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魔法使いは使えない4

とりあえず誰にも気付かれずに家の前まではきた..............きたのだが..............


「このまま玄関から入ったら100%見つかるんだよなー」


妹にでも見つかってみろこんなことになる。


「おにい..............とうとう現実と混同しちゃったんだね。誘拐した挙句わざわざ大きめの魔女っ子コスだなんて..............マニアックだよーーーーー」


そしてそのまま通報される。


こんなのは死んでもいやだ。


「おい、お前人から見られない魔法みたいなのあるのか?」


「それはあるにはあるんだけど今はちょっと..............」


どうやら使えないみたいだ。くそ、役立たずめ。


もうこれは俺の演技力と頭脳をフル回転するしかないようだ。はたらけ俺の脳よ!


「仕方ない、俺に策がある。」


俺はそういうと女の子をおんぶしてブレザーを羽織った。

『これは「俺の体の一部作戦」だ!』


背中で女の子が「ほんとに大丈夫?」なんて言っているが俺のこの完璧な作戦、気付かれるわけがない。俺は堂々とそのまま玄関からそのまま家に入った。


「あ、おにいおかえ............何でそんな背中膨らんでんの?」


あれ?バレてる?背中から小さくため息が聞こえた。


「い、いや別に背中に変なものを隠しているとかそ、そんなことはな、ないぞ?」


めちゃくちゃテンパっている。


「怪しーーーーー」


妹がめっさ疑ってきた。


「じゃあその足みたいなものは何?」


俺は少し視線を下にずらした。綺麗な生足が2本見えている..........し、しまったーーーーーーーもう「実は背筋しすぎて背中だけ筋肉ムキムキのベ◯ータみたいになったんだーーーテヘペロ」みたいな誤魔化しはできない。

このままではブレザーをめくられバッドエンド間違いなしだ。どうするどうするどうするどうする考えろ考えろ考えろ考えろ


妹が俺に近づこうとした時、神から授かったかのような逆転の一手を思いついた。


「フッフッフッフッ.......いいのかこのままにいちゃんのやっばーーーーい研究を見ても?」


「え?まさかそれってきょう朝私がいった.......」


妹が動揺する。


「そのまさかだ妹よ。私は俺の理想の嫁を作ることを決めたのだ。仮に俺の研究の一部を見でもしてみろ。お前には嫁を作るための実験道具となってもらうぞ。そうなるとやることは..............わかるだろ?」

そして俺はそのまま妹に一歩近づいた。


「ヒッ」


妹の顔から血の気が引いていく。

すると次の瞬間「おにいの変態くそ魔人ーーーーーーお父さんとお母さんにいってやるーーーーーー」という言葉を置いて逃げていった。

「フッどうだ!」

俺はピンチを脱した主人公のような感じはこんな感じじゃないのかと味わっていると、背中からは「バッカじゃないの」という小さな声が聞こえたような気がした。


ーーーーーーー


俺は自室に入り、鍵を閉めるとあらかたのことは質問した。


「じゃあなにか?お前は別の星から来た魔女でこの星と友好関係を結びに来たと..............」


「そ、そうよ!ほんとはこの星の王様みたいな人に挨拶に行こうとしたの。でも魔法が急に使えなくなったってわけ。」


なんかさっきから女の子の言ってる言葉が嘘くさい。それにずっと挙動不審だ。


「お前嘘なんてついてないよな?」


ビクッと女の子の体が震える。


「知ってたか?この星には恐ろしい決まりがあってな?嘘をつくとそれはもうおそろしーことがおこってだな?」


なんか女の子さっきから震えてない?


