マジカルソード初ログイン
かくして5日後。俺は初めてマジカルソードにログインする。
マジカルソードの初期装備は某猪突猛進な勇者を支える支援神官の物に似ている。
そしてこんな時期の初心者装備ゆえかとても目立つ。待ち合わせ相手の事を考えると余計に気が滅入る。それでも教えを請う側なので遅刻する訳にはいかない。
「大聖堂はこっちか。」
大聖堂は初期の町におけるプレイヤーの蘇生地点であり様々なイベントやクエストの開始・終着地点である。そこに今日の待ち人は既に来ていた。
「ようリョー。」
「来てたのかエドウィード」
そうAWOの流星剣エドウィードその人である。
ジロジロと不躾な視線が刺さる。
「なぁリョー恋歌の魔道騎士だと誰がタイプなんだ?」
「・・・殺されたい?」
何故そんな事を聞く。実質二択だしアイと婚約者の関係だぞ。
「冗談だ。・・・おいそんな死神の様な目をするな。」
「どんな目だよ。にしてもそっちは連携の確認とかしなくて良いの?」
「恋歌の方はしているんだな。」
「あんま情報を流したくは無いが正直、あぁも嵌まるとは思いもしていない。」
アイとミィーナの役割変えただけでも大分違ったし。見本が超越者だし仕方ないか?
「既にパーティー部門は決勝トーナメントまで決まっているしな。プロだとゲーム100`で出るしリョーもこっちだろ。」
よくご存じで。ま一工夫したら割とギアはどれでも良い事が判明したので活用させて貰っている。
「そうだ。で、そろそろだな。」
抜剣しながらそう呟く。使い慣れた初心者装備に魔力を通す。
「瞬闘刹羅」
さて高速ボスマラソンパワーレべリングの開始だ。
BOSS ウッドゴーレムの討伐完了
アレ?弱過ぎない。
あの後予選・決勝戦用に使うスキルを成長させた後に自分用に武器をエドウィードに貰いそれも含めて自分用エドウィードが所属するピースメイカ―と恋歌の魔道騎士用に魔術の勇者霧宮さくら用の武器を作り出来次第フレンドメッセージで呼び出し調整をする。それが終わったのはマジカルソードのソロ部門予選の当日であった。




