表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/89

死と称号

アイ視点


「此処は・・・」

 先ほどリョーさんに逃げるように言われてからずっと一本道を走っている。分かれ道は一つもない。あの人は此処についても何か知っている様子ではあったけれども何故か何一つとして語ろうとはしなかった。

「私はあの人を信じるだけ。あの時もこれからもずっと」

 すっと彼からプレゼントされた薙刀を取り出す。

『ほう。薙刀か珍しい。我のほらいいの使い方ができる人間がいるとは』

 何処からか老練の男性の声がする。

『我は神器が一つ。神薙 剛滅穿。そちらにあるのは神書 クラウンリーゼー 神銃 エグゾハント 神杖 デニュニル 神殺短剣 グロウ それに並ぶ武器じゃ。そしてお主は選ばれたのじゃよ。人を止める世界に』

 全てテンスの神子が持つ神器。デニュニルに限っては幾度となく見たことがある。ではなぜ神薙が?

『前の主から元々いた此処に戻されたんじゃよ。私ではあなたを最大限に活かせない。とだから理を超えた存在に封じて貰うと。あの坊主自分の愛人にはとことん甘いからな』

 ?

 直後私の手には先ほどとは別の薙刀が。

『神薙はグロウと同じ食らうことに本質がある。精神面特化ではあるが。・・・征け!!風の戦巫女よ、そして己が信念を守り貫き通せ』

 明滅を繰り返す得物。

「わかったわ。取り敢えず合流を急ぎましょう」

 その気持ちを確かにした瞬間。これは私の人生の中で一番の変化点だろう。

「やりなさい・・・セイントメギド」

 砲門が旋回してマナが充填を始める。気分は某空中戦艦に乗ったような気分。でもその攻撃方法は特殊すぎる。

「穿て」

 その聖気と魔力が入り混じった砲撃が前方を切り払う。

「はぁはぁ・・・」

 無数の気配がして試しに放つと一瞬にして何か別の塊に昇華して前方が消え失せた。

『聖気術だと!!それはある一定以上の・・・いや奴ならその程度造作でもないか。贋作神器も作っていたしな』

「相変わらず煩いな。まあその方がお前らしいか。AAOは確かに俺の贋作だしな」

 コツコツと足音がする。

「久しいな、神薙。封印以来か?」

『おう。万物相対も元気そうで何よりだな』

「まあな。というか防衛システムを皆殺しか?」

『おう。お前さん女難の相以外にもかなりヤバイ何かがあるじゃね?』

「ほっとけ」

 その言葉を皮切りにその影の人物が短剣を構え薙刀は光る。


 直後


 巨大なナニカが落ちて来た。


「おいおい・・・此処では無いだろ」

『グロウの眠りし・・・いやお主ゲルオニスは全滅したはずじゃあ?』

『それは向こうではだ。こちらは何者かが作り上げた贋作じゃあ』

「それほど不味いのですか?」

 その正体を知る俺らは慄く。が知らないアイはそうでも無いような表情をしているが

「『『不味いなんてレベルじゃねぇ。化け物だ」』』


 【RUBMOB  デスアルテマ の出現を確認しました】


 その表記には見覚えがある。

 R レイド

 U ユニーク

 B ボス

 MOB モンスター

 デスアルテマ グルカルトでの意味は死を超越した存在X


 今絶望的な戦いが始まる。



「自己属性付加 ウェポン」

 聖属性の魔力を使い俺とアイの武器を一時的に聖属性にする。本来なら属性石と呼ばれるものを使うのだがこの場合では設備的な面で手に入らないので仕方ない。

「聖気術は一旦禁止だ。 穿て」

 グロウに魔力を込め突き放つ。

「伍天龍の咆哮」

 デニュニルには闘気を込めてデスアルテマに叩き込む。この段階で俺が放てる最大威力の連撃。だがそれを奴はのろりくらりと躱す。

「---エアピアース」

 そこにアイが風魔法を放つも中核は捉えられない。

「セイント・ブレス」

 大きく息を吸い込みアイが後ろに居る様に立ち回り撃つ竜の吐息。聖竜から盗んだその面攻撃の魔力の塊はデスアルテマを押し返すに値した様だが奴はいまだに戦闘態勢を取らない。そこまでの必要がないと言い張る様に。

