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おれは悔しかった
今でもバブルの
絶頂期だった頃を
忘れない
おれはあの当時
いつでも
一人ぼっちで
友達なんて
ほとんどいなかった
おれは多摩川のほとりの
土手に座りながら
一人でスナック菓子を
頬張りながら
詩を書いていた
まだ技術的にも
未熟な詩が
多かっだが
それでも
あの頃が
おれの原点でもあった
あの当時のおれは
ローリングストーンズや
ジミヘンドリクスや
デビューしたばかりの
エンヤに夢中だった
それから何とか
親に泣きついて
安物の
CDラジカセを
買って貰ったり
していた
けれど音楽ソフトを
買うおカネが
無かったので
もっぱら
CDレンタルショップで
CDを借りては
カセットテープに
ダビングする
日々が続いた
おれはあの当時
世間の風潮が
大嫌いで
おれの青春時代は
ボロボロだった
今にして
思えば
良いことなんて
一つも無かったが
おれはいつでも
悔しさを
バネにしながら
生きてきた
今も昔も
おれは変わらなかった
それだけは
良かったんだと思う