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激突 銃の勇者VS魔術の勇者

 そしてPVP準決勝。チェルンVSクロノ。


『誰もが憧れる究極の魔法師。その伝説はβテストから始まりありとあらゆる魔法に精通する『魔導師』チェルン。対するは天才的な射撃能力で戦場を支配。近寄れば短刀で全てを切り裂き風穴を開ける。『銃魔皇』クロノ。』

 二人が対峙する。その手には銃が二丁と魔法杖に魔道書。

 銃の名は神銃エグゾハント。グルカルトの言葉で神の射腕。もう片方は魔銃AAOアハトアハトオリジン。この銃の最大の特徴は銃弾のサイズ変更可能な点だ。最大は88mmだが。


 一方魔道書はAWOでも見た神書 クラウンリーゼー。神階書庫アカシックレコードの姉妹本。杖は神杖 エルフィニア。 神格を得たエルフの血肉で出来た清浄の杖。全て名に神が入っている。神器と呼ばれるものだ。そしてそれが意味する事は唯一つ。

 全力。


 彼らは俺の事に気付いているはずだ。なら俺は如何にかしてあの二人に答える必要がある。

五龍が渦巻く杖。神をも喰らい成長し続ける短剣。全ての生産道具を賄う棒。天を守護する剣。

それらも神器である。エクスカリバーも神器でありグルカルトと地球では別にエクスカリバーが存在する。地球のエクスカリバーはどちらかと鞘に宿る癒しの力の方がメインだし。

そう彼らは俺に対して試練を課す。ここまで戻ってこいと。



そう俺にメッセージを残しつつ彼らは戦い始める。



「サンバレット」

「ルナウォール」

 クロノの放つ太陽の弾丸を月の盾で防ぐ。その隙を突かれクロノは30回引き金を引く。

「シルフダンス」

 私の杖に風属性を宿す。亮哉のエレメンタルエンチャントとは違い属性石は必要ないが魔力を多く消費する。けど神杖 エルフィニアにはパリング補正がある。本来は魔法を斬るのだけどMPによって構成された物理弾も魔法に分類される為今回のクロノとは相性が良い。

「記憶の彼方よ」

 魔術の一節詠唱により片倉亮哉の記憶の一つを再現する。それにより弾丸を切るのには成功したがその間にも魔法は組み上がる。

「サンダーバレット アイスバレット マルチガトリングバレット」

 全てが弾丸で構成されている攻撃は過密している。

 でもこの程度なら

「ヘビーレイン」

 上から1tにも及ぶ雨粒を大量に降らすことで対処する。



 勝負はまだ始まったばかり。



『凄いですね。』

『おう。ここまで高度な試合は中々ない。ところでミィーナ?』

『はい?如何かしましたか?』

『チェルンとリョー更に言えばクロノだが詠唱が存在していないオリジナルと最初の二人は鍵言葉で魔法を発動していないか?AWOの時もだが。』

 気付かれたか。まああんだけボコスカ魔法や魔術を放っていたらそうなるか。しいて言えば闘気 頸 魔法 魔術 聖術 霊術 邪法 神の理術 と色々ありますよ俺個人は。


 おいおいおい。チェルンさん?



 逐次展開する魔術と魔法で弾丸を相殺する。これでも足りないの充々承知のうち。でも

「《レイ》」

 その鍵言葉が光線を発射し焼き尽くす。

「《レイ》 《ダヴンバースト》 《エアウォーク》」

 神書 クラウンリーゼーには所有者が知る限りの全ての装備効果が発揮できる効果がある。それを使って亮哉の魔改造作品の効果を全力で使い戦場を翻弄する。


 それは知る人ぞ知る魔術の勇者霧宮さくらの得意戦術。空次元戦闘が展開された。

『これは・・・・何でしょうか?』

『私も知らないというか見た事が無いです。』

『おいおいミィーナの専売特許だろ?謎の解説は。』

 一体どんな評価を下しているのだろうか彼は?確かに俺やチェルンと居た所為で珍妙な戦術を記憶しているのだけれども。

『これ確か虚空戦争の勇者がデスゲームとゲームマスターが告げた時の・・・。女性の方がやっていた確か名前は・・・。』

 覚えていやがったあの娘。

『空次元戦闘かな?』

『空次元戦闘?』

 ミィーナの言葉に首を傾げるのは他の二人。

『何でも爆発による推進力や飛行魔法などによって高さを用いることで戦闘者の3次元知覚能力を持ち要らないと不利になる諸刃の剣の戦術。神でも殺せる超高度戦術との事です。』

