ピンク先生とは
あれから2ヶ月 奈々ちゃんとは会っていない。
僕の選択は間違いだったのかも知れない。
ピロピロリン、、、ラインだ。
山下だ。
(奈々ちゃん今入院してるらしいぞ、、、)
僕は、気が付くと車に乗り込んで病院に向かっていた。
病院に付くと廊下に何人かの人がうなだれて座っている。中で自分の母親と同じくらいの歳の女性と目が合う。
奈々母(あなたが木下さん、、、)
は、はい。
母(あの子、あなたに会う前日は本当に楽しそうに何回も何回も服をきがえて、、、)
母親は涙ぐみ言葉につまる
奈々父(あの子のあんな楽しそうな顔を今まで見た事なかったから、母さんと話をしてたんだ。きっと素敵な男の子が出来たんだねっと)
父(なぁー木下君教えてくれ、こんな事聞くのは、親のエゴかもしれんが、、、奈々に
痩せてくれと言ったのか?)
は?
木下(僕はそんな事言っていません。)
まさかと思い病室に入る。
ガラスの向こうで何本も管が刺さり、静かに眠る奈々ちゃんがいた。
体は痩せ細り、以前の奈々ちゃんの面影は何処にもない、、、
玲子(拒食症、、、奈々あなたに恥をかかせてしまったから、絶対痩せてみせると言ってたよ。何回電話しても出てくれなくて昨日ご両親が部屋の鍵を壊して、、、)
玲子も涙ぐみ言葉が出ない。
山下(木下お前は悪くない。それは、お前がそんな酷い事を言う奴じゃあない事をおれが1番知っているからだ)
母(木下さん奈々は幸せだったと思います。
初めての恋を一生懸命頑張ったんです。
こんなになるまで何も出来なかった親の責任です。)
僕は病室の屋上で吸った事の無いタバコを吸ってみた、、、ゴホゴホ、、、
ピンク先生の言葉を思い出す。
時間はあまり無い、、、
後ろから声が聞こえてくる。
ピンク先生( 生とし生きる物よ、、、迷い、悩む物に俺が見える。俺はお前、お前は俺。
祐一以前お前が俺に聞いた質問の答えだ)
ピンク先生(お前は、本当の恋を知った。
それは始まりにして終わる事。
お前は常に逃げてきた。その業を一生背負っていくんだ。
まぁ、そんなに難しい事では無い。
人の一生なんて一瞬の瞬きほどの時間なんだ)
振り返るが誰もいない。
俺はお前、お前は俺、、、
誰かが立っていた。山下だ。
山下(、、、奈々ちゃんが、、、)
俺の中で何かが壊れた音がした。