった
そしてその足でホーリードラゴンの里に向かう 龍聖とリュードさんと私の3人だ 龍聖は大喜びだ 休みでも無い日に里に来れたのだから ママンには携帯で連絡を入れておいた かなり心配されたが ホーリードラゴンの里で癒されてくると言うとチョット安心された さぁ 癒しの効果があるかどうか? 龍聖には友達と遊んでくるように言って リュードさんには子供たちが怪我をしないように 見ていてもらっている 要は自分の弱い所を極力人に【ドラゴンにも】見られたくないのだ
長のうちに行く護衛の兵士がいたが 私が来たら礼をして通してくれた 扉をノックして長に中に入れて貰う そして最近起きた出来事を話して自分が病んでいる事を説明すると これを飲んで見ろと白色のスーパーボールみたいなものを出された 大きくて飲みづらそうだが 飲んで見ろと言うのだから素直に従ってみよう・・・ ものすごく飲みづらいが水で何とか流し込む すると元気が出てきた
何だったのか聞くとホーリードラゴンが10年に一回生み出す癒しの玉だと言う事だ そんな貴重な物をと言うと この里で心が病むものはほとんどいないので大丈夫じゃと言われた それで その玉を10個渡された すぐには精神が安定する事は無い チョットおかしいなと思ったらこれを飲むのじゃと言われた そんなにヤバそうに見えるのですか? と聞くと あぁ このまま龍聖を預けるのは嫌になるくらいにヤバそうだ!!と言われた そんなに酷いか? だから癒しの玉を10個も渡したのだがなと言われ 感謝する まだこのまま龍聖を預けてくれるという事だ 今の状態で龍聖まで取り上げられたら 発狂しそうだった そして 神様に連絡が取りたいのですが 何処かドラゴンが来ない場所は無いですか? と聞くと南の山に洞窟がありそこなら 誰も来ないと説明を受けて96式装輪装甲車で 洞窟に向かう 確かにここならドラゴンはこなそうだ かなり狭い 装甲車でもギリギリだ念の為サーチはかけておくが ここで神様に事情を説明しよう 無限収納から対のオーブを出す そして神様を呼び出す
『リーサだいぶ酷いようね?』
『大丈夫リーサ?』
2人が心配してくれてる 何だ?今日は着替えもしていない いつもの薄絹の神様の正装だ
「あれ? 今日は正装何ですね? 何かあったんですか? 着替えもしてないし?」
『今日は特別よ リーサあなた魔に憑りつかれたわね? 色々事情を説明するわ』
「説明?魔に憑りつかれた? 何のことですか?」
『リーサ今あなたは アルファシリーズを探しているわね?』
「はい 神様に言われて探していますよ?」
『あれは全部集めると神々が復活するの!!』
「今なんと?神々が復活する? 何のことですか?」
『分からないのも無理は無いわ アルファの封印を解いたのは私なの!!』
「へ? 偶然じゃ無かったんですか?」
『アルファ達は神々と一緒に魔王を封印していたの』
「はぁ? 魔王!!??この世界魔王とかいるんですか?」
『モンスターが居るんだから魔王もいるでしょ?しかもその側近も』
「側近もいるんだ?やばいじゃないですか?」
『誰かがアルファシリーズの封印を解いていったせいで 魔王やその側近たちが力を付けて来たのよ』
「パパン・・・・ それだけじゃないか魔剣になった アルファシリーズが王都に来てたもんな!」
『そう 冒険者じゃなく 誰かがこの場合側近達だろうけど アルファシリーズの封印を解いて 魔王の復活を望んでいるのよ』
「じゃぁ王都の祭りで聞いた フードをまぶかに被った奴ってのも 側近の可能性があるって事ですか?」
『その可能性はあるわね』
「やっぱりそうかぁ」
『リーサ生れたばかりの頃 冒険者ギルド長にイメージ魔法で 魔王すら倒せるわよって言われたの覚えてる?』
「あぁ言われてみればそんな記憶もありますね それが今関係してくるんですか?」
