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冬の日
昔勤めていた
郵便配達の仕事で
一番堪えたのは
真冬の寒さと
ドシャ降りの
雨の中での
配達だった
おれはよく乾いた
温かい
部屋の中で
仕事をしている
連中が
羨ましくて
仕方がなかった
おれはどれだけ
デスクワークに
憧れたことか
それでも
少しぐらい
寒いぐらいなら
我慢出来たが
冷たい雨の日や
雪の日は
最悪だった
あれからも
随分と
時間も
経ったことだし
もう良いじゃないか
おれは歯を
食いしばりながら
頑張ったし
辛抱もした
少しは良い夢を
おれに見させてくれ
おれの将来は
もっと良いことが
待ち受けている
辛い労働とは
お別れだ
もう雨の中や
雪の中で
働くことも
無いだろう




