カツカレーに花束を
このカツカレーは、ただの料理じゃない。
熱い闘志を秘めた、俺たちの魂だ! 師匠の謎めいたレシピを読み解き、最強を目指すロボレスラー・ダイゴの軌跡。胸躍るバトルと、男のロマンが詰まった一皿に、希望の花束を添えてお届けします!
有人ロボットプロレス通称ロボレス。
俺はダイゴ。ロボレスラーだ。俺は強くなりたい。師匠のデスクに残されたレポートを読み始めた。
師匠の残したものだ。今のオレに足りない何かのメッセージが込められているに違いない。
男の怠惰は戒めだ。
仮想男とは、敵は己自身と知れと言うことだな。己の中に眠る獣、これの御しかたを誤るな。か。
理想男は、その逆だな。
内なる牙を抜いてはならない。闘争心こそレスラーのすべてだ。それなくして何の人生だ。
平凡な人生、レスラーにとってこれは違う。
よし、一部はマスターしたぞ。
旅行と書いてあるが、これは遠征、あるいは武者修行だな。美味しいものとは好敵手、よい景色は、特殊デスマッチの事だろう。
「地獄の健康法」なんて当たり前のことが書いてあるのだ。筋肉が裏切らないのは当然だろう。
俺は、そこまで考えてハッとした。
こんな簡単なことが書いてあるはずがない。
・・・この意味は。
俺はこの答えを自分で出していた事に気が付いた。
たべるとは、敵を食らう。即ち戦い、勝利しその強さまで己のものとすることだ。限界まで戦い続けろと。
トモダチ君は愛機=レスラーロボのことで間違いない。レスラーロボは物を言わないが、共に戦う俺たちの体だ。共にトレーニングをし、シンクロ率を高め、より優秀な相棒となる。
だが、いかに優秀な相棒であっても所詮は機械。メンテナンスも必要。俺たちの元から離れることもある。敵を食らうのはあくまでも俺たちロボレスラーの意志と魂だ。
レスラーロボは機械故に実践真柄のシミュレーションを提供してくれる。
俺たちロボレスラーは、単なるスクラップ製造者であってはならない。
3部は実践編だな。
・・・まさかの愛機乗換か。
フルマニュアルを乗りこなしてこそ真のロボレスラーだというのか!
この合体の記述は多彩な技を使いこなすことだろう。
旧愛機のデータはセコンドマシーンとして生きるわけだな。
共に戦ったからこそわかる。好敵手には敬意を示さねばならないと。
ロボレスラーは単なる破壊者ではない。観客たちが明日をつかむための希望でなければならないのだ。
敵レスラーロボを多彩な技で調理し、破壊する。その屍こそ敬意の対象。
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ダイゴの機体のコクピットには、このレポートのコピーが張られているという。そして手書き文字で「勝つ!」という決意が添えられている。
カツカレーに花束を~ロボレスダイゴ伝~より
紅明少年は、この漫画の載っている少年誌を閉じた。
面白かった。だが、本当にそんなことがあったのだろうか。何処までが事実で、何処までがこの漫画を描いた新人漫画家の創作なのか。
胸が熱くなる。伝説のロボレスラーダイゴに憧れる。今の自分では手が届かないもどかしさ。
紅明少年は笑えない。




