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彼女はとても綺麗で美しく可愛い。
黒い髪に黒い瞳。
唇は小さく、魅力の赤。
まるで、二次元から…飛び出たように。
最初にあった印象。
カワラナイ、カワルコトガナイ。
でも、みんなは言った。
『汚い悪魔めっ』
なぜそう思ったのか、
なぜそう言ったのか、
僕にはわからなかった。
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初めて出逢ったのはいつ?
…さぁ?
初めて出逢ったのはいつ?
…さぁ?
初めて出逢ったのはいつ?
…。
初めて出逢ったのはいつ?
…しつこい。
初めて出逢ったのはいつ?
…知らないってば
初めて出逢ったのはいつ?
…覚えてないわ、
初めて出逢ったのはいつ?
…忘れたの、でもそのときの出逢いは
忘れてないわ。
僕はその答えを聞いて満足した。
怒ったように見上げる彼女は空をミて
かすかに息をのんだ。
僕も見上げる、…あぁ、今日も、か。
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あなたは私を綺麗だという。
美しいという。
可愛いという。
その言葉が嬉しくって。
胸が高ぶりそうになる。
そう、初めてあった日から。
ズット、オナジコトヲイウ。
でも、あなた以外は違った。
『帰れ!近づくなっ!』
なぜ嫌悪した目で、
なぜそう言うのか、
私にはわからなかった。
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初めて出逢ったのは、桜の木の下。
彼は他の人とは違った。
外見はどこにでもいるような、
赤い髪に赤い瞳。
それだけ。
桜の色に紛れ込みそうなのに、
平凡なのに、
忘れられない。
自分を見る目が
他の人と 違ったから。
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『あ、またミている』
そう言ったのは僕。
『…』
彼女はなにも言わない。
真っ赤な真っ赤な三日月が
逃げる僕達を、
ずっと ミていた。