「それでそれをなかったことにするほうほ..............」


「早くそれを教えなさいよーーーーー」


いきなり涙目で俺の襟を掴んでブンブンしてきた。


「わかった。教える!教えるからやめろはなせ!」


するとすぐに放してくれた。こいつ嘘ついてやがったのか。少しお仕置きが必要だな。


「なかったことにする方法はだな............逆立ちしながら嘘をついたことについて本当のことを言えばいい。そして嘘をついた相手の名前に様付けで許してださいっていえば大丈夫なはずだが。まあ、お前には必要じゃない知識だな。俺なんか飲み物とってくる。」


そう言って適当にウソをついた後俺は部屋を出ようとした。だがその時服を引っ張られる感触があった。


「あんた名前なんていうの?」


「別に言わなくても「お前呼ばわりは腹がたつのよ!私はエリア!あんたは?」


「純、斉藤純だ。これでいいか、わかったらその手をはなせ」


そう言って俺は部屋を出た。当然部屋は少し開けて中を覗くことにする。


するとエリアは「純、純ね..........」と呟き、キョロキョロ辺りを見渡した。そして立ち上がったかと思うといきなり逆立ちしたのだ。


あいつやっぱり俺の嘘信じたのか。笑い声が出そうなのを必死に抑える。


「さっき話したことは嘘です。本当はこの星の住民を私の魔法で適当に洗脳して奴隷にした挙句、この星を侵略するつもりでした。でもこの星には魔力の源が全然なくて..............挙句に私の中に残った魔力では元の星に戻ることもできなくて..............だからあいつに嘘を吹き込んで同情を買い、ここに住み着いて帰る方法を探すつもりでした。純様許してください。ーーーーーーー」


その後も色々な嘘が露呈していく。なんだかかわいそうになって来た。それにさっきから泣きながらダボダボの服で逆立ちしてるせいで色々見えてる..............なんか罪悪感が..............


「そろそろ勘弁してやるか..............」


扉をゆっくりと開ける。

そしてアホの子を見るような目でエリアを見つめた。


するとエリアの顔はみるみるうちに真っ赤になった。騙されたことに気づいたようだ。


「そ、その..............すまんな...........」


「・・・」


「そうよね...........そんなことだろうとは思ってたわよ。こんなの騙されるような奴が悪いもんね。そういえばあんたさっき妹に嘘ついてたもんね。..............死のう。」


窓を開け、飛び降りようとする。


「待て待て待て早まるな。」


その後なんとか飛び降りようとするエリアをなだめ、なんとか落ち着かせた。


ーーーーーーーーー


「大体のことはわかったがその服はなんなんだ?」


これだけはずっと疑問だった。だがもう嘘をつくことには懲りたようだ。

つらつらと本当のことを話してくれる。


「じ、実はあっちの星では変身魔法を使っていたの...........なるべくバカにされないように」


ようやく納得した。

こいつは多分魔女といえばっていう理想の体型に変身していたのだろう。

いわゆるボンッキュッボンッのような。

だがエリアの話によると地球は魔力の源がほとんどないらしい。

だから使いたくても使えないのだ。


「別に変身しなくてもそのままでも俺は別にいいと思うのだが..............」


「何言ってんのよ!おじいちゃんもそうだったけど男はみんなおっぱい魔人なんでしょ」


聞こえてたのか。

確かに男はおっぱいが好きというのは否定はせんが..............てゆうか少し嬉しそうなんだが気のせいか?


「そこらへんにある俺の服に着替えとけ。今度こそ本当に飲み物とってくる。」


「わかったわ」


そして俺は一階に飲み物取りに行った。

すると妹がいた。なんかこっちを見てる?


「おにいさっきから上でブツブツいってるのが聞こえてるんだけど、もう戻れないとこまでいっちゃったんだね。大丈夫私がなんとかするよ!」


なんか勘違いしているようだがまぁ、いいか。


「はいはい。頼むよ。」


「うん!」


そして俺はお茶と適当にお菓子を持って上がっていった。


「おい、飲み物持って来たぞー」


俺はそう言いながらもゆっくりと扉を開けた。その時のことを俺は鮮明に覚えている。どうして入っていいか確認しなかったのかと。


『え?』


声が重なった。


そこには大きくはないがたしかにわかる膨らみと頬を真っ赤にしたエリアの顔..............それからそれから


「あの、えと、まだ大きくなると思うよ!うん!希望はある!」


あ、やばいやつだこれ、生きていればまた会おう。


「他に言うことあるでしょーーーーがーーーーーーー」


そして俺は思いっきり殴られ顔踏みと同じ数だけ気絶も体験することになった。同時に俺が初めてラッキースケベ体質なのでは?と考え出したきっかけでもあった。


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