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解説そして同胞


『今のは・・・?』

『オリジナル?いやでも・・・。』

『兄さんやり過ぎ。』

 わずか一瞬で術者以外の全員が気を失った。それはシステムにより守られていたはずの解説者もだ。実況者に至っては未だ気が動転しているようにも見える。それだけの火力を示したのだ彼の一撃は衝撃的だがそれに畏怖を抱いたのは魔導士チェルン。彼女は異世界グルカルトに魔術の勇者として召喚された。その際に得た能力を全力で使っても防げないと理解させられた。そしてソレに使われている超高度技術も自分には不可能だと視えてしまったのだ彼が創り上げていたオリジナルの魔技に。

『ジャイアントキリング・・・。』

 そうしか表現が出来ない禁忌の術を何事も無く放ち唯一の勝者となった片割れは立ち尽くしていた。



『えぇ~と何で俺此処にいるんですか?』

『兄さん馬鹿なの?』

『流石にアレ放った後にできるその態度は・・・。』

『アイ頼むから俺をアウェーにしないでくれ。』

 今俺は再戦となったバトルロイヤルの解説室に居る。尋問をされる側で。

『リョーアレ何?』

『あれか?多分MOB相手には使えない対人用確爆黒魔改『マナコンバートブラスト』』

 チェルンから短い言葉で何かを求めるのはわりと見慣れている。にしてもコレ憤怒戦で利用したけどな・・・。

『掻い摘んで言うとプレイヤーが持つMPをその物を爆発に変換し破壊の限りを尽くすオリジナルの一種ですね。』

『貴方のは固有のほうが正しいわよ。ったく誰がそんな事考え付くんですか?』

『居るだろう俺が』

 ああ言えばこう返す。十手と扇のようなやり取りをしながらそう説明をする。それは異世界で戦闘に費やしていた二人の巧みな話術である。

『多分普通にこっち側の人間ですよね?』

『あっ!やっぱり?何となくそんな気はしたけど』

『会話に脈絡を感じない点では同じよね。』

『『・・・・。』』

 止めを指すのを止めて貰っていいですかチェルンさん。



 ?

『アイツ凄い。』

 精霊王の瞳を全開にして戦場を見まわしているととある少年が目に付いた。

『改変能力が高いな。最低限の威力で確殺している。』

『何か非道な感じが』

『そうか?気圧を高めたり過酸化死をさせるお前が言える事では無いぞ。』

 というかあの時は俺・一也・駿は死ぬ所だったし。何故に前衛をも巻き込んでんだろうか?俺が大気の壁を生成してないと色々と不味かったような気がする。

『そこは是非とも聞いてみたいんですが、最低限の力で確殺とは如何いうことでしょうか?』

 おっ!何か丁度いいパスが実況から飛んできた。しかも丁度いい。

『オリジナルは属性が複合して出来る事はご存知でしょうか?』

『えぇ。魔導士が幾度か見せていますので。』

 そして件の少年から水弾が打ち出される。その水球は大柄な大剣使いに当たり大剣使いが痺れからか得物を落とす。そこに一気に水球が二つ追加で迫る。その水球は顔に纏わり呼吸を奪い気絶する。その間に少年は近付いており杖で撲殺した。

『水+雷と水+風でしょうか?あまり相手にしたくない部類ですね。相手を痺れさせて窒息させる。そして撲殺。』

『それを見ただけで分析できるリョーさんも凄いとは思いますが。』

『チェルンと同じだし。弟子か?』

『違うわよ?一応私ギルマスだしこっちでは。』

『魔導研究会でしたっけ?』

 ミィーナがさりげなく会話に加わって来た。君仕事は?

『若気の至りよ』

『充分若いだろ精神面以外は。』

 テンスの時と虚空の帰還者ではどちらも内部時間で3年以上は過ごしたし。計すると既に21歳を超えてしまう。やったね、お酒が合法的に飲めるよ!

『虚空戦場でも3年は居たからね。それは否定できないわ。』

 肉体はテンス時は世界の壁を超える時に肉体はより上位に再構築されると言う法則が適用されておりそこに神の手が加わり外見は異世界漂着時と変わらないが身体能力や魔法に魔術・闘気などは1.5倍以上であった。もっとも酷いのが幸運んでカンストして限界突破である。虚空戦場では時間加速システムが使われており地球とは3倍の速度でゲーム内時間が進んでいた。それ故か9年は滞在していた事に成る。

『話がズレたわね。確かに魔導研究会には私が中心だったけどサブマスも同輩よリョー。』

『えっ!?』

 声が裏返った。

 いや問題は其処じゃない。ってかきみソロでは?

『エグゾハント』

『・・・マジか・・・・。』

 俺《万物》とさくら《魔術》以外にテンスで魔術と魔法を使い分けた唯一の例外が銃の勇者黒岩巧だ。

『アイツ出て来るの?』

『来るわよ、ソロで。』

 協調性皆無か!お前等は。少なくともペアでならかなり強いはずだ。互いに自衛術は学んでいるはずだし。俺みたいに万物等しく才能ありは居ないはずだ。舞の勇者も舞と言う事に関して特化していたしそれを応用して普通に武技も優れていた。懸けれる時間の違いもあるかもしれないが。

『あの少年はもう勝ち上がりか。強敵が多いなやっぱり。』

『あら意外。あんな好戦的な性格だからてっきり戦闘狂かと。』

『知ってます?オリジナルは脳波によって検知されているらしいですよ?此処にいる全員はさっきより人数が少ないですし内四人はリアルでも知ってますし・・・(ニコッ)』

 魔法陣展開。

『マナコンバート』

『災禍霧散せよ。』

『デュアル』

 ここで魔術を魔法に変換する。それは未完の技術だが

『ニヴルヘイム』

 神越した制御能力により暴力的なままに完成する。

『精魔闘聖一帯制御術。これが自分の持つ切り札の一つ。』

 それと同時にバトルロイヤルが終了する。


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