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願いを叶える宝物

作者: 白野悠太

ある所に仲の良い母と息子がおりました。

母は息子を慈しみ息子は母を慕っていました。

ある時、母親が病に倒れてしまいます。

日に日に弱っていく母親の為に息子は駆け回りました。

ある時、村の古老がこう言いました。

「この世のどこかに願いを叶える宝があるらしい」

息子はそれを聞くと旅に出る決意を固めます。

「お母さん、待っていて。きっと願いを叶える宝を手に入れるよ」

母親は引き留めました。

「そんな物が簡単に見つかる訳が無いだろう。傍にいておくれ」

息子は首を横に振ります。

「ダメだよ。母さん。僕はもう決めたんだ」

息子は先ず隣の国に行きました。

医術が発達して居る国です。

様々な薬が人々を癒しています。

その国で一番の学者に会って聞きました。

「願いを叶える宝物を知りませんか?」

学者は答えました。

「いや、知らないな」

首を横に振る学者を見て息子は溜息を吐きます。

「早く母を治してあげたいのですが」

「我が国には良い薬が沢山あるよ。それでは駄目なのかい?」

息子は首を横に振ります。

「いいえ。駄目です。母の病は宝でしか治せないのです」

息子は国を出ました。

山を越え谷を越え旅は続きます。

ある時、故郷からの手紙が届きました。

母の具合が悪くなったと書かれています。

前半を読み終わった所で立ち上がりました。一刻も早く宝を見付けなければなりません。

手紙の後半にはこう書いてありました。

早く帰って顔を見せておくれ。

そんな事は知らずに先を急ぎます。

知っていても変わらなかったかもしれません。

彼は旅を続けます。

戦の中を逃げ惑い雪山の中を彷徨いながら足を止める事はありません。

再び手紙が届きました。

母が死んだと書かれています。

息子は思いました。

そんな事を気にして居る場合では無い。

早く宝を見付けなければ。

そうして彼は旅を続けます。

形も有るか無いかも分からない宝を探し続けて。

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― 新着の感想 ―
ボタンを掛け違えてしまったような感じですね。旅を中断して欲しかった……。
2024/12/20 21:33 退会済み
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