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ハードル
おれにとって
作家として
成功するか
しないかは
生きるか死ぬか
それぐらいに
重要なことだ
おれは死んでも
サラリーマンなんかに
なりたくなかった
ましてや郵便局のような
閉塞的なところにも
戻りたくなかった
だけど少しだけ
ハードルが
高かったかな
作家になるために
こんなに苦労するとは
思わなかった
きっとみんな
おれが書いたモノに
度肝を抜かれて
大ヒットするモンだと
信じて疑わなかった
おれはまだ
夢から覚めては
ないようだ
おれは完全に
打ちのめされても
夢の中で
生きるんだろうな
おれはいつまで
ビンボー詩人のままで
くすぶっているのか
それが知りたい
早くおれに
良い夢を
見させてくれ
おれはその日が
来るのを
楽しみに
待っている




