小鳥のルーチェさん。森の妖精の歌声を聞きたくて!!
「森の妖精の歌声」
森に一人の女の子の妖精がいました。けれど、その歌声は最近、聞こえなくなりました。
「妖精さんの歌声が最近聴こえないわ!どうしたのかしら?」
小鳥のルーチェが心配になりました。
小鳥のルーチェは妖精の家に行くことにしました。
「よし!妖精さんの家に行ってみよう!」
「トントン」
「誰ですか?」
ドアを叩くと奥の方から声が聞こえてきました。
「小鳥のルーチェです。妖精さんの歌声が聞きたくてきました。」
「久しぶりね。小鳥のルーチェさん。どうぞ中に入ってください。」
小鳥のルーチェは家の中に入っていきました。
「ごめんなさいね。ルーチェさん。最近、私は元気をなくしてしまったのよ。」
ルーチェはそれを聞いて心配になりました。
「どうしたの?妖精さん。何かあったの?」
「隣の国に住む妹の妖精のシルラから手紙が来なくなってしまったの。毎日のように来ていたのだけれど心配で歌うことすらできないくらい元気を無くしてしまったのよ」
ルーチェは妖精さんの話を真剣に聞いてあげました。
「僕が隣の国まで飛んでいって妹のシルラに会いにいってくるよ。!」
「えっ!いいの!ルーチェさん!」
「いいとも!妖精さん!困った時はお互い様だよ」
こうしてルーチェは出かけることにしました。小鳥のルーチェにとっては隣の国でも飛んで行くにはとても大変なことでした。
「よし!頑張るぞ!妖精さんに元気になってもらわなくてわ」
ルーチェは頑張って飛んでいくことにしました。
「ビュービュービュー」
今日はあまり天気がよくなく強い風が小鳥のルーチェを襲いました。
「こんなことで僕は負けられない。ルーチェは小さな羽を羽ばたかせて妹のシルラの家まで飛んでいきました。
「ふぅー。やっと着いたぞ!」
無事にルーチェはたどり着きました。
「トントン」
「誰ですか?」
「私は小鳥のルーチェです。貴方の姉の妖精さんがシルラのことを心配しています。」
「コホン!コホン!」
奥の方から声と咳が聞こえてきました。
「ごめんなさいね。風邪を引いてしまいました。姉に手紙を書けなかったのよ」
「そうだったのですね。」
ルーチェはふと思い出したのです。さらに隣の国には、とても心の優しいお医者さんがいるのです。
「大丈夫です。僕がお医者さんを連れてきます。」
「えっ!いいの!小鳥のルーチェさん」
「はい!任してください」
こうして更に隣の国まで飛んで行きました。
「ビュービュービュー!」
夜になり更に風は強く吹いていました。
「僕は負けないぞ!妖精さん。シルラのためにも僕は負けられないんだ」
ルーチェは疲れた羽を力の限り羽ばたかせて隣の国までたどり着きました。
「ふうーはぁはぁ、疲れた。とても疲れたよ」
ルーチェ最後の力を振り絞りドアをノックしました。
「お医者さん。お医者さん。いますか?小鳥のルーチェです。」
ドアを開けてお医者さんがルーチェに声をかけました。
「どうしたんだい?こんな夜に小鳥のルーチェさん?」
「はい!妖精さんは妹のシルラが心配で元気をなくしてしまい歌うことすらできなくなり、妹のシルラは風邪を引いて寝込んでいます。どうか二人に元気になってほしく、はるばる飛んできました。
「それはよく頑張ったね。小鳥のルーチェさん。」
「はい!頑張りました。」
こうしてお医者さんはルーチェと共に馬車に乗ってシルラのところに向かいました。
「大丈夫かい?シルラさん」
「ありがとう。お医者さんの薬のお陰で元気になりそうです」
「よかった。よかった。」
小鳥のルーチェも喜びました。
数日後、シルラは姉の妖精さんに手紙を書き、妖精さんの家で小鳥のルーチェ、妖精さん、シルラ、お医者さんとで妖精さんの歌声を聞きながら楽しく過ごしました。
おわり