日常(崩壊)
そしていつも通り目立たず授業を終え、放課後となった。やっと帰れる。ほんと学校終わった後の選択肢って帰宅のみだよなー俺。
「今日この後暇? 」
帰ろうとしたところ佐藤が声をかけてきた。
予定なんてあるわけないんだが........
「......家帰ってゲームする。」
「じゃあすこしでいいからゲーセン寄らない?」
ゲーセンか、近頃行ってないなー昔結構格ゲーやったっけ?たまにはいいかもしれないな。
「少しなら....じゃあ、いくか」
「おう」
こうして俺と佐藤はゲーセンに向かった。
久々だなーゲーセン
あ、このゲーム新しいの出てたのか。でもまぁ何するかとりあえず聞くか。
「まず何すんの?」
「?......プリクラ?」
鳥肌がたった。男2人でプリクラとか寒すぎんだろ。こいつ何考えてんだ。
「佐藤..............お前ホモか?」
流石にこれは聞いてみた。
「いや、思い出にさ」
照れるな、気持ち悪い。
「それにしても撮るとしたら最後だろ?」
「............そう、だな」
なんだその間は、本当にホモなんじゃ
でも俺は高校生活始めての友達が本当はおホモだちだったなんて絶対認めたくない。てかそもそも友達じゃなくね?
「あーーーー!また2人でいるーーーー」
そうこう頭の中で悩んでいる時、いきなり聞いたことのある声が聞こえた。えっと..............そう!伊藤さんだ。同じクラスの女子のグループときているようだ。
「櫂君もゲーセンだったんだーあとサイトゥーも」
誰がサイトゥーだ。
「うん、2人で来てたんだ、2人で」
強調すんな。怖いわ。
「本当だー櫂君がいるーーー、あとサイトゥーって誰?」
周りの女子が口々に喋っている。俺もサイトゥーは知らない。
「櫂君の隣にいる子だよ。同じクラスで斉藤だからサイトゥー」
「あぁ!なるーってえ?同じクラス?」
「そうだよーー。えぇー知らなかったの?かわいそー。」
今日朝お前も同じような反応してたじゃねーか。
「どうも斉藤です。サイトゥーではありません。」
「よろしくね。サイトゥー」
皆話聞いてた?
「それでさーいっしょにゲーセン回らない?」
伊藤さんが少し照れながらも佐藤を誘っているようだ。あれ?この言葉だけみるとすんごいエロいな..............と、とにかくどうやら伊藤さんは佐藤とゲーセンを回りたいらしい。応援してやろう。面白そうだし。
「いいんじゃね。いいよな佐藤?」
顔がニヤニヤしてるのがわかる。
「まぁ....いいけど」
少し不満そうだ。あとこっち見んな。
それからみんなで格ゲーやUFOキャッチャー、色々ゲームを楽しんだ。
UFOキャッチャーは店員さんのもう少しで取れますよコールに騙されて3000円つぎ込んだが格ゲーで3000円と佐藤ハーレム形成の恨みを込めて佐藤を手加減なしでボコボコにしてやった。
「ゲーセンもたまにはいいものだな。」
「純本当に格ゲー強すぎだろ。手も足も出なかったわ。」
「ま、昔ちょっとやってたしな」
「確かにサイトゥーすごかったよねーなんかキャラ、ミミズみたいに動いてた。」
え?褒めてんの?けなしてんの?
そして結構の時間遊んでたんだな。気がつくと6時近い。
「じゃあ最後にプリクラでも撮るー?」
女子ズの一人が提案してきた。
「いいねー、そうしよーーー。」
他女子ズも賛成のようだ。俺も佐藤と2人きりで撮るよりましだと思う。
「そうだな、異論はない。」
「じゃあプリクラ撮ろうか。」
こうして初プリクラへとこの俺斉藤純は足を運んだのだ!
ーーーーーー
実際初めてプリクラの機械に入って思ったのだが意外と広かった。だが流石に女子ズが入るとぎゅうぎゅうだった。中学のクラスで20人で撮ったとか言ってる奴がいたがあれは嘘だな。ほんと確認したらすぐわかるような嘘つくなよ。なんで確認しなかったかって?プリクラって基本いっぱいで撮るもんじゃん?確認したくても近づきづらいじゃん?これは友達いねー奴にしかわかんないなー
「サイトゥー体触らないでよーーw櫂君ならいいよー」
「触らねーよ」「ははっ」
「好きなポーズとってー」
「サイトゥー変なポーズしてるー」
とまあこんな感じで初めてのプリクラを撮り終えたが確認すると俺以外の目がでっかくなっていた。どうやら俺だけ顔が認識されなかったらしい。俺の目半開きだ。てかこれ目でっかくなりすぎだろ。そして別に深い意味はないがこのプリクラは俺初の青春っぽい思い出として残しておいてやろう。
ーーーーーーーーー
みんなと別れウキウキしながら少し早足で帰る。
「意外と悪くはなかったな。誘われたらまた行ってやろう。」
なぜか笑っていた。
「しかし、意外と時間が経っているもんだ。もう外も暗い。」
そう言って上を見上げた。
「今日は星もきれいだな........あ!流れ星!」
いいことの後にはいいことが続くものだなぁー流れ星まで..........ん?こっちに落ちてない?てかなんか聞こえる。
「やばいやばいやばい 死ぬ死ぬ死ぬ なんで魔法使えないのーーー お願い助けてーーーー」
何あれ女の子?うわ女の子落ちて来た!助け求めてる?これ受け止めたらゲームの主人公になれんじゃね?
「よっしゃこーーーい!!!」
いきなり女の子が落ちてきたという現実ではあり得ない状況を俺のギャルゲー脳は瞬時に判断し、取るべき行動を導いた。キメ顔をつくり万全の状態で体勢をと整える。しかしおかしい。ゲームのように落ちる速度が弱まらない。変な石でふわっとしたりしない。むしろはやくなっている気が............
「..............え?...........待って受け止められる速度でじゃなくね?..............やばいやばいやばい死ぬ死ぬ死ぬ死ぬーーーーーーーー」
「キャアーーーーーーお願い、魔法よ発動してーーーーーあ!ちょっとでた!でも間に合わないーーーーーぶつかるーーーーー」
ドォォーーーーーーーーン
すごい音とともに女の子が俺にぶつかった。ーーーーーー
「ん..........いてぇ」
どうやら気を失っていたようだ。体は........どうやら足がわけわからない方向に曲がっていること以外はおかしくないな............え?待ってやばくない?イタイイタイイタイイタイイタイイタイ足折れた足折れた足折れた足折れた足折れた.............ってか女の子は?無事なのか?あ!パンツ見えてる
「んっんん...........私..............生きてる?」
混乱してるようだがどうやら無事のようだ。これで俺のラブコメが始まったも同然!
「よかった。無事だったんだな」
痛みを我慢しながらも女の子に声をかけた。
しかしそううまくいかないのが俺の人生。
女の子は青ざめた顔でこっちを見てこう言った。
「え?なんで君私の下にいるの?なんで足曲がってんの?てかパンツ見てんのーーーーキモいーーーーーー」
「理不尽だ..............」
俺は女の子の無事に安堵しながらもバチンという音と頬の痛み、そして現実はゲームのように甘くないのを感じながら再び意識を失ったのだった。