『そうよ リーサは魔王を倒す力を持っているのよ だからアルファシリーズを託してるの』
「いや そんな いきなり魔王討伐何て・・・」
『出来るのよ あなたが前世から持ってきた記憶があれば 簡単に倒せるのよ リーサの攻撃で龍種もすぐにやられたでしょ? 龍種は魔王に次ぐ強さを持っているのよ』
「えっ?じゃぁ弱いじゃないですか?」
『リーサに比べたら弱いけど 精神攻撃が得意なのよ 今回のようにね』
「えっじゃぁ今私が病んでるのは魔王のせい?」
『いえ 違うわ側近たちのせいよ 魔王はまだ封印されたままだわ』
『ちなみに今回リーサが処刑した奴も側近の一人よ 最後に精神攻撃をかけて行ったのね』
「そんな じゃぁ悩む必要は無いんですね? 魔王の側近を一人やっつけたと 思えば良いんですね?」
『そうね 良くやってくれたわ』
「なぁんだ 悩んで損した じゃぁ アルファシリーズを全部開放して 神々を復活させ 神々と共に魔王を倒せば良いんですね?」
『そうね そう言う事に成るわね リーサあなた 随分吹っ切れたわね?』
「だって民間人を自分のエゴで 殺したと思って悩んでたら ただの悪党だったんですもの 悪即斬です!!」
『まぁ良いわ あなたが落ち込んでいたから 教えたけど一般人には内緒よ パニックになるから』
「はぁい わっかりました~」
『本当に元気になってまぁ・・・・良かったんだけどね だけど側近の一人がやられて 情報操作して小国を操ってもいたけど それも全部リーサに潰されたから 側近たちはかなりご立腹よ 今まで以上に何かしてくると思うわ? 気を付けてね?』
「気を付けてねじゃなくて 神様もうちの家族と 隣の家族を守るくらいはして下さいよ!!」
『わかったわ 任せておいて リーサは良いの?』
「相手が精神攻撃しか出来ないのなら 大丈夫です 分かっている攻撃は避けられます」
『そんなに弱くないわよ?』
「身内が守られているのなら戦えます」
『じゃぁ早くアルファシリーズ見つけなきゃね 私もパワーアップしたから 早く見つけられるはずよ』
「本当ですかぁ? 今までほとんど私が見つけてますけど?」
『それは 運が良かっただけよ 運が良いのも神様のお陰だもん』
「だもんって子供ですか?まぁいいや やることが分かってすっきりしました アルファシリーズ見つけたら 早めに教えて下さいね それと今度は大国が刺客を送ってくる可能性がありますから それの対処も考えて置いて下さいね 私は大国でも潰しますよ?」
『また移民が出る可能性があるって事?』
「移民なら良いですが 死人が多数出る可能性もありますよ? やるときはやっちゃいますよ? それが噂として広まれば いくら情報操作されてても 死にたくはないでしょうから 手出ししてこないか 一気にラファージャに攻め込んでくるかのどちらかですね? でもその側近たちは 私が遠距離攻撃の手段があるのを分かって無いんですかね?」
『わかって無いんじゃない? 今回小国を潰した武器も初めての武器でしょ? 初めての武器には対処が出来ないのよ』
「因みに魔王は何処に封印されてるんですか? そこを直接攻撃しちゃダメなんですか?」
『魔王が封印されている場所には 神々も封印されているから直接攻撃はダメね』
「うぅ 残念 一気に片が付くと思ったのに・・・・いっその事今まで居なかった神様だから 魔王と一緒に葬ると言うのはダメですか?」
『リーサ吹っ切れたのは良いけど考えが 過激になってきてるわよ?』
「えぇ?そうですか? 神様たちも魔王を封印じゃなくて葬れるなら本望かと・・・・」
『確かにそう言う考えの神様もいるでしょうけど駄目です 世の中が回らなくなります』
「そうですか じゃぁ 諦めましょう アルファシリーズの件お願いしますね」
『わかったよ 頑張って探します』
そうして元気になった私は長にお礼を言い 龍聖の元に向かうのだった