 事実だし。俺が神殺しの際にはコレを応用した特殊戦術の一つだ。というか神殺しはそうとうな計画を練って行ったものだし第一使えるスキルも俺とさくら―――チェルンでは大分違う。美波との訓練で対空次元戦闘の空間認知能力を鍛えていたとしてもクロノ相手では分が悪い。精々猫騙し程度。

 それに視線を読む系統でもAAOは弾道もセット可能なので意味をなさない。




「ダークバレット ライトバレット ブラットガトリング フォースバレット」

「神の御盾よ」

 無数の弾丸が彼の後ろから私を包網し風穴を開けんと迫って来る。

 それに対して前方180度を薙ぎ払う。残りは魔術盾で防ぐ。

「伍の摂理」

「えっ!?」

「陸の定義」

 私の後方戦場の上。その二つに魔法陣・魔術陣が出現する。

「神の御技」

 一節ずつしか唱える事が出来ない神殺しの奥儀

「我は求める」

「人の身に在りながらも」

 それは一撃で迷宮を一層分をも破壊した威力を持つ。

「神を喰らう呪を」

「遥か彼方の無に帰せ」

 黒魔改『オブシデアゴヅ』。

 万物の勇者直伝にして彼の奥儀。


「災禍霧散せよ」

 ただその一節がその術を破壊した。



『ここで出た!!クロノ得意の未完壊し』

『・・・凄ぇ』

『コレは・・・。』



「読んでた。だからこうする」


「《ブレイク》」

 直後。会場が沈黙する。いや違う。これは



『オブジェクトデリート!!』

『・・・ハァ?』

『え・・・。』


 チェルンが再現したのは魔王決戦のさいに俺が用いた結合分解魔法ブレイク。

 それを対象としたのは会場そのもの。それつまり。

『一戦目の勝者。チェルン。』


 とう言う事だった。



 そしてクロノ防具と武器が変更される。神銃エクゾハントは双銃という本来の形態に戻り防具は全身黒のライダースーツに外套。

 ステルスモード。彼が本気の殺しをする際の戦闘服だ。

 そしてクロノは第二戦を見つかることなくチェルンを倒す。



『フルゲームまで持ちこみましたね。』

『いや違うフルゲームにしただ。』

『ですね。この大会では3つのスキル編成が必要で同装備・スキルは2回までしか使えません。』

 そう。準決勝・決勝は2試合先取が勝利条件。故にチェルンはこの戦闘をとあることに使った。

『元々どちらも別のスタイルとは違う気がする。そしてこの戦いでは見る事が出来ない』

 正しい。どちらも遠距離攻撃をメインとするスタイル。クロノはガン=カタが出来るしチェルンの杖術と細剣も天武のものだ。彼らはそれをどれ一つとして使っていない。そして使うつもりもこの勝負ではないだろう。




「クロノ。これでイーブンよ。」

「チェルンさん・・・何で貴女はエアダヴンを?」

 確かに前の試合。エアダヴンバーストを使えば勝てていた。

「知ってる?亮哉があれでダメージを受けなかったのは万無の境界があるから。私じゃ共倒れ。それは面白くないわ。」

「・・・何処か一也さんに似てますね。でも僕が勝ちますよ。」


 そして互いに得物を取り出す。

 それは神銃エグゾハントと神書クラウンリーゼー。

 更には短剣と細剣が存在する。・・・?

「はぁ?何でアレが?」


 と万物の勇者の驚いた声が大会記録に残されていたとか。



「《開門1》」

「《裂け》」

 同時に唱えた鍵言葉が魔砲を発動する。そしてその瞬間クロノの気配が消える。潜伏スキルと装備の気配遮断と認識妨害が働く。

「見通せ 眼よ」

 白魔ホークアイを改編したハデスの瞳。本来は隠れる側だが亮哉が強制的に暴いたのでその術式は流れており魔法としても汎用している。陰神さえも見通す神の瞳。

「そこね。デスピアス」

「―――シャドーダイブ」

「ホーリーバースト」

 影に逃げ込もうとする所を聖なる槍が繋ぎ止める。そして細剣をマントに刺す。

「《繋ぎ止め》」

 繋ぎ止めのレイピア。亮哉お手製の対象をその場に縛り付ける魔道具。それがクロノを縛り付ける。

「《開け》」

 空斬のショートソード。同じく亮哉お手製の逃げの札。開門の鍵言葉は魔砲攻撃とこの門の設置の二つの意味を持つ。

 どちらも魔王城攻略の際に亮哉が勇者全員に渡していた切り札。それを熟知している二人は何のためらいもなく行使する。



 勇者の相棒・・・聖武器を。



『あの細剣と短剣・・・青い。』

 そうそれこそが彼らの持つのは聖剣。勇者に与えられ勇者の相棒。

 神器?あれは邪神用兵器だから。

『・・・綺麗』

『だな。それは相当。繋ぎ止めの鍵と結界のナイフみたいだな』

 ・・・確かにそれをネタにして作りました。にしても片方はフリーゲームでもう一方はラノベ。どこでそれを知ったんだ?

