第5章:アイテールに代わって創造神になりたい!
「なんだこれ?」
オリバーは人間の頭くらいの大きさの光る球を見つける。微かな光を放ち、奇妙な周波数で脈打ってる。めっちゃ変わってる。
外側の埃みたいなコーティングを拭き取る。
今、オリバーの力はすごいから、うっかりこの小さな物体を壊しちゃうかもしれないけど、うまくコントロールする。
光る小さな物体は壊れず、埃が散ると、結晶のような輝きを放ち、真っ暗な混沌の中で眩しく光る!
魂力を使って、オリバーは小さな瓶を目の前に持ってくる。じっくり観察する。
「これ、混沌で生まれた宝物っぽい?」
オリバーは考える。
混沌では、いろんな不思議なものが生まれる。オリバーみたいな、いろんな形の神々とか。
もちろん、生き物以外にも、混沌は命のない存在も生み出す。
目の前のこの瓶とか。
オリバーは、これが特定の法則の力が集まってできた特別な物体だろうと推測する。
こんな魔法アイテム、昔読んだ小説の魔法使いの前に置いたら、絶対に恐ろしい争奪戦が起きる――『ロード・オブ・ザ・リング』の「一つの指輪」みたいなもんだ。
「いいもの見つけた!」
オリバーの心は興奮でドキドキする。創造神アイテールも、法則の炉って混沌の宝物を持ってた。
今、俺も混沌の宝物を持ってる。
ただ、法則の炉と比べて、これ、どっちが強いんだ?
で、この混沌の宝物、どうやって制御して使うんだ?
まるでオリバーの疑問を感じたかのように、混沌時代の書が機械的なプロンプトで鳴る。
【魂力を使ってこれと結びつき、あなた独自のオーラをまとわせてください。】
魂力で結びつく?
オリバーはピンとくる――子猫が人に擦りつけて匂いをつけて、自分のものにするみたいな感じだろ?
もちろん、魂力で結びつくのは、もっと複雑だ。
オリバーはすぐ試す。魂力を結晶の瓶に染み込ませる。
魂力はほんとに膨大で、こんな小さな結晶瓶に侵入するには繊細な精度が必要だ。オリバーはめっちゃ慎重になる。
この美しい瓶をうっかり傷つけたり、割ったりしたら怖い。
幸い、魂力は量が多いだけでなく、細かいコントロールもバッチリだ。
だから、どれだけ時間がかかったかわからないけど、
ついに、オリバーは小さな瓶がわずかに震えるのを感じる。
魂力が完全に同期し、完璧な共鳴を達成した!
これで、このアイテムは俺のものだ!
【おめでとう、アイテムを入手:願いの瓶】
機械的なプロンプトがまた鳴る。
願いの瓶?
なんか普通っぽい名前だな。
オリバーはつぶやき、すぐに詳細情報をチェックする。
【名前:願いの瓶】
【アイテムランク:SS】
【効果:願いを叶える方向へ導く瓶。願いを伝えれば、その願いを実現する正しい道を示してくれる。】
【特別注意:願いの難易度が高いほど、あなたにかかるコストも大きくなる。】
マジか、この効果、めっちゃ強力じゃん!
オリバーはぶったまげる。混沌で生まれた宝物にふさわしい――昔読んだ漫画で、ドラゴンボールを7つ集めるとシェンロンに願いを叶えてもらえるみたいだ。
もちろん、この願いの瓶は直接願いを叶えるんじゃなくて、正しい道を導くだけだから、シェンロンよりちょっと落ちる。
でも、このアイテムは俺専用――7つのドラゴンボールを集める必要ないって点じゃ、漫画のドラゴンよりずっとマシだ。
もちろん、漫画はフィクションで、今持ってる願いの瓶は本物だから、比べる意味ないけど。
それに、こんな強力な宝物でもSS級なんだ。オリバーのSSS級アイテム、混沌時代の書の価値はまだまだ上がってるみたい!
この瞬間、オリバーは興奮で踊り出したくなる。
でも、初めての混沌の宝物がこんなに強いって、ちょっと出来すぎじゃね?
でも、よく考えたら、そんな変でもない。
混沌の世界には、普通の魔法世界や神話の時代じゃ想像もつかない超宝物が無数にある。
なんたって、神々が生まれる前の時代だ。
混沌の普通の存在は、どれもめっちゃ古くて強力な神だ。
恐竜時代みたいに、適当な恐竜でも人間の何倍もデカい。混沌の宝物も同じで、普通の魔法世界じゃ超レアで最上級のアイテムが、ここじゃそんな珍しくないのかも。
その考えで、オリバーの興奮はちょっと落ち着く。
「混沌には、もっと宝物が俺を待ってるはず! そうだ――これに願って、もっとすごい宝物を見つけよう!」
「最初の願い、なににしよう?」
オリバーは深く考える。
この願いの瓶は、願いを叶える道を導くだけ。願いが無茶苦茶なら、道のりは長くてめっちゃ複雑になるはず。
パネルにも書いてある:願いの難易度が高いほど、コストもデカい。
だから、適切な願いを選ぶのが超大事。
長いこと考えた末、オリバーは願いを口にする。
「俺、アイテールに代わって創造神になりたい!」
この願い、めっちゃ無謀に見えるけど、混沌時代の書で、混沌の世界の神々はまだそんな長いこと存在してないって知ってる。
アイテール、まだ弱いかもしれない――ほんとに取って代われるかも?
たとえこの願いが難しくても、どれくらい難しいのか、願いの瓶がどんなフィードバックをくれるのか知りたい。
魂力を使って、オリバーはこの願いを結晶の瓶に送る。次の瞬間、奇妙な法則の音の波動が瓶から響く。
それは声で話すんじゃなくて、なんかルーンの詠唱みたい。
不思議なことに、オリバーはこの法則の音を瞬時に理解する。
それは……拒否してる?
オリバーがこの願いを叶えるためのコストを払えないって言ってるみたい。
願いの瓶の能力を超えてる!
「ダメだった? 願いの瓶が弱すぎるのか、創造神になるのが難しすぎるのか? それとも、アイテールがもう俺みたいな弱者じゃ替えられないくらい強いのか?」
オリバーは延々考える。アイテール、もうそんなに強いのか?
今、アイテールの神格ランクはどのくらいだ?
30、40、それとも90?
混沌時代の書の情報によると、アイテールがレベル99に達すると、世界を創り始めて、いわゆる宇宙を築く。
そのとき、混沌の神々は巨大な大災害に直面する――恐竜の絶滅みたいなもんだ!
「まだ弱すぎるな。もっと強くなれば、アイテールを見つける願いのコストを払えるかも」
オリバーは内心でため息をつく。
この願いの瓶、思ったほど万能じゃないみたい。
もっと小さな願いから始めるか。
「願いの瓶、混沌の宝物を見つける道を教えてくれ!」
今度は、オリバーはもっとシンプルで、ずっと実現可能な願いを選ぶ。
ドン!
願いの瓶から強力な吸引力が噴出し、オリバーの体から混沌エネルギーを吸い取り始める!
明らかに、この願いのコストはオリバーが耐えられるものだ。
わずか数呼吸で、オリバーのサイズがほぼ千キロ縮む。巨大な体はほぼ混沌エネルギーでできてるから、その損失でサイズが急激に落ちる!
ブンブン!
願いの瓶が激しく震え、微かな光が現れ、オリバーのために遠くへ伸びるガイドのようになる!
もちろん、オリバーはこの光が、持ち主の自分にしか見えないって感じる。
「どんな宝物が見つかるか、行ってみよう!」
オリバーは興奮して思う。巨大な蛇の体が、雷のように混沌を滑る!
瞬く間に、混沌を旅して7日が過ぎる。
その間、オリバーは周囲の混沌エネルギーをずっと食らい続ける。サイズは徐々に増え、ほぼ1500キロに――元の栄光に大きく近づいた!
そう、失った混沌エネルギーはすぐに補充できる! サイズの上限を上げるのは時間がかかるけど、失った質量を回復するのは割と簡単だ。
さらに7日旅した後、オリバーは元のサイズを完全に取り戻し、1500キロを遥かに超える。ゲームで言えば、HPバーがまた満タンだ!