「エーテル・ブレード」

 マナを組み合わせてエーテルへと変更し左手に持つ。グロウを腰のベルトに差しデニュニルを右手に持ち替えて左手を上げる。

「アイ」

「《風よ・拒み阻み・踊れ》」

 風魔術エアシールドが縦横無尽に踊り阻む。そこでようやく奴は俺らを敵認識したらしくようやく武器である大剣と大斧を取り出す。

「死ね」

 そう呟き一瞬で近づき振り下ろす。エーテルで構成された剣は黄金に輝き空間を断ち切る。理論上最高峰の剣がデスアルテマを断ち切ろうとするも奴のHPには影響がない。

「チッ! なら150%」

 今の今まで使用は避けていたが理を超えた俺はステータスの出せる限界である100%を超えて能力を上昇させることができる。すると俺の体から白銀のオーラが飛び出る。

「束ねろエーテル」

 エテールを結いながら大剣の攻撃を避けて魔力をデニュニルを流し大斧を打ち払いアイへの攻撃を全て無効化する。

「---クロス・ブレイド」

 剣を十字に切り更にエーテルを収束させる。たった1.5倍にするだけで耐えられるエーテルの量が莫大に増えるのでかなり使える。まあエーテルでないとこいつには傷つけられないので意味がない。・・・神器は例外。ヘルプを出してもわかる様な場所ではないので誰も助けも借りれない。

「収束200%」

 更に体の出力を上げて跳躍する。100%だと1.5mほどしか跳べないが200%だと4m近く跳べる。

「-----風の巫女の祝福」

「--抜剣術 万剣蓮香」

 蓮の花を模すように魔力で鞘を作りそこを抜剣し通す。そこにアイの風の祝福が通り一気に風による風圧が圧倒する。

 

 グルカルトに古くから伝わる破魔の舞踊 シルフィ・フローラス

 花を模した剣筋を連続で繰り出し風で散らす。対邪霊用の舞踊。それを淀みなく続けて剣で切り続ける。そこに風の祝福が加わり勢いがます。

 わざと剣と斧を避けて高速で切り刻む。擬似天衣無縫。

 舞の勇者三枝舞美がグルカルトにて多用した戦術天衣無縫

 常に動き続けることで相手に動きの読ませずに前方150度に自由に攻撃を繰り出す対人用の奥義。それを模した擬似天衣無縫は確実な欠点がある。単純な話だ。範囲攻撃に弱い。特に薙ぎ払い系。だが重装備相手には絶大な効果がある。

 左にずれた瞬間に右足で前に出た瞬間に剣を一閃し右に避けて剣を突き刺しデニュニルで大剣を捌く。右足のみで跳び上がり回し蹴りを入れながらもう一閃。

「エンチャント STR VIT」

「---ウィンド・ブロウ」

 一瞬の隙を見てアイにエンチャントを施す。すると神薙に宿っていた風が一段と強くなる。それを担ぎ上げてマナが噴出する。

「セルフ・マジック・エンチャント 神薙」

 嵐の魔力と風のマナをアイに施す。それによりかの薙刀が一層緑色の光が増す。

『愚な子供よ 消えうせよ』

 デスアルテマ 特有の少し低めの声が響くと一瞬で魔法陣が構築される。

『発動 死の吐息』

 魔法陣が黒く光る瞬間にエーテルの刃を魔法陣に届く様に長くして

「爆ぜろ」

 先端のみを切り離したエーテルを爆破させて魔法陣を無力化する。薙刀の石突を持ち腰をかがめたアイが狙いを定めた瞬間

「桜井流 薙刀術 心穿」

 全身のバネと風魔術を利用して・・・風魔術?まあ桜井家だし。とにかく莫大なエネルギーをわずかな剣先に込めて穿つ。そこは一つめの弱点である核。

「グロウ」

 その言葉でエーテルの剣が消えてグロウが出現し再びエーテルが宿る。

「パラ・セイントエクスカリバー パラ・ダークエクスカリバー パラ・ヴレイヴエクスカリバー パラ・イビルエクスカリバー パラ・ソウルエクスカリバー パラ・ゴットエクスカリバー」

 これ一々詠唱する必要があるんだよな・・・実物があると必要ないけど。

「パラ・マザーズ・エクスカリバー コネクト」

 するとグロウが夢幻の光を放ち波導を拍つ。

「じゃあ始めようか」

 有効化 勇者

 有効化 聖女

 有効化 賢者

 有効化 騎士

 蒼銀のオーラを纏い地に降り立つ。

「魔神族の末裔さん」



ちなみに亮哉は聖剣ミミローアを継承した際に聖女スキル+称号を得たので男ですが聖女でもあるのです。あと勇者パーティーの盾役ってなんでしょうか?適当に騎士にしましたけど。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