第4章:宝物
血に飢えた魚の肉体は、毒で殺されるとゆっくりと消えていく。
消えた後、極めて純粋な混沌エネルギーの塊が現れる!
オリバーの心は喜びで跳ね上がり、巨大な口を急いで開き、散らばった混沌エネルギーをガッと吸い込む!
巨大な口がゆっくり開閉し、開くたびに膨大な混沌エネルギーが体内に流れ込む。
そのエネルギーは、荒々しい奔流のようで、体の隅々に火をつけ、瞬時に体をどんどん強くする!
すでに巨大だった体がまた膨張し始めた!
1300キロ……1500キロ……2000キロ!
同時に、魂力も2倍以上に跳ね上がる。意識の奥深く、かつては幽霊のようだった魂が、今は液体のように凝縮している。
百匹以上の神魚の混沌エッセンスを食らったことで、数十年にわたる自己修練やエネルギー吸収を遥かに超える進歩を遂げた!
【あなたの力はレベル2神の頂点に達しました。】
古い書の機械的な声が響く。
レベル2の最強になった? もうすぐレベル3に到達しそう。
ステータスパネルを開く。
オリバー・スターク
種族:神
神格ランク:2
属性:
・防御:250
・攻撃:350
・混沌力:200
・魂力:620
スキル:
・捕食
・隠蔽
・毒
・元素法則操作
所持品:
・混沌時代の書
そう、オリバーは新スキル「元素法則操作」を会得した!
目を閉じ、新しく得た能力の存在を体で感じる。
元素法則……
かつて虚空は純粋な混沌でしかなかった。
でも今、オリバーは水、火、風、雷、光、闇、土、氷、その他無数の元素の力を自由に操れる!
この能力の起源は、血に飢えた魚が持っていた法則の欠片らしい。
残念ながら、奴らはオリバーの毒で即死して、使うチャンスすらなかった!
「他の神を食らうと、信じられない速さで強くなれる」
オリバーの心は興奮でドキドキする――急速に強くなる新しい道を見つけた。
アレックスを殺さなきゃ。
これからの終末的な災害を生き延びなきゃ。
もっと強くなる必要がある。
しかも、急いでだ。
自分でゆっくり混沌エネルギーを吸うなんて、もうありえない。
もちろん、混沌は危険だらけだ。俺より遥かに強い神が無数にいる。気をつけないと。
同時に、強い神がいるってことは、俺も奴らの獲物に見えるってこと。生き残る唯一の方法は、もっと速く、もっと強く成長すること。
「他の神と違って、俺には混沌時代の書がある。戦う前に敵の秘密をチラ見できる……」
【おめでとう。力が上がるにつれ、さらに未来の知識が解放されます……】
冷たい機械的な声がまた響く。
オリバーはすぐさま頭に浮かぶ書のページをチェック。光の球がページに浮かび、意識が触れると、情報が洪水のように流れ込む。
「これは……創造神アイテールの情報?」
オリバーの心は衝撃で震える。
この情報のおかげで、いわゆる創造神アイテールは元々、混沌の中の普通の神だったと知る。
ただ、生まれたときから高位の神――最初から信じられないほど強かった――で、かつて混沌の中で無数の神を食らった。
後に、アイテールは果てしない闇と混沌に飽き、新しい宇宙を創った。
そうして、星や人類、タイタン、神々のパンテオンが生まれた……
でもその過程で、元の神種の90%近くが死に絶えた。驚くべき数だ。
そして、アイテールの神格ランクは……99だった!
「こいつ、生まれつき特別だった。なんか……法則の炉ってものを持ってた?」
オリバーは驚嘆する。
つまり、この混沌の世界の土着の神も、システムで初期アイテムを与えられた転移者みたいに、強力なアーティファクトを持って生まれることがあるんだ。
もちろん、アーティファクトにも優劣がある。
法則の炉は、俺のSSS級アイテム、混沌時代の書と比べてどうなんだ?
法則の炉があれば、創造神アイテールは時間法則、血の法則、影の法則、聖なる法則など、いろんな法則の力をすぐに理解して使いこなせた。
オリバーはまだいくつかの元素法則を掴んだだけなのに。
「でも、このデータストリームにはもう一つ、めっちゃ重要な情報がある!」
オリバーは深呼吸し、目に憧れの光が閃く。
それは、混沌の中には奇妙な宝物やアイテムがたくさん隠れてるってこと。アイテールの法則の炉みたいに、どれも信じられない効果を持つ。
例えば、混沌の心、永遠の砂時計、原初の刃、永遠の氷。
名前だけで、めっちゃすごいってわかる。
一つ一つがめっちゃ強力な効果を持ってて、どれか一つでも手に入れたら、神の戦闘力が劇的に上がる。
宝物を持ってる神と普通の神じゃ、完全に別次元!
オリバーは混沌を彷徨い続け、他の神を見つけて食らおうとする。
でも、残念ながら、混沌は広すぎる。
長いこと彷徨っても、他の神には出会えない。
「このエリア、俺がもう掃除しちゃったのか?」
オリバーはちょっとイラつき、方向を変えて探そうとしたとき、突然、体が硬直する。
「な……なんだこれ?」
前代未聞の危険な感覚が四方から押し寄せる。まるで混沌全体が震えてるみたいだ。鱗が勝手に逆立ち、魂の奥から強い警告が響く。
「ヤバい!」
反応する前に、遠くの混沌の流れが激しくうねり、何十億キロもの高さの巨大な津波を形成する。
その波は終末の津波のようで、行く手をすべて破壊する!
「混沌の津波?!」
オリバーの瞳が衝撃で縮む。
間違いなく、この恐ろしい現象に巻き込まれたら、神でも一瞬で消滅する!
「逃げろ!」
迷わず、オリバーは振り返って逃げる。巨大な体が雷のように混沌を駆け抜ける。
でも、津波の速さは予想を遥かに超えてた。瞬く間に、怪物的な波がすぐ後ろに迫る。
ドーン!
波が押し寄せる。
オリバーは止められない力を感じる。鱗が一瞬で砕け、傷から血が噴き出す。激しい痛みが意識を奪いそうになるが、わかってる――今倒れたら、二度と目覚めない。
「死ねない……絶対死なねえ!」
歯を食いしばり、オリバーは全力で前へ進む。
一つ一つの動きが、死との必死の闘いだ。
幸い、早めに逃げ始めたおかげで、波の中心からは外れてた。ついに、オリバーは混沌の津波の clutches から抜け出す。
周囲の荒々しい流れがゆっくり静まる。
生き延びた……
息を切らし、オリバーは後ろの壊滅状態を見る。体は重傷だ――混沌エネルギーを吸収して回復しないと。
あの津波、なんだったんだ?
強力な神同士の戦い?
オリバーはその考えに震える。