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エキシビションマッチ 上


「で如何してこうなった?」

「如何してかしら?」

「何故だ?」

 勇者3人が揃って似たようなセリフと共に溜息を付く。

 その前には計7名。

 恋歌の魔道騎士と自由騎士のパーティーが立っている。

「君の知り合いが多いのだろうリョー?」

「そうだがな。何が俺らでこの7人を相手にする必要があるんだ?」

「え~リョー何が言いたいの?」

「お前もお前でウザいから止めろチェルン。」

 コイツラ揃いも揃って・・・。全く如何してこうなったと思いつつ指でこめかみを押さえる。

「じゃあチェルンはティアとエリカを。クロノはジャックとリーゼを。」

「「了解」」


「準備は良いぞ小春。」

「こちらも完了した。」

 俺とエドウィードの声が解説席へと届けられる。



 そして互いに得物を抜く。


「「それじゃあ始めようか・・・・俺たちの決闘を」」

 PVPエキシビションマッチ。

 ソロ部門上位3名VSPT部門二上位二チームによるPVP。

 その大目玉イベントが今此処に開幕した。



「先手必勝―――――――――チェーンアトミックブラスト」

 ティアが高速詠唱で放つ最高峰の魔法。俺が目を二人にやると避ける気すらないような完全攻勢の構え。なるほど信頼はしてくれている訳か。

「オリジンリセット」

 俺の唱えたその言葉によりティアの魔法は強制終了する。そしてその反動でティアは倒れる。当然だ。とてつもない干渉をしようとしたらその上から上位の干渉を受け自身の魔法を強制遮断させられたのだから。

「「――ゾーンオールエンチャント――ゾーンオールエンハンス」」

 そこに俺とミィーナの空の目により仲間全員がターゲティングされ強化魔法が発動する。

「―――聖女の祈り」

 ミミアから継承した聖女スキルの一つ聖女の祈り。

 効果は全ステータスを上昇値込みで1.3倍までに引き上げてHP・MPの自動回復と状態異常の無効化を味方全員に付与する。それと同時に俺の後方に居た二人は動き出す。

 クロノはAAOをチェルンはエルフィニアを持ち一気に攻め立てる。二人は何の迷いも無く事前に決めた相手に攻撃を仕掛けていく。

「下がれ・・・・フォートレス」

「――金剛体」

 エドウィードとジャックが前に出て後ろに女性陣を庇う。その二人の合間から矢が放たれる。俺は素手でその矢を握り潰す。

「―――ヒートランス」

「―――シャイニングバレット」

 そしてその直後に流れるように俺に向けて魔法が放たれる。当然相手は全員驚いているが俺にとっては当たり前なので無視して漆黒の長剣を取り出す。

「キャリジ ヒートランス シャイニングバレット」

 そしてAWOで使用したその剣技を応用させた魔法剣を発動する。二人から放たれた魔法を剣が吸収し俺を中心としてアスタリスクを描くように舞う。その剣筋は黄金色に輝き煌めく。

「リリース 桜井流剣術 穿ち今宵」

 俺の剣が揺れ一瞬にしてジャックとの距離を近づけて剣先で盾を撃つ。その衝撃で体の軸を揺らしブレを起こす。そこに込められた魔法が随時するように襲う。

「降れよ 呪縛の雨よ」

 そこに俺の万無の境界を使いチェルンによる確実に当たる呪縛の雨が降る。当然全員にその雨が当たる。

「―――バーンニング」

「――――メガヒール」

 リーゼの回復魔法とミィーナの攻撃魔法が完成するもそれは発動されない。そしてその瞬間にクロノ銃撃が奔る。見事な3連射で足止めをする。

「――天降射」

 俺は即座に弓を取り出しアーツを発動する。そしてその放たれた矢はほぼ真上に上がり紫の尾を引いて落ちて来る。それと同時に矢が分散する。

 天降射はそそいだMPに対して一定の矢の数を増やすと言う特性がありグルカルトで鍛え抜かれた俺のMPはこの世界では絶大な力を発揮する。それによりほぼ無限とでも言うべき数の矢が降り注ぐ。そこに飛び道具を味方に当てない万無の境界を発動する。

「――ウィンドシールド」

「――――グラビティポイント」

「―――フレイムフィールド」

 徐々に落ちて来る矢に対して後衛の魔法職は防御魔法や妨害魔法を使い矢を凌ぎ他のメンバーは急所を守る。ほぼ全員が防御に傾向する。そしてそれは途轍もない隙となる。

「同調」

「ハイコネクト INT」

「行くわよ!――――――――――――コロナ・レイ」

 クロノの同調と俺のハイコネクトを受けチェルンが太陽光の集束光線を放つ。

「《リフレクション》」

 だがそれはジャックの持つ盾に反射される。だが俺らはソレを読んでおり反射した方向には誰もいない。

 まだ始まったばかりのエキシビションマッチだがこの時点でかなりの差が出ているようにも感じる。だが相手は才能だけで言うなら同格以上の存在。まだ気は抜けない。


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