どす恋
女1(木下君は誰を見てるの。ちゃんと私を見てよ、、、さよなら。)
女2(好きでもないのに好きっていうな。バカ)
女3(木下君は本当に人を好きになった事ある?、、、私は無いと思うよ、、、)
う、うーん。、、、ゆ、夢か、、、。
たまに過去の彼女の夢を見る。
僕自身、本当に好きになった事がないから
付き合ってもすぐに別れてしまう。
そして、そのほとんどが振られてしまう。
だけど、そんなに辛くない。
それは、辛くなるほど愛していないからだ
そしてそれは、自己防衛の手段なんだ。
傷つきたくないから、高望みしない。
この子ならOKしてくれるだろうというレベルと付き合う。それが僕の恋愛だ。
そしてこれからもそんな恋愛をしていく。
ピロピロピロ、、、ん電話だ。
もしもし、、、
奈々(もしもし。きんのじー!私!どすこい奈々ちゃんでーす。この前は、ごちでした。
今日、日曜日だしこの前のお礼にお好み焼きご馳走するからすぐに支度しておりてきなよー)
、、、すげー質問が沢山ある。
どうして俺の番号知ってるの?
きんのじーって俺の事?
降りてこいって家に来たの?
そっとカーテンを開ける。
真っ赤なロードスターに無理矢理乗り込んでいるどすこい奈々ちゃんだ。
僕は初めて女性に恐怖を感じた。
まだ電話はつながっている。
奈々(もしもーし聞こえてるでしょ。服なんてなんでもいいから早く行くよ!なんなら手伝ってあげよか?)
い、行くよ。ま、まってて!
僕は、彼女の強烈な勢いに押されて急いで支度して降りて行った。
取るもの取らず家から出ると満面の笑顔の奈々ちゃんがいる。
奈々(早く行くよ。乗って、乗って!)
この車狭いね。
奈々(2シーターだからね!)
違う。車が狭いのではなく、奈々ちゃんが大きいのだ。凄いポジティブ発言だ。
奈々(少しパワーがないのよね。出だしが悪いのよ!)
違う。奈々ちゃんが重いんだ。
少し走ると路地裏の古いお店に着く。
へぇーこんな所にお店があったんだ。
この辺よく来るけど知らなかったよ!
ガラッ! いらっしゃい! オッ奈々ちゃんいらっしゃい!
中から元気なオヤジの声が聞こえる
おっ!彼氏が出来たかぁーやるなぁ〜
奈々(チョット待ってよ!私のタイプじゃないわよー!それよりおじさん!奈々スペシャル二枚焼いてー)
奈々ちゃんは顔が真っ赤だ。もう好きにしてくれ。
暫くすると奈々スペシャルが来た。
で、デカイ!直径40センチはあり、厚さは
3センチはある! 息つく間もなく大量のマヨネーズが投下される。 ジューーー!
凄い迫力だ!
こんなの1人1枚食べれるわけ無いじゃないか!
奈々(ゲフッ!)
木下(、、、?)
なんだゲップか。なんか吐き出したかと思ったよ。
それにしてもよく食べたな。僕は1枚の半分でお腹一杯で暫く動けそうもない。
奈々(じゃあ次デザート食べいこか?)
ま、まだ食えるのか。
ご、ゴメン。暫く動けないから奈々ちゃん1人で行って来て。ここなら歩いてかえれるからさ。
奈々(、、、ふーん。残念ね!じゃあまた来週いこうね。)
ま、また来週?じ、冗談じゃない!
木下(奈々ちゃん。よかったらライン教えてよ。突然来られても俺いないかもしんないし)
奈々(えーー!私ライン嫌いって言ったじゃん!、、、まぁ、きんのじにだけ特別に教えてあげるか!)
木下(必ず、誘ってくれる時ラインして)
奈々(解った!じゃあ私はデザート行ってくるね!、、、ここは払っておくね!ゆっくり休んで帰って!)
こうして奈々ちゃんは店を後にした。すると僕の前に1人の男が座った。
ボサボサの頭にサンバイザー、ピンクのサングラス、、、ピンク先生だ。
あのー失礼ですがピンク先生とは何者ですか?
どうしてこの前の飲み会にいたんですか?
ピ(愚問だな。 そんな事より、あの子を好きになるな。)
はぁ〜何いってるんですか? 好きになるわけないじゃないですか!
こっちは迷惑してるんですよ!
ピ(じゃあ何故ラインを聞いた?)
今日みたいに突然来られても困るからですよ!
ピ(違うな。本当に嫌なら食事に来ない。
祐一は今までにいないタイプの女性に興味があり知らないうちに惹かれてしまうんだ)
バカバカしい!女はステータスですよ!
誰があんなのと!
ピンク先生はニヤリと笑うと席を立った。
帰り際にこちらを指差し
ピ(恋愛してる?)と言い出て行った。
、、、どいつもこいつもなんなんだ。