万物の勇者VS剣の勇者4
「なるほどデバフか。自分が無理なステータスの扱いに慣れたら相手を落とす。君の常用手段か。」
「まさか」
神の杖を当てるのにそんなまどろっこしい手を使うか?使うけど。
「でもそんな程度で止められないよ」
そう言い彼は手を翳す。でももう《《遅い》》。
「なっ!?」
「万無の境界 終焉」
万無の境界 終焉は全てのスキル・魔法・魔術などを封じる最高峰能力。例外は異能・闘気・聖気・邪気・神力。わりと多いな。いや少ないか。聖気と邪気は巫女か聖女か最高司祭で神力は神闘気も壁を超える必要がある。が一也は神力と闘気が使える。
「剣神奥義」
「《廻れ・霊力》」
銃が震えてエネルギーを蓄えだす。ラーアのMPや神力を吸い尽くす早さで。そして落ちてくる槍。ラファエルを解除して霊力の壁を張る。
チュドーーーーーーン。
槍が爆裂して土煙が上がる。ただ捉えた感覚がない。
「エアダヴン・バースト」
上空から空気を叩き落として爆散させる。精緻なコントロールが売りの俺の魔導によって土煙は収まる。あるのは何故か中途半端に刺さった槍だ。一也の行動を理解した瞬間にグロウを上に振り上げて衝撃波を飛ばすも横から斬撃が現れる。そう言えば流星剣スキルには斬撃を留める能力があったな。剣なんてメインウェポンじゃないから忘れていた。となると詰んだな。
「負けか…」
この状況を打開する策を思いつかない。既にフィールドには1億近い斬撃があるはず。一度発動すれば消えるとは言え俺の体は耐久性には優れない。いや思い出した、一つある。
「変転」
「まさか、お前!」
禁呪変転
ありとあらゆる性質を反転させる魔法。グルカルトの魔王決戦で魔王が使用した魔法だ。あの時は完全完成ではなかったので魔法やダメージの類しか反転しなかったが俺がたった今使用したのは完全版。
「リザレクション」
「ディスペル」
俺に蘇生魔法を放ったのを確認した瞬間に変転を解呪する。それにより一気に回復する。そこについに追撃を加える。
「復刻傷」
発動対象が過去に食らったダメージをもう一度再現する最強峰の魔法。それはたとえ一度死んでいようとも体が作り変えられていようとも発動する。神殺しの際にエリクサーで再生した練金神にも通じた一打。更にこの日のためだけに精錬したソレを込めた超高威力の単発の銃「ウラケノス」を構える。雷がライフリングのように渦巻き全ての道を作り上げる。流転の力がその一発に篭る。
「ザフキエル カマエル」
ウラケノスに2つの霊力が灯る。一也は急に超越したダメージを喰らい気絶の状態異常に掛かって動けない。
パン
空薬莢が排出する音、地面に落ちる音が聞こえる。反動で腕が痺れる。まあ当然だな。それから一也の胸に弾丸が突き刺さる。
勝った?




