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忘れかけていた
先を急ぐあまり
後ろを振り返ることを
忘れかけていた
おれはずっと
詩人になりたくて
働きながら
せっせ、せっせと
詩を書いては
仕事のストレスを
発散させていた
おれは昔から
夢を描いては
楽しんでいた
その夢は
今でも終わらない
おれは常に
未来の
自分の姿を
想い描きながら
前を見据えている
後ろを振り返ると
苦労が絶えなかった
自分の姿がある
おれは昔から
夢を描いては
それを楽しんでいた
それもすべて
想像逞しく
夢想していた
過去のおれは
いつでも
そんな感じだった
夢を想い描いては
そのことを
楽しんでいた
厳しい現実に
押し潰されそうに
なったことも
あったけど
おれはいつでも
頭の中で
将来の
成功した
自分の姿を
想い描いていた
それは遠い
過去の
自分の姿だ




