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夢は夢
夢をみることは
その人の
自由だが
おれの場合は
ちょっと違っていた
確かなようで
不確かなことだ
おれが書いたモノを
みんなが
面白がって
読んでくれた
モンだから
いい気になっていた
でもみんなの
笑顔は
本物だった
そう信じている
おれは何でも出来る
そんな根拠の無い
自信が
いつでもあった
おれは生まれて初めて
人から認められた
それが嬉しくて
今度は欲に駆られた
それも
生まれて初めての
ことだった
たとえ
不確かな
モノであっても
おれはおカネを
自分一人の
為に使うのではなく
女たちを
守る意味でも
おカネは必要なんだ
おれには
どうしても
まとまった
おカネが
欲しかった
女たちを
守ること
それがおれの
仕事であり
使命でもあり
任務なんだ




