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守られていた
今になって
振り返れば
幼い時からずっと
親父とお袋に
守られていた
ということが
改めて
思い知らされた
おれはいつも
ボーっとしていたが
お人好しでは
この世では
通用しない
敵は常に
どこにでもいて
敵はいかにして
おれのおカネや
おれが好きな女を
奪い盗ろうかと
企んでいるのか
よく分かった
この世界の
人間たちは
みんなどこかで
ダマされているが
そのダマされている
ことさえ
気づいていない
男は常に
女とカネを
欲しがるが
おれとて
同じだ
でも
人を泣かせてまで
欲しいとは
思わない
おれはもしかしたら
非常に
イヤな
男かもしれない
だけどこんなおれにも
優しくしてくれる
女がいる
今まで人に
守られた分
今度は人を
守ってあげたい
おれはみんなの
力になる為に
生まれてきた
それだけだ




