別離と星
ここは・・・そうね神授の迷宮の宝箱の罠の数%は転移ものだったわね。
リョーが牽制の為の矢を放ったのは何でか?と思っていたけど魔族対処のマニュアルを忘れているなんて如何したのかしら私?
「メニューで・・・・嘘・・。」
神授の迷宮1階層45階。無慈悲にもそう記されていた。あの頃同等の装備がありステータスもあるなら駆けあがる事など児戯に過ぎないのが私たち《テンスの神子》何だけど・・・流石にサービス序盤でアレを使う訳にも居ないし。
「これが一番かな 来なさい 神書 クラウンリーゼー」
と私の言葉に反応し分厚い本が目の前に出現する。
確か真名はアカシックレコード。私の持っているスキルを全て組み合わせることでそこまで昇華するのでは?と亮哉と一也が言っていたのを覚えている。にしてもあの二人は何処からそんな情報を・・・。って
「40階ボス・・・ならベヘモスボム」
重力場を発生させたうえで速攻で真反対の入り口へと逃げる。神授の迷宮では転移はトラップ以外出来ない。たった1人を除いて。私の体を構成する遺伝子と骨に血の一部は彼のモノと同じ。全くもって介入できないわけじゃないだろうけど多分出来ない。システムに潜伏するのは無理少なくとも亮哉ほどの演算能力を頭の中で常に展開し続けるなんて普通の人間や名付きの勇者では無理。
「30階ね・・・一方通行」
極限まで加速する代わりに真っ直ぐにしか進めない加速魔法『一方通行』を使う。これにより頭の思考能力さえも加速する。
「フェイクバースト・プチエクスプロージョン」
二つの魔法が同時に発動し盛大な爆炎や粉塵を見せる。それと同時に周囲に魔力を撒く事で私の存在を周囲にバラす。こうする事で追跡を亡くす。そして足早に30階を去る。
「スイッチ」
アイのその言葉を聞き俺は銃を盾と剣に変え前衛の位置に躍り出る。
「クロスソード」
溜めなく発動させたアーツによりスケルトンのHPを刈り取る。そしてそのまま剣を槍に見立てて魔力を纏わせ穿つ。
「魔剣牙」
矛盾の一打が指し穿つ。その衝撃波でスケルトンの群れは一瞬で奥の通路へと吹き飛ばされ
5人でいた時のように壁に当たりHPが削り取られドロップアイテムがインベントリに収納される。
現在、神授の迷宮1階層17回。
通称 星精の隠れ家。神授の迷宮において初めて訪れる試練の間である。




