魔法使いは使えない1
私は農民出身だった。
でも7歳の時、おじいちゃんの魔法使いが私の村を訪れた。そして私を見てこう言ったんだ。
「おぬし..............本当に農民か?農民が私の魔力を上回るなど.............」
どうやら私は体にある魔力がとても多いらしい。魔力量だけで見ると王族と並ぶと..............
「おぬしには才能がある!わしの元に来い!弟子となれ!魔法を学べ!」
村中の人はそれを聞いてとても喜んだ。
しかしみんなある疑問を持った。
なぜ私なのかと。
なぜなら村でも魔法の技量に関していえば自分の妹にも及ばなかったからだ。
そんな私をこのおじいちゃんは弟子にしたいと言った。
私はこれは嘘だと思った。
「嘘だよ!だっていっつも魔法失敗するもん! おじいちゃんまさか..............変態さんなの?」
「いや!違う!断じて変態のロリコンなどでは..............」
必死に誤魔化すとこがなお怪しかった。みんなの見る目が変わる。おじいちゃんは続けてこう言った。
「それは農民の使う魔法に対して魔力を注ぎ込みすぎただけなんじゃ!通常農民が使う魔法は畑を耕す魔法など少しの魔力で使えるものが多い。だが過度な魔力を注ぎ込むと魔法が壊れて使えないんじゃ!」
ほとんどの人は文字も読めず魔法についてあまり知らないため、ピンと来ていなかったが何人かの老人や魔法を少し学んだものは納得していた。どうやら本当のことらしい。
ーーーーー
そんなこんなで私は魔法使いの弟子となった。
私は森の中にある小さな家でおじいちゃんと2人で暮らした。
おじいちゃんはルークという名前で国ではそこそこ知られた名前だったらしい。
私は師匠と呼びたかったがおじいちゃんに
「かわいくおじいちゃん♡と呼んでくれ」
と言われた。
そこでは魔法は魔力が必要で魔力は呼吸をするように空気中の魔素を取り込むことで体内に蓄えられることを知った。
私はどうやらその体内に蓄える為の受け皿のようなものが異様に大きいらしい。
これは幼い頃から努力すればさらに大きくなるのだそうだ。
魔法について以外にも勉学など私は努力した。
努力して努力して努力した。
なぜなら有名な魔法使いになるとお金がいっぱいもらえるとおじいちゃんが言ったからだ。
その甲斐あってか12歳の頃にはおじいちゃんに
「わしの使える魔法はほとんどマスターしてしまったの..............エリアよ、寂しいが教えることはもうない..............あとは国の中心部に行け!そこで国1番の魔法使いを目指せ!」
と言われた。
長いことおじいちゃんと2人で過ごした為この家を出るのはとても名残惜しかった。
そして幼い農民ではよく見られないと言われたので少し変身魔法で見た目も変えた。
こうして家を出る日がきた。
「今までありがとうございました。それではいってきます!」
「エリア......最後にわしの願いを叶えてくれんか?」
少し恥ずかしそうにきいてきた。
「はい、できることならなんでも」
お世話になったのだお願いぐらいきくに決まっている。
「変身魔法で色っぽいお姉さんに化けてキスしてくれ!
これで思い残すことは何もない!」
『・・・・・』
「死ねーーーーーーークソジジイーーーーーーー」
私の最期の挨拶はドロップキックとなった。
たしかにロリコンではなかったが変態ジジイには変わりなかった。少しやりすぎたかなと思いながらも私は国の中心部を目指して歩き出したのだった。