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家族
おれもいい歳だし
親父とお袋も
すっかり背中を丸めた
ジイさんバアさんに
なっちまった
幸い二人とも
ボケてはないし
寝たきりでもないし
白髪もほとんど無く
歳の割には
元気でいてくれる
でも歳には
違いない
こんなおれでも
二人の面倒を
看てやれればなと
思っている
でもおれだって
昔みたいに
無職の状態で
荒れた生活を
送っていたら
歳老いた
両親に
心配と苦労ばかり
させていた
かもしれない
まるで
小説のように
みんな筋書き通りに
ことが進んで
いた訳だ
とにかくおれに
必要なのは
まとまったおカネだ
いくらおれが
詩人だ、作家だと
喚いても
おカネが無くては
どうしようもない
今年こそ
長年の夢を
叶えてみせる