『へぇ~エドウィードさんそんなネタ何処で知ったんですか?』

『・・・俺としてはミィーナちゃんが何故そんな事を知っているかが気に成るところだけど・・・』

 ソレ原因俺だわ。俺の工房にはおびただしい数のデータと装備品や消耗品が研究室には大量の資料がとある。美波も偶に研究室の方に入って来るのでその影響だろう。

『兄さんの部屋ですね。細工師なんでそう言った資料が沢山あるんですよ。』

『・・・ソレ無断で立ち入りしてないよね?』

『大丈夫ですよ。あの部屋人外魔境何で。』

 否定出来んわ。資料と鉱石に宝石の山だし。ゴミは分解しているので無いです。

 奥の方には原子爆弾にナパーム弾。太陽光を集束した兵器。などと危険物取扱者もビックリ仰天な仕様です。

『そうか・・。まぁ俺は何かと従兄にその手のものを見せられているからな。』

 ・・・・アレじゃあ勇者関連か?

『ひょっとして虚空戦争の関連の方ですか?』

『似ているけど違うな。』

 ミィーナの質問で確定だ。異世界または異界に関連のある人間だ。そしてテンスの神子である可能性が高い。





「スパイラルシュート」

「ゲイルブラスト」

 風の砲弾同士がぶつかり周囲に強風をもたらす。

「バタフライスイング」

 私は最初からその瞬間を狙い神杖を振るう。でもそこは影。ミミクリーとシャドウダイブによる回避のコンボ。これは忍びの勇者伊賀崎峻直伝の暗殺術。それは

「―――零距離射撃」

「うっ!?」

 今回は真横から。そしてその衝撃で吹き飛ばされる。今のは、88mm弾。つまりはAAOの最大のサイズ。その衝撃はとてつもなく強い。そしてベクトル操作の魔法も併用されておりクロノ自身が受けるであろう衝撃さえも私の方に流れ込んで来た。

「リリース」

 杖に試合開始時から宿していた魔法を発動する。

「ミストルティン」

 直後。膨大な魔力の光が戦場に穿たれる。


 ミストルティン。

 それは魔術の勇者 霧宮さくらのオリジナル魔道。

 魔法でも魔術でもないだが二つの要素を受け継いだ彼女の切り札。魔力とマナ二つを半恒久的に供給する事で発動対象に永久的にダメージを与える最強の功性魔道。

 それがこの世界に始めて具現する。

「《開け》」

「・・・」

 クロノが振るう短剣の青き煌めきは・・・・



 その聖剣に仕組まれた鍵言葉に対応する効果は発揮されなかった。



『えっ・・・。』

『回数制限か?』

『・・・・何で?』

 3人が3人とも驚いている。

 いや正しくは俺とチェルン以外の全員が驚いているだろう。クロノも含めて。

『・・・何でだ?普通に考えればチェルンはミストルティンの反動で動けないはずだ。』

 確かに普通は動けない。というか俺のフルステータスでもさくらのフルステータスでも無理だろう。

『・・・まさか?』

『如何しました小春さん?』

『チェルンさんの細剣は別の効果もしくは今までが間違った・・・本来とは別の使い方をしていたのでは?』

 なるほど。そう捉える事も出来るか。神書 クラウンリーゼーで超大量の効果を見せた所為か俺製作の聖剣が弱く見えるのは仕方ないが悔しい。

 ところで皆さんはお気づきだろうか?

『あれ?ところであの本は?』

 さすがはミィーナ。核心を突いてくるのが上手い。でも

『発動。ミストルティン』

 チェルンの二発目のミストルティンが正式に発動する。



 そしてクロノは逃れなれない。否その場に繋ぎ止められていた。

 神書クラウンリーゼーと繋ぎ止めの細剣によって。そして正規のルートを通してミストルティンが再び起動する。再びマナと魔力の大量の光がクロノに襲いかかる。

 


だが

「――審判の右手」

 マジカルソード最強にして最凶のユニークスキルが発動する。

「―――断罪の左手」

 直後。

 今度はチェルンにマナと魔力の光が降り注ぐ。





 そして

『勝負あり。勝者クロノ』

 クロノ勝利で準決勝第一試合が終了する。


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