浮遊 作者: 鉄 竜太 掲載日:2023/09/22 「やーい金無し」 僕を見上げるその子どもはバカな笑みを浮かべて叫んだ。 僕の家は宙に浮いている。巨大な電磁石の力でバランスよく浮遊しているのだ。問題は電気代である。 「払わないと落ちて死ぬんだよ!」 僕はその子どもに叫び返した。 そう。働いた給料のほとんどがこの浮遊装置の電気代で飛び、自分で使うお金なんて残っていない。 全てこの女性のため。この家で静かに眠っているこの女性が、安らかに天国に行くためだ。 全てあなたのために。