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終 PT部門決勝戦

 この戦術。正直言えば不安でしか無かった。兄さんにさくら先輩が私たちには嵌まるとは言っていたけど常にリスクを取り続ける必要があるし何よりアイに負担が物凄く集中する。でもアイはこの作戦をしても良いと言った。私個人的には反対したかったけど。実際にやってみてわかった。この戦術はアイと私の特殊能力やティアの逸脱した妖術に嵌るものだと。


「―――オールエンハンス エンチャントオール」

「桜井流刀術 霧桜」

 私が施した強化魔法と付与魔法を受けてアイは刀を振るう。その裁きは私には見えないけど何かが僅かにぼやけて見える。

「桜井流刺突剣術 甲天突き」

 神速の突きが放たれる。でも今までの攻撃では最強の盾ジャックさんを切り崩せていない。更に言えば今回はエドウィードさんもタンクに徹している為にお互いに攻めきれない。ここまでの耐久戦になるとは予想して居なかった。アイの二刀流が無ければこの試合は落としていただろう。ここで私は始めてその眼を解放する。全てを極限までに研ぎ澄ましその僅かな揺らぎさえも捉える。

「爆」

 一瞬の隙に私は絶対的に届かない位置に爆発を起こし視界を遮る。

「ティア!」

「うん。――――――アトミックバーン」

 元素魔法最上位禁呪アトミックバーン。

 アトミックの名が示す通りに熱・衝撃波・放射線によってダメージを与える魔法。ティアはそれを改編してアイの前からとリーゼさんの後ろの双方から撃ちだし衝撃をその間で相殺する。この技術は本当に卓越しているティアの才能と努力があるからこそ出来る無茶ぶり。

「《リフレクション》」

 ジャックさんがエドウィードさんを庇い盾を掲げて私たちを丁度一直線上に並べる。

「《ゴ―》」

 そして唱えられる鍵言葉。それにより集束された灼熱光線が私たちを襲う。ここで避けたらティアに当たる。すると私たちに残された札はなく今までの精神的な疲労が滲み出て負けるだろう。いつもであればそれでも充分だっただろうけど今回は私たちの為に時間を割いてくれた二人の為にも勝たないといけない。でも今その手は・・・いや

「摸法――――――――――審判の右手」

 発動するは空間魔法。その集束光線をアイより前に出て右手で受け止める。



『えっ・・・。』

 今のは時空魔法。ミィーナに発動可能になったとしてもそれは教えるつもりはなかった。あの魔法は自身の生命を引き換えにありとあらゆる次元への干渉が可能となる魔法。それでもミィーナは対価を支払っていない様に見える。

『摸法とは言え最上位スキルをコピーして来るなんて・・・。』

『違う。・・・・摸法では無い。』

『でも今のは確実に審判の右手ですよ?攻撃が無に還り虚空から同等の攻撃を出力する。虚空に還らせた攻撃のつじつま合わせの都合上すぐに断罪の左手の発動が強制されているのでは?』

『確かにクロノのユニークスキル『最後の審判』は異空間接続の魔法の一種を用いた技術の一つ。そしてその上位系統の魔術『ラグナロク』を操れるミィーナには『最後の審判』は比較的楽な部類だ。』

 これは事実。おれでもラグナロクは難しいが最後の審判は割と余裕で出来る。しかも俺の場合はそこに別の能力を使いその威力をブーストすることが出来る。そしてミィーナの場合はそれを別ベクトルに発展させている。




「発動――――断罪之時空戒」

 時空の揺れを一点に集束させそれを放つ。それは小さき陽となりて撃つ。


 同心円状に衝撃波が熱が放射能が放たれる。

 かつて兄さんが私たちを救出するために放った戦略級にして朝鮮半島及び中国連盟の土地を無に帰した魔法。『断罪の陽』。それが今具現化した。



『これは・・・まさか・・・・。』

『あぁ・・・。灼爆の新年の原因とされる火玉と似ているな。でも・・・アレとは威力が違うはずだ。こっちは対人いや対小隊向けであるのに対して本物は対国家連合軍用。もし本当にそのレベルの魔法だとしたら?』

 俺の視力は捉えている。常日頃からありとあらゆる超次元現象を。


 それは空間を見破り

 それは魔に関する情報アクセス最上位権を与える

 それは全てを粛清し世界の霊を束ねる



 それによる解析はあの魔法をオリジナルと定めていた。

 名を『*`×○■△X』と呼ぶ。




 そして爆発が納まっていた時に誰1人として戦場にはおらず結果は全滅。

 第一試合を先取していた恋歌の魔道騎士が勝ちとなる。




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