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大嫌いなラブソング
その昔
おれの作品を
読みもしないうちに
「アイツのことだから
下らない
ラブソングの
歌詞みたいな詩を
書いているんじゃねえの」と
知り合いから
バカにされて
大いに憤った
モンだった
だけど
下らないか
下らなくないかは
別として
本当に
ラブソングの
歌詞みたいな
詩を書く
ように
なってしまった
おれはもともと
ラブソングが
大嫌いで
どちらかと言えば
社会的な
メッセージソングが
好きだった
おれはもともと
人の内面を
えぐり出すような
詩が好きだった
それが今では
ラブソングの
歌詞のような
詩も書くように
なってしまった
下らない
ラブソングの
歌詞みたいな詩か
おれはそう言われた
当時は
大いに
憤ったが
今では
ラブソングの
歌詞みたいな詩も
書くように
なってしまった
喜ぶべきか
悲しむべきか
よく分